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公開 2015年08月08日  

言葉が出るまで時間がかかった息子の「言葉の力」を育むために私が心がけたこと

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「うちの子はちょっと言葉が遅いのではないか」と、不安になることもあると思います。そんな時、子どもの一番身近ににいる「ことば先生」である親が出来ることをお伝えします!


親が教えるのは、「正しい話し方」ではなく「話すことの楽しさ」

「初めて話すことばはなんだろう?」と、子どもの発語は、親にとって楽しみであると同時に、「同じ月齢の子に比べ、うちの子は発達が遅いんじゃないか」「なかなかスムーズに言葉が出てこない」など、尽きない悩みでもあると思います。



かくいう私の息子も、話し始めるのは他の子と大差ありませんでしたが、「えっとえっと~」「あのね、うーんと・・・」など、とにかく言葉を出すのに時間がかかる子でした。けれども私は、彼の言葉について、まったく心配をしていませんでした。それは息子が生まれてから勉強した、「発達心理学」の知識を持っていたことが大きかったように思います。



私が気を付けていたことは、「正しい話し方ではなく、話すことの楽しさを教えること」です。それはどういうことか?子どもに話しかける話し手の立場と、子どもの話しを聞く聞き手の立場と、両方の立場からお伝えしたいと思います。

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子どもを「ことばのお風呂」に入れる

まずは話し手の立場から。3歳前後というのは、人の一生のうちでも、もっとも言葉が伸びる時期なんだそうです。2歳頃に使える単語が平均300語とすると、3歳には約900語まで伸び、4歳には約1700語まで伸びるといわれています。



そのとっても大切な時期に、親がしてあげるといいことは「子どもを『言葉のお風呂』に入れてあげること」絶え間なく子どもに話しかけ、子どもの話にしっかりと耳を傾けてあげることです。



例えば、1歳前後のまだ「ママ」しか言えない時でも、なにか言葉を話す度に、母親やまわりの大人が喜んだり、微笑みかけてくれる様子を見て、子どもは言葉の魔法を知ります。そして言葉は話すことは楽しい、もっと言葉を覚えよう!と思うのです。



以前TV番組で、元プロボクサーの辰吉丈一郎さんは、ご両親が離婚しお父様ひとりだったうえに、そのお父様が無口だったため、かなり遅くまで言葉が出なかったというエピソードを紹介されていました。例え話すことは出来ずとも、子どもは言葉を理解しています。



「どうせ分からないんだから・・・」などと思わず、常に話しかけてあげること。じゃんじゃん、言葉のお風呂に入れてあげましょう。

言い間違いを、正さない

次は、聞き手の立場からです。聞き手の立場として、おすすめは、「子どもの話を途中で遮ったり、言い間違いを直したりしないこと」です。話を遮らないのはともかく、間違いを直さないって、ちょっとびっくりしますよね?でも実は、とても大切なことなんです。



たとえば息子は、「カメ」を「マメ」とよく言い間違えていましたが、私はあえて直しませんでした。せっかく子どもが気持ちよく話しかけてくれているのに、それを遮って直すことは、子どもの話そうとする意欲を挫き、萎縮させます。



間違いを指摘する代わりに、そんな時は「カメがいたのね~」と、さりげなく正しいことばを聞かせて、子どもの耳を育ててあげる。そうすると子どもはそのうち、自分で正しいことばを覚えます。



また、話し始めや、言葉がいっぱい溢れている時期は、「えーとえーと・・・」とことばに詰まったり、「あのあのあの」と同じことばを繰り返したり、どもりに似た話し方になることがあります。これは頭の中で、一生懸命ことばを検索している証拠。なんにも心配いりません。



「何が言いたいの?」「ああ、○○のことでしょう」などと、話を遮ったり、先まわりして結論を言ってしまわないようにしましょう。なぜかというと、それをされると子どもは、「早く話さなきゃ!」という強迫観念に囚われ、どもる(吃音)ようになってしまうのです。ゆっくりじっくり、子どもの言葉を待ってあげたいですね。

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大切なのは、ママの笑顔

もちろん、言葉の遅さの原因は、発達の偏りや耳の聞こえの悪さなどの身体的な原因もあるかもしれません。なにより一番大切なことは、「ママの笑顔」。親の不安は、子どもに伝染します。ご自身が笑顔でいられるよう、必要に応じて専門機関に相談されることもいいでしょう。



私の息子は、今でも学校にあったことを何でかんでも、話したりする子ではありません。どちらかというと、じっくり考えてことばを紡ぎ出す方ですが、この子の個性を、大切に伸ばしてあげたいなと思っています。



たとえ支離滅裂でも、子どもの話を最後まで、気持ちよく聞いてあげること。子どもの話し方や発音ではなく、話そのものを聞いてあげること。言葉を使うことによって、こんなにも素晴らしく楽しい世界が広がるのだということを、教えてあげたいですね!

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