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  4. “どうして?”と向き合う時間を楽しむ。4歳からできる、アーダコーダの「哲学対話」って?

“どうして?”と向き合う時間を楽しむ。4歳からできる、アーダコーダの「哲学対話」って?

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常にあふれる「正解のない問い」について、グループ対話の場を提供している特定非営利活動法人こども哲学おとな哲学アーダコーダ(以下、アーダコーダと略記)。一人ひとりの言葉を通して哲学を感じるおもしろさ、親子の会話を楽しむコツなどを伺いました。

自分の家族以外の考えを知る楽しさ、大切さ

「サンタさんはいるの?」「子どもの日はあるのになぜ大人の日はないの?」……。これは、アーダコーダの「こども哲学」の場で出てくる、子どもたちからの問いかけ。



アーダコーダでは、こうした素朴な疑問や、不思議に思うことなどをテーマに、意見を出し合う機会をつくっています。



特徴のひとつが、大人と子ども、それぞれが年齢別に10人程度のグループに分かれること。その理由について、代表理事の川辺洋平さんは、



「親と子が離れて、自分の家族以外の人たちの話が聞けるところに哲学対話の良さがあると思っています」



と話します。



「これは世界的に言えることだと思いますが、ある時から、コミュニティがどんどん似た人同士の集まりに細分化されていると感じるようになりました。似た人同士で固まって、フェイスブックでいいね!して、みたいに。哲学対話では、大人も子どもも、人の話を聴くことのおもしろさを知ってほしいですね。特に子どもたちには、多様性を受け入れる姿勢が自然に育つといいなと思っています」

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きっかけは、「我が子の考え、言葉を知りたい」という好奇心

「自分の子どもには、間違っているかどうか分からなくても、わたしはこう思う、と言えるようになってほしいなあ」と川辺さん。川辺さん自身、初めて哲学に触れたのは高校時代で、それ以来、関連書を何冊も読み重ねるなどしながら、その魅力に引かれていったそう。



活動を始めた大きなきっかけは、2011年に日本で公開されたフランスのドキュメンタリー映画『ちいさな哲学者たち』(2010年公開/ジャン=ピエール・ポッジ ピエール・バルジエ監督)を観たこと。



その後、2013年6月ころ、友人とその映画の話をしている際、当時3歳と1歳だった子どもたちと「哲学対話をしたい」と思うようになったそうです。



「最初は、うちの子がどんなことを考えているのかを聞きたいなあって思ったんです。どうすれば、子どもたちが持っている自分の言葉を引き出せるんだろう、と考えるようになって、哲学に関する集まりに参加したり、人に聞いたりしていました。そのうち、自分の活動としてやろうかなあと思うようになって、2014年6月に団体を立ち上げました」

意見を言わなくても楽しい

川辺さんを真ん中に、哲学や対話、教育のプロたちが集まって始まったアーダコーダの活動。



現在、都内を中心にワークショップを開催していますが、メンバー共通の思いとして、最も大切にしているのは、問いかけの先には答えがないことだそうです。



意見を言いたい人も、意見を聴きたいだけの人も、自由にその場を楽しめること。そういったメッセージが参加者に自然と伝わるよう、ワークショップでは、最初に自己紹介や質問ゲームなど緊張をゆるめるようなものから始めていきます。



次に、哲学の世界へと入りますが、たとえば、4歳~6歳向けの「子どものための哲学対話」では、絵本の読み聞かせをすることで、自由に疑問を出し合える空気にしていき、少しずつ哲学の話へとステップを踏んでいくそうです。そこから、本当のおもしろさが始まるのだとか。

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議論を楽しみながら、問題の本質にたどり着くことも

「この前、小学1、2年生で対話をした時、ラーメンの丼ぶりに龍が描いてあるのはなぜ?という疑問が出てきたんです。そこから、雪男はいるの?おばけはいないの?という話になって。

そこで、『じゃあ、おばけを見たことがある人?』と聞くと、『僕の知り合いにいるんだけど、それはどう考えたらいいの?』と。そこで1、2年生はびっくりして(身体が)凍ったようになっちゃって、『見たの?こわっ!』って(笑)」



川辺さんによると、こうしたやりとりは、一見、答えも生産性もないように見えるものの、子どもたち自身で、哲学の話を深めているのだそうです。



「テーマは、ラーメンの丼ぶりから龍、雪男、おばけと、4つも展開しています。これが哲学の入り口。こんな風に議論を進めることが哲学ではとても大事です」



議論を深めていくには、良い問いかけをどう見つけるか、が重要。その役割を担うのがファシリテーターで、「その問い、おもしろい!」という風にきっかけをつくる問いかけを見つけていくとのこと。その後、本当の問題とするところ、つまり「根っこ」の入口へとつなげていく。そこまでくると子どもたちから、本来持っている自分の言葉、体験の話があふれるように出てくるのだそうです。



「例えば、いじめやつらい思いをした経験などの話になると、自分の素の部分が出てきます。こうした現象は、特に子どもに起こりやすく、自分の体験を通して、血肉の通った発言が出てくるんです。そうすると、その地域で集まっている子どもたちが、『あの子はそういうことがあったんだな』と、背景を踏まえた接し方になる。つまり、本当の意味でお互いを知り、行動も自然と変わっていく」

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親子の対話を楽しむコツは、携帯のスイッチを切って、ただ聞く

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[Conobie編集部]

Conobie編集部連載では、「個性がのびる、子どもがのびる」をテーマに、スタッフが厳選したコラム・情報をお伝えいたします。それぞれの家族が、「我が家はどうする...

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