もう目も見えない、立つ力もない状態でその犬は懸命に尻尾を振ってくれました。
会うのは十何年ぶりなのに、覚えてくれたことに驚きました。

そしてその犬が私を覚えていてくれたことで
私が小さい時、家族3人と犬で一緒に過ごしていた時間も確かに存在したんだと思えたのです。

私の記憶にはないけれど、犬の記憶の中に確かにある家族の時間。

あたたかな日々の存在を証明してくれたかのようでした。

今でも犬のことを思い出しては、ありがとうと思います。