実は「幼稚園見学」には、裏ワザがあります。幼稚園の園長としては、あまりお伝えしたくないこともありますが、皆さんがよりよい「幼稚園選び」をするためには、有効なことと思いますので、ご紹介します。
地域に気になる園が複数あったら、そのすべての園を見学してみてください。口コミやお仕着せの行事ではわからないものが見えてくるときがあります。
複数の園を比較することで、それぞれの園の特徴がはっきりします。また、ご自分の考えにあっているかどうかも比較することができます。遠慮することなく、たくさんの園を見てくださいね。
幼児期において、トイレは重要な場所の一つです。
・明るい雰囲気かどうか。
・先生の目が行き届くような作りになっているか。(仕切りが低いかどうか)
・掃除が行き届いているか。
などのチェックは当たり前ですが、ここは勇気を出して、お子様にトイレを使わせてみましょう。
トイレトレーニングができている場合はもちろん、トイレトレーニングができていない場合でも、お尻を出して便器に座らせてみてください。慣れないところでお子様は不安に思うのでしょうが、扉を開けたままで、一緒にいてあげると落ち着くと思います。
本当は、ご自身も子どもの同じ目線で便器に腰かけるとよいのですが、一緒についてきている先生の目も気になりますので、無理はしないでくださいね。
ご家庭でも、また、外出先でも洋式トイレが普通の世の中ですが、小学校によってはまだ「和式トイレ」を使っているところも少なくはありません。生まれてからこれまで、和式トイレを使う機会が少ない現代の子どもにとって、小学校の「和式トイレ」は難関の一つになってしまう場合があります。
幼稚園によっては、そのような小学校への連携も考えて「和式トイレ」をわざわざ設置しているところもあります。地域の小学校が「和式トイレ」の場合、幼稚園時代にこれを経験させておくことは、意外と重要なことになります。
あえて何の連絡もなしに突然幼稚園を訪問し、「見学させてください」と言ってみましょう。何の準備もすることなく、幼稚園が見学者をどのように迎えるのか、普段の保育の様子はどうかを知ることができます。
もちろん、園の都合がつかなくて、満足に応対してもらえない場合もあります。その際でも、きちんと相手に不快に思わせることなく、見学のお断りをすることができるか、などに園の普段の考え方が現れます。もちろん、連絡をすることなく突然訪問することは、幼稚園にとってはあまりありがたいことではないので、強硬に見学を要求したりすることは避けてください。
また、突然訪問をしたことのお詫びを言ってくださると、園に悪い印象をあたることもありません。幼稚園は第一に園児のことを考えるべき施設です。たとえ見学者のためでも、園児を犠牲にすることは本末転倒となります。この裏ワザはこの点を十分に理解して、使ってみてください。