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公開 2015年09月05日  

無料の子宮頸癌検診では見つからない病気がある!?子宮癌検診で絶対に受けたいある検査とは?

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若年女性の死因で未だ高い疾患である子宮頸癌。現在国から20歳から5年毎に無料券が配布される上、各自治体でも子宮頸癌検診の助成を積極的に行っています。しかし、日本の子宮癌検診受診率は依然低いため、積極的な受診をすすめますが、その際必ず一緒にやっておきたいある検査があります。


子宮癌検診で行っているのは?

現在、20歳以上の女性には、5年おきに子宮がん検診の無料券が配布されています。子宮がん検診は、各自治体も積極的に助成を行っていて、多くの自治体で2年おきにクーポンが使用できる仕組みが整っていますが、子宮がん健診の受診率は未だ低い状態です。



ところでクーポン券で行う子宮頸がん検診で、いったいどの程度まで婦人科関連の病気の診断ができるのでしょうか?子宮頸がんはもちろんですが、子宮筋腫・卵巣囊腫・子宮体癌など色々な事が診察できると考えていませんか?子宮頸がん検診の際、腟鏡を使用した内診には注意しなくてはならない点があります。

内診だけで分かる事は思いのほか少ない

子宮頸癌検診をする際は、腟鏡(クスコ)とう器械を腟にかけて、子宮頸部を観察しつつブラシや綿棒で子宮頸部の細胞を擦り取る検査です。その際一緒に行っているのが、視診と内診検査です。



しかしながら。これらの検査で見る事が出来る範囲は、腟の外・腟の中・子宮頸部までなのです。すると無料クーポンで診断しうる婦人科疾患の種類は、下の図の様になります。

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細菌性膣炎や尖形コンジローマといった腟外の疾患は、子宮頸管ポリープ等の子宮外の疾患が主となり、実は子宮内や卵巣の観察はする事ができません。つまり子宮筋腫や卵巣囊腫は余程大きなもので無い限り、内診検査で診断する事は出来ないのです。

子宮癌検診をする時は、必ず経腟超音波検査を希望すべし

子宮内や卵巣を診察するのに、最適かつ侵襲性が低い検査は経腟超音波検査です。これは腟内に超音波のプローベを挿入する事により、子宮と卵巣を詳細に調べる事が出来る検査です。

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上の図の様に、経腟超音波検査をする事により、子宮筋腫や子宮体癌・卵巣囊腫・子宮内膜症・子宮腺筋症等の婦人科的な疾患を診断する事ができるのです。特に子宮内膜症や子宮腺筋症等は不妊症にも強く関連する疾患ですので、若いうちに経腟超音波を行う事は非常に有用です。



しかし、残念ながら経腟超音波検査は無料クーポンの範囲ではありません。ただし施設によって料金は異なりますが、おおよそ1000円〜5000円程度で、一緒に検査する事ができます。



婦人科疾患をまんべんなく調べる為には、内診検査と経腟超音波検査を組み合わせる事が非常に重要ですので、皆さん子宮癌検診を受ける際は、必ず経腟超音波検査を一緒に行う事をオススメします。

まとめ

子宮癌検診は若い間にきちんと受診する事が大切です。その際、内診検査のみだと婦人科関連の疾患を診断出来る範囲は思いのほか狭い事を覚えておいて下さい。経腟超音波検査をきちんと行う事で子宮癌検診をより有意義にする事ができます。

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