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  4. 現役小学校教師に聞いた「小学1年生の1学期目に思うこと」〜小1プロブレムの乗り越え方<前編>〜

現役小学校教師に聞いた「小学1年生の1学期目に思うこと」〜小1プロブレムの乗り越え方<前編>〜

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「入学」という環境の変化がきっかけで誰しもに起こりえる、小1プロブレム。小さなつまずきから学校生活に適応できず苦しむ子の姿は親もつらいものです。上手に園から学校生活にシフトするためにできることはないか、現役教師に聞きました。

学級崩壊とは違う「小1プロブレム」を正しく知ろう

最近良く耳にするようになった「小1プロブレム」。その語感から、一昔前から言われていた「学級崩壊」と混同して理解されてしまっていることもあるようです。まずは、その違いからお伝えしていきます。



教師の言うことを聞かない、授業や学級づくりが成立しないといった「学級崩壊」は、どの学年でも起こり得ることで、比較的きっかけを特定しやすく、クラス替えや教師交代で解決することもあります。



それに対し、「小1プロブレム」は入学直後に起こる学校への不適応状態のことで、親や教師への反発によるものは少なく、「生活習慣の変化や対人スキルの未習得」が背景にあると言えます。その結果として、クラスが機能しないといった集団としての問題と、不登校など個別に表れる問題があります。



個別の問題として、授業についていくことができない