今回の取材でわかったのは、世界から絶賛されているフランスの育児環境は、見習うところはたくさんあるけれど、完璧でもないということ。
これはスウェーデンでも同じでした。
つまり、欠点のない育児環境なんて世界のどこにもないのです。
さらに、このご家庭の長男くんは、アレルギーなどがあって子育てが簡単ではないタイプ。
育児に悩む場面はかなり多かったと想像できます。
それでも、「最近は少し余裕が出てきて、子どもの独立後のプランを夫婦で考えることもできるようになった」って、すごいと思いませんか?
この夫婦は、話し合いができたからこそ、いろんな危機を乗り越えてこられたのです。
「不満をぶつけるためじゃなくて、別れないため、お互いが無理なく続けていくため」と話し合いの目的がハッキリしていたのもうまくいった秘訣なのでしょう。
話し合いの基本は、相手の話を聞くこと、歩み寄ること、アイデアを出し合うこと。
それはフランスだろうが日本だろうが変わらない家族の基本です。
逆に言うと……パートナーにまともな「対話」をずっと拒否されている。
口をきけばいつも自分の落ち度を責められる。
自分の努力を一切認めてもらえない。
全て自分が悪いのではと思えてきた……もう打つ手がない。
人生がつらい。
そんな場合は、別れることも考えていいと私は思っています。
家庭は、ひとりだけががんばってうまくいくわけはないです。

公開 2023年09月19日
夫婦円満の秘訣は「一にも二にも話し合い」。会話が何よりも大事な理由(2ページ目)
7,322 Viewイラストレーター&コミックエッセイストとして活躍するハラユキさん。
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連載『ほしいのは「つかれない家族」』
#11
ハラユキ/講談社

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