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公開 2023年04月26日  

PTA役員、自治会の会長…毎回「NO」と言えないのには、深い事情がありまして

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生粋のイエスマンなのでPTA役員は当然回ってきます。


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なんだかんだとずっとなにかしらの役員をやっている。

最初は長女が年長時の謝恩会委員。

卒園式後の謝恩会の準備を1年かけてやるというもの。


その翌年からは地区の自治会の協議員2年縛り。

2週間に1度会議に夫が出席して、市政だよりの配布や集金などが主な仕事だった。


それと並行して、末っ子が年少の時はクラス役員もやった。

長女の時から親しくしているお母さんにどうしても、と頼まれて引き受けた。


その翌年は、地区のPTA地区役員。

順番からいくと私が引き受けるより他ない感じだった。


その翌年にあたる昨年。

PTAの本部役員に就任した。

こちらも2年縛りで1年目は補佐。

2年目が本役員になる。

昨年は本役員さんのサポートが主な仕事だった。

今年はいよいよ本役員になるので、それなりにやることがあるらしい。


と、同時に、今年は自治会の婦人会会長もやることになってしまった。

「役員になっても会長にさえならなければ大して仕事はないから!」と前任者に押し切られて役員を引き受けたのだけど、実際会長を決める場に赴いたら、
「会長未経験者で、65歳未満の方、挙手をお願いします」という条件に4人しか該当しなかった。

役員さんは14人も居たのに。

恐るべし高齢化社会。

4人から会長、副会長、会計の3名をくじ引きで選出することになり、見事に当たりを引いてしまった。


無能なのに役ばかり回ってくる。

生粋のイエスマンなので断るスキルが低すぎる。

無能なくせにすぐ「なんとかなるか」と思うから非常に質が悪い。


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今年は婦人会会長と、PTA本部役員が課せられている。

絶対に失くせない歴史が詰まったUSBを2つも引き継いでしまった。

これを1年間失くさない、が今の私の最大ミッションだ。

考えるだけで緊張する。


子どもたちの通う学校では、PTAの本部役員は2年間と任期が長い代わりに、全うすれば任期中に在籍している子ども全員が卒業するまで校内のPTA役員は免除されることになっている。

今のところ。

我が家は子どもが3人いて、末っ子が今年小1になるので、向こう残りの5年間、PTA役員から免除される。

長女のクラスメイトの保護者のおひとりが「一緒にやりませんか」とお声をかけてくださったので、このタイミングで引き受けることにしたのだ。

生徒数が少ない学校だからどうせいつかやることになるだろう。

ならば「一緒に」と声をかけてくださったのもなにかのご縁かもしれないし、まあいいか、と引き受けた。


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さて、先日、1年間の補助役員を終えて、本役員になるにあたって引継ぎが行われたのだけど、その量が想像を超えていた。

今までそれなりに役員の場数を踏んでいたばっかりに、私は油断していたと思う。

なあに、特別な資格が必要というわけでもないし、大変だろうけどなんとかなるだろう、そう腹をくくっていた。

ところが、渡された資料はとんでもない重さで、同梱されているこのUSBはいったい何のためにあるのか、と泣きたくなるほどの紙束とファイルが用意されていて、それらが入ったトートバッグをお預かりして肩から下げると、肩紐が肩にぎゅっと食い込んだ。

年間の予定と仕事を表にしたものを見せられ、さらに慄いた。


私の役職は「書記」。

用意するべき書類とおおよその締め切りが表の上にずらりと並んでいる。

こんな仕事をしていて言いにくいのだけど、いや、しているからこそ。

締め切りが増えることがただ怖ろしい。

カレンダーの上の「締め切り」の文字を直視しないで、薄目を開いて見ている毎日だというのに、カレンダーの上にさらに「締め切り」が並ぶのだ。

なんてこと。

ああ、なんてこと。


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PTA役員に関しては、当初、夫と分業する予定で引き受けた。

彼もまた保護者。

ところが、実際に会議を繰り返すうちに、出席した人が欠席した人へその日の詳細を伝達するのが億劫になってきた。

そして、ざっくりと口頭で話はするものの、やはりどうしても欠席した人間は情報への関心がやや薄くなる。

これは私が欠席した場合でも同様だ。それがどうも非効率に思えて、結局のところやはりどちらかが軸足を置くことは避けられないのだと思う。

少なくとも我が家の場合は。


大きなヘマをして人様にご迷惑をおかけしないように努めるしかない。


それにしても、大したキャパシティもないのにいつもタスクにまみれている人生だ。

「頼まれたから」と言ってあれもこれも引き受けて、しょっちゅう訳が分からなくなっている。

その上、なんでも手を出したがる性格だから始末が悪い。


学生の頃は同じ学費ならと隙間なく授業を履修して、アルバイトを2つ掛け持ちしながら、さらに家庭教師の生徒を3人も抱えていた。

アルバイトのうち一つは知人に「人が足りないからどうにか」と頼まれて断れず、家庭教師の生徒は「こういう生徒さんがいてどうにか……」と持ち掛けられるとやはり引き受けてしまった。

3人のうち2人は駅から徒歩40分以上かかる場所に住んでいた。

なるほど。


そして貯まったアルバイト代で、よせばいいのダブルスクールをしていたので本当に意味が分からない。


その性分は今も変わらず、子どもたちに頼まれるとすぐに引き受けてしまう。

ほいほい約束してしまうので、常に送迎に追われているし、よその子どもがしょっちゅう泊まりに来る。

先日はついに一度に7人も泊まりに来て、我が子と合わせて子どもが10人。

引き受けておいて幻かと思った。


子どもの好奇心は無限なので、頼まれごとはいつだって後を絶たない。

今は長女と一緒にナップサックを作る約束が消化を待っている。


その他にも身内の仕事の頼まれごとやら、ついつい首を突っ込んだボランティアなど、日々、自分で自分を追いこむ道を順調に逸れることなく生きている。


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もうずっと自分に「いい加減にしたら」と思っているのだけれど、やめられないから仕方ない。


言い訳をすると、首を突っ込んだ場所からしか見えなかったものが確かにあって、出会ったやさしい人達や、ほんの少しの楽しかったことが脳の柔らかい場所を刺激する。

そして、その何倍もシンドかったことを忘れてしまうらしい。


そういう単純な脳を持ち合わせている。

そんな甘い蜜があることを知っているから、ついつい、「どおれ」と味見したくなってしまうのだ。


話が少しそれてしまったけれど、つまり今年のPTA役員もそんな甘い蜜に釣られ半分、ハラハラ半分、そんな気持ち。

締め切りを薄目で見ながらどうか1年、安穏に過ごしたい。


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限界。愛しい。三人育児 #89
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