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公開 2015年08月05日  

子どもの可能性に制限をかけないで~興味が湧いた時こそ成長のチャンス~

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ついつい我が子に対して「まだ無理だ」と思ってしまいがち。障害のある子の場合は特に、なんでも手をかけてしまうことが多い気がします。だけど、どの子も日々成長しているので、障害あるなしに関わらず、昨日できなかったことが今日には、今日できなかったことが明日できるかもしれません。我が家の障害のある娘の可能性に気づいた体験をお伝えします。


まだまだ赤ちゃんだと思っていた娘とクッキー作りだなんて!

娘が保育所への入所が決まり、園長先生との面談を受けた時のこと。これから人一倍お世話をかけることになるだろうと、先生方へ私が手作りしたクッキーを持って行ったんです。園長先生からは、お礼の言葉と共に「お嬢さんと一緒に作ればよかったのに~。」という言葉が返ってきたので、私は、とってもビックリしてしまいました。



娘は2歳ですし、年子である息子の方も、まだ3歳。息子は健常児ですが、だからといって一緒にクッキー作りなんて、家の中が小麦粉だらけになって大変なことになるとしか思えませんでした。でも、よくよく考えてみると、大変なことになるのは、親である私自身が、後片付けが面倒だなぁ~と思うだけで、息子だって一緒にお菓子作りをするのは楽しそうです。



この出来事が、親が困るからという理由は、できれば排除していかなきゃいけないな~と、まずは思うきっかけとなりました。それでも、私は、まだまだ娘には出来ないことがいっぱいだと思い込んでいたのです。 だって、本人はしゃべれないどころか、話しかけても反応しないし、食事も手でグチャグチャ潰すし、名前を呼んでも、なかなか振り向かなかったのですから。

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興味を持った時こそ、成長のチャンス!

そして、またある日、夕方、園へ子どもたちを迎えにいくと、娘は、たった一日で、制服のボタンを留めることができるようになったと聞きました。もっと何年も先にならないと出来ないと思っていたのに「たった1日の練習で~?」と思うと、またまたびっくりでした。



どうやら、娘が、自分で自分のボタンを触っていたので、興味があるのだと思い、ボタンを半分まで穴に入れて、残り半分を娘に引っ張らせてみると、飽きずに何度でもやったのだそうです。そのうち、自分でボタンを留められるようになったそうです。外す方も、穴にかけてやれば、その後は自分で外せるようになりました。



今度は、「そうか~、興味を持った時がチャンスなんだ!」と思いました。



それで、玉子が好きだったので、一緒に玉子を割ろう~!と促してさせてみれば、まあグチャグチャではあったものの、自分から玉子を割ろうとし、また、泡たて器で混ぜてもくれます。一緒に玉子を使ったお菓子作りを楽しむようになりました。もちろん、こちらが手を添えてやらなければいけない場面も多いのですが、それでも、本人は満足そうでした。玉子焼やウインナーやハンバーグを焼くなど、一緒に遠足のお弁当を朝から作ったこともあります。

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「危ないから」という理由を優先させるのではなく…

小学生になってからは、私が包丁を使っていると、カウンター越しにジッと眺めていたので、やはり「手伝ってくれる?」と聞けば、ゆっくりキッチンへ入ってきます。大きさはバラバラですが、それでも、包丁を持って野菜を切ってくれました。



切り方は激しいので、包丁を持った右手の上に左手を添えるように教えました。切る野菜は、私が押さえておくので、危険だとしたら、私の手の方ですが(笑)でも、それからは、ままごとの包丁も、左手が右手の上に添えるようになっていました。



小学校低学年であれば、健常児でも、ご家庭によっては「危ないから!」という理由で、包丁をお子さんに使わせない場合もあるでしょう。お子さんのやりたい度合い、性格や特性などによっても考え方は変わると思います。でも、できるだけ制限をかけないことを心に留めておけば、その時のタイミングを逃さないのではないでしょうか?

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「できる力」や可能性を奪わないように…

それでも、ついつい「まだ無理なのでは?」「この子には無理だろう。」と思ってしまうこともあります。逆に、無理強いすることも、よくないはずですよね?



「できることを増やす為」が一番の目的になってしまうのも私は違うと思います。やりたい気持ちを大切に、「本人が楽しめること」を一番心がけていたい。



楽しい気持ちがあれば、上達はきっと早くなる。もちろん、出来なくたって、それでもいい!失敗したけど、楽しかった。そんな体験をすることで、心の成長に繋がると思えるのです。



そうして、本人のできる力を奪わないようにを心がけて、今だに、『制限かけないこと』『無理だと勝手に決めないこと』は、意識していきたいと思っています。

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