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公開 2015年07月14日  

えっ!ママを喜ばせるためじゃなかったの?パパがいますぐ家事をすべき本当の理由はこの3つ!

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男が家事するのは「いつも大変な妻をサポートするため」。一見素敵な旦那さんのようですが、その本当の意味知ってますか?

妻のサポートの先にある、パパが「いますぐ」家事をするべき3つの真実を大公開!


こんにちは。

NPO法人tadaima!の三木です。

NPO法人tadaima!では「10年後も20年後もただいま!って帰りたくなる家庭にしよう」をスローガンに夫婦や家族の家事シェアが快適になるためのサービスを展開しています。



その活動の一つにパパの家事参加をもっと楽しくする!をテーマにしたパパ家事の学校があります。

今回は、これまで1,000人以上のパパたちと家事について語り合ってきた経験から見えてきた、パパが家事をするべき本当の理由をお話しします。



前回に引き続き、今回も男の家事について徹底的に考えていきます!

本当に「男の家事は妻のため!」だけ?

これまで、たくさんのパパたちに講座の中で「あなたにとって家事が大切な理由はなんですか?」という問いを投げかけてきました。



「家事はやるのが当たり前だから」

「妻が家事が苦手だから、でも誰かがやらなくちゃいけないから」



なんて答えもあれば



「家事は家族を守る家族防衛です!」

「共に暮らす家族への思いやり!」

なんて会場がどよめく程に素敵な答えも。



そんな中で最も多いのが「いつも大変な妻のサポート」という、妻を少しでも助けたい、という答えです。



もちろん共に暮らすパートナーを気遣い、お互いにサポートし合うことは本当に大切です。

でも、そこだけで思考がストップしているから、いまいちパパたちに家事に対して向き合う気持ちが芽生えていないように感じるんです。



妻のサポートだけが理由になると、アンチパパ家事派のパパたちは言います。



1)「いつも家事育児で大変な妻を助ける!」って、俺だっていつも仕事で大変だぜ!?

2)「妻のサポート!」つまり俺はサポートなんだから、過剰な期待しないでよ!?



言い方はいろいろですが、つまりは「どっちが大変論争」になってしまって、話が平行線に。特に専業家庭では「どっちが大変論争」になると「夫が大変説」を受け入れざるを得ないケースが増えるようです。

「いつも大変な妻のサポート」のための家事って、妻にしてみたら頼みにくくね!?

家事シェアの話をママさんたちに向けてすると、ママさんたちから「夫が普段大変なのはわかっているので、家事までは頼みにくいんです」なんて声も聞こえてきます。



「頼みにくい」のはなんでかって言うと「私が楽になるため」に家事を頼むのだと思っているから。

大切なパートナーが忙しく働く中、「私が楽になるため」に家事を頼むのは、どうしても抵抗があります。



これらの話の中ですっぽり抜けてしまっているのが「家事をシェアする男性にとってのメリット」です。

ありがちな「家事力=仕事力」みたいな話ではありません。

もっともっと重たい事実です!



パパさんたちは、もう一度改めて自分が家事をする3つの真実を見つめなおしてみましょう!

その1)20年後、家での居場所は今の自分の家庭への関わり方で決まる!

東レ経営研究所のが発表した「夫婦の愛情曲線」は、女性が何に対してどのくらい愛情を持っているかという、変化を示したグラフになります。

このグラフの中から、ブルーの線・夫への愛情の変化を追ってみると、結婚直後は夫への愛情が何よりも高い。いわゆるラブラブな時期。その後、出産を迎えると夫への愛情グラフは一気に急降下!


この時期は、産褥期(さんじょくき)という、女性にとって身体も心もとても大変な時期。赤ちゃんを産んでハッピー!だけではない、なかなか回復しない身体やホルモンバランスの変化による感情の乱れ、産まれたばかりの小さな生命を預かるプレッシャーなど現実が押し寄せてくる時期です。

この時期は産まれた子どもへの愛情が一気に高まり、夫のことは二の次に(当たり前かな。。。)。



問題はこの先です。

その後、愛情が回復していくグループと、ゆるやかに下降線をたどっていくグループの2つに分かれていきます。

下降グループは子どもが高校入学の時期(16年くらい)まで回復の兆しは見られません。その後、突然回復するとも思えないので、人によっては延々と下がり続けて行くのでしょう。



この上昇グループと下降グループの違いは、産後の時期にどれだけ家事育児に積極的だったか、なのです。

家族にとって新しい生命が産まれたこの一大事に、どれだけ妻や子どもに向き合えるか、その姿がパパの家族に向き合う本当の姿として捉えられるのだと思います。

「いざとなったら俺は命がけで家族を守る!」って思ってるパパ。今こそ、その「いざ!」の瞬間かもしれません。



実際、市民講座などで男性向けの家事シェア講座を行うと、パパに混じって定年後の男性も結構参加されます。

そんな方になぜ講座に参加したのか聞いてみると「家で居場所がないから」「なんかやらなきゃと思って、家事をしたら怒られたからここで教えてもらおうと思って」なんて声が聞こえてきます。



この姿、数十年後の自分の姿かもしれません。



20年後の、家族での幸せは自分自身でつかみとりましょう!

