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公開 2015年08月06日  

完全母乳がすべてじゃない!大丈夫、少しでも母乳を与えていれば「母乳育児」なんです

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母乳は母子双方にとって良いものという話は良く耳にします。だからと言って、母乳にこだわりすぎて育児が楽しくなくなるのは、本末転倒。楽しんで授乳するからこそ、良い母乳育児になるんです。「完全母乳」にこだわらず、少し力を抜いて、楽しめる程度に母乳育児をしてみませんか?

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10250000013

母乳だけで育てている人は、全体の半分程度?!

妊娠中、母乳で育てたいと考えている母親は多いと言われています。ですが、実際に母乳だけで育てることができている人は、厚生労働省のデータによると50~55%程度です。



母乳に代わってミルクが取り入れられたのは、第二次世界大戦以降。それ以前は、ほとんどの母親が十分に母乳を与えることができていました。もちろん、母乳の出が十分でない人はいたのですが「乳母」「もらい乳」という文化で、ミルクがなくても子どもを育てることができたのです。

母乳の分泌が十分でない背景?

以前は、生活の場(家庭)で、出産・育児が行われており、近所の子どもたちは、赤ちゃんが産まれたら見に行って、授乳やオムツ替えなどのお世話を目の当たりにしながら育ってきていたのです。どうやって赤ちゃんが産まれてくるのか、どうやってお世話をするのか、それらを体験を通して知っていました。



しかし、昭和30年代を境に、徐々に出産の場が病院に変わり、生活の場から出産・育児が遠ざかっていきました。近所づきあいも希薄になり、子どもたちが子育てを目にする機会はグンと減っています。



今、出産・育児をされる世代の方々で、初めて抱っこした赤ちゃんが我が子、という方も少なくありません。

抱っこの仕方も知らない、オムツの替え方も知らない、初めてだらけのストレスの中、母乳の与え方にも苦労し、ミルクを与えたら寝てくれる我が子。産後のホルモンバランスの影響もあって、負のスパイラルに入っていってしまいます。



情報はたくさん得られる時代ですから、知識の準備は万端でしょう。しかし、育児をする上での身体の準備、心の準備が追いついてない印象です。

無理に完全母乳を目指す必要はない?

赤ちゃんの免疫力を上げて病気に罹りにくくする、母親のガン罹患率を下げるなど、母乳が良いと言われている背景には、様々なデータがあります。しかし、実はこれは「完全母乳」でないと効果が得られないわけではありません。



母乳の効果は量依存性。量が増えれば増えるほど、効果はあがります。だから、ほとんど出ていないんじゃないかと母乳をやめるのはもったいないことなんです。1回の授乳に、たった1ccでもいい。それを1日8回したら8cc。10日続けたら80cc。1ヶ月続けたら240ccです。無理に完全母乳を目指さなくても大丈夫。



母乳は赤ちゃんの身体の栄養だけでなく、心の栄養にもなります。ママの肌に直接吸いついて、匂いを嗅いで、体温を感じる。そういう時間が赤ちゃんを安心させるものになるんです。



すべての母子が、同じように育児できるわけではないのです。性格もあって、考え方もあって、体格も違って、環境も違う。だから、母子の数だけ育児の形があっていいと思います。母乳だけでなく、色々なこと、人と比べて落ち込む必要もありません。少し力を抜くことができたら、新しい世界が見えてくるかもしれませんね。

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