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途方に暮れたあの夏よさようなら。今年のわたしは、夏休みの終わりがさみしい

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夏休みのハードルがほんの少し下がった今年の夏でした。
みんな大きくなってるみたい。



あの、点滴を打って乗り越えた夏休みは4年前。

夏休み最終日、走り抜けた安堵で思わず泣き崩れたのは2年前。

夏休み明けに体調を崩すのはもう恒例行事。


長女が初めての夏休みを迎えてから今年で7年目になる。

今年も相当の覚悟をもって臨んだ夏休みだったけれど、そろそろ折り返しを迎えている。

今年はなにかが違う。

なぜだろう、元気なのだ。私が元気。

夏休みなのにそんなことってあるだろうか。

あるみたい。


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体力的には年々厳しくなっている。

末っ子も5歳になって大きくなったし、姉兄と同じように遊ぶことができるようになってきた。

お昼寝もしないので、親の私は本気のフル稼働をしている。


昼食に関しても、おのおの食べる量が当たり前だけれど右肩上がりなので、子を産んで今が一番作る量が多い。

まさかと思うような鍋でカレーを作ったりスパゲッティを茹でている。

同じように3人子がいるお友達から「これいいね」と言われた自慢の大鍋だ。

肉体的には酷使されている感じがとてもする。


それぞれ習い事もあるから、夏休みとは言え送迎も忙しい。

その合間を縫って3人それぞれの「誰それちゃんと遊びたい」とか「プールに行きたい」とか「粘土で遊びたい」とか「宿題分からない」とかをねじ込んでいるうちに、日々が駆け抜けていく。

「疲れた」とか「あと何日あるの」とか考える暇すらなく、日々がドミノ倒しで過ぎていく。

早い。夏休みが早い。

体力的には限界に挑戦しているみたいな日々なのだけど、それでも、かの夏に比べたら精神を搾り取られる部分がはるかに少なくて情緒がとても安定している。

気のせいではなく、体調もとてもよい。


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いつかの夏休みを思い出してみる。

あれは長女4歳、長男2歳。おなかには末っ子。

そして私は悪阻のど真ん中にいた、あの夏。

悪阻のせいでどこにも連れて行ってあげられないので、せめて……と大きなビニールプールを買った。

ところが膨らませるための電動ポンプがない。

今まで小さなビニールプールだったから手動の空気入れで事足りていた。

そもそも電動の空気入れがあることすら知らなかった。

まだまだお母さん4年生だもの。

開梱した、でろんと大きなビニールプールを前に呆然としたのを覚えている。

悪阻と貧血でふらふらなのに、手押しでせっせと空気を入れるなんてとても無理だと思った。

けれど目の前にはテンションが上がり切った4歳と2歳がいて、どこにも連れて行ってあげられない申し訳なさで何とかしてやりたいとも思うし、ああ。

確か私はダメもとで手動の空気入れのホースをビニールプールの差込口に突っ込んで、しばらく頑張ってみたんだけれど、やはり当然と言おうか空気は全然入らないし、汗は噴き出すし、ああこれはどう考えても無理だと悟った。


悟ったけれど、4歳と2歳が同時に悟れるかと言ったらそんなことは全然なく、空気の入らないビニールプールの上でぴょんぴょん跳ね回って

「早くぅ!早くぅ!」

と急かしていた。

私はなんと無力で、無知で、無計画で役立たずなのか、そしてなんて暑いのか、そしてなぜこの子たちはこんなに元気なのか、なにもかもが嫌になってリビングにくたくたのままのビニールプールを放置して不貞腐れていた。

すると、「早くしてよぅ」とぷんぷんしていた4歳の長女が見かねて、一生懸命ポンプを押し始めた。

背が小さくて、手押しのポンプに両手をかけても下まで押し切ることができない。

それどころか、空気入れを押しているそばからプールに差し込んだホースの先がぽろんと外れてしまう。

それでも諦めずに空気入れを試みる長女。

隣で見守る弟。

不貞腐れていた自分がとたんに大人げなく思えて、けっきょくどうにかその手押しの空気入れで空気を入れたのだった。


あの夏はなんだかすごく暑かった。

例年どおりだったのかもしれないけれど、私にとってとても暑い夏だった。

1日1日が大きすぎる余白のようで、途方もなかった。

家で小麦粉を捏ねてばかりいた気がする。

小麦粘土を作ったり、ピザを焼いたりした。

家の中で座ってできることで、なるべく時間を稼げることを探した結果、小麦粉はリーズナブルで強い味方だった。


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ハネ サエ.

成分のほとんどは3児のおかあさん。
おかあさん以外のときは取材をしたりエッセイを書いたりしています。

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