その2)パパが家事育児をすることで、妻の“孤育て”プレッシャーを少しでも和らげることができる!

少し重たい話しをします。他殺による死亡者数が一番高い年齢を聞いたことがあるでしょうか?

厚労省「人口動態統計」 の統計によると、0歳時となっています。この統計の中には、事故や自殺などは含まれません。手をかけてしまうのは母親が多いとの結果も出ています。



この原因の一つが「孤育て」ではないかと言われています。

生まれたばかりの赤ちゃんの生命を一身に背負い、身体は思うように動かない、子どもは全然泣き止まない、ほんの少し眠ろうと思ってもその眠りすら妨げられる。朝から晩まで、赤ちゃんの心配をして気にかけて、それなのに誰にも頼ることができなかったら。



僕自身、7ヶ月の娘がいますが、たった1日だけでも、そんな状態で過ごすとなったらいかにシンドイか身震いがします。

健康で、体力もある男性の僕でもそうなのですから、身体が思うように動かない産褥期のママがいかに大変か想像を絶します。



赤ちゃんと一緒にいられることはとっても幸せなことです。その日々の成長を見るのは、こんなにも嬉しいことかとビックリします。

でも、幸せや喜びを感じることができるのは自分自身に気持ちのゆとりがあったり、誰かと一緒にわかちあうことができるからだと思います。



孤育てをパパだけで解消できるわけではありません。地域のつながりや、頼れるサポートサービスの力も大いに必要。パパが無理をしすぎてダウンしてしまっては元も子もないですから。

それでも、一番身近で妻の気持ちに寄り添ったり、普段から「何かあってもパパがいてくれたら安心」「家事のことも子どものことも安心してパパに任せられる」という状況にいることはとても心強いのだろうと思います。





なにも産褥期や子どもが0歳に限った話ではありません。

家事は家族みんなで取り組めば、その分だけ楽になります。そのゆとりが家族全員の笑顔を生み出すのです。



パパが家事育児でも頼れる男になると、家族みんなに笑顔が生まれる!

その3)パパが家事をすると子どもも、家事を好きになる!

子どものころに経験したことや、体験したことは大人になってからも影響します。

その体験が豊富な大人ほど、やる気や生きがいをもっている人が多いと言われています。(子どもの体験活動の実態に関する調査研究)



その体験の中には家庭内での家事も含まれています。家事は家庭内で得られる子どもにとっての成功体験にもつながります。

「お米砥いでくれてありがとう!」「うわー!キレイにお片づけできて気持ちがいいね!」など、褒められることや家族内で自分自身の存在意義を感じることは、とてもうれしいことでもあります。



もちろん、子ども時代に家事に取り組むのが当たり前になっていれば、大人になってからも家事に抵抗が少なく結婚をしてから家事ができなくて悩んだり大変な思いをすることも少なくなるでしょう。



そんな、子どもへの家事教育ですがこんなデータがあります。

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※旭化成共働き家族研究所 母親から見た子どもの家事協力

パパが家事をすることで、子どもたちにとっても家事が身近なことへと変わってきます。家族みんなが家事に当たり前に取り組む姿は、そのまま子どもに影響するのです。



勉強ができるだけが、大切な教育ではないのです。ましてやキャッチボールをすることだけが父親の役割なんかでもありません。

人と共に暮らすことで必要な思いやり、自立する力、心地よく暮らすこと、など日々の暮らしの中でパパが率先してその背中を見せることだってできるのです。

それが、パパが家事をするべき理由の一つでもあると思います。



パパが家事をすると、子どもも家事を好きになる!

妻のサポートとは、「妻を楽にしてあげること」だけではない

1)20年後、家での居場所のあり方は今の自分の家庭への関わり方が大きく影響する!

2)パパが家事育児をすることで、妻の“孤育て”プレッシャーを少しでも和らげることができる!

3)パパが家事をすると子どもも家事を好きになる!



この3つの真実。



妻のサポートとは、本来「妻のために、今日、妻を楽にする」ことだけではないんです。

「自分も含めた家族みんなのために、妻だけに家事育児の責任(プレッシャー)を押し付けない状態をつくる」ということを意味するのです。



だから、パパはもし家事が苦手で、妻を実際に楽にするだけのスキルがなかったとしても、いまママがどんなことで悩んでいるのか、どんなことに負担感を感じているのか話を聞いて把握するだけでも第一歩。ママの感じ方も全然違うと思います。



家事育児に新たな意味付けをしたうえで、今日からぜひ、自分なりの行動をしてみましょう!



ママの話を聞く以外に、具体的になにをしたらいいの?という方は前回の記事も合わせてご覧くださいね。

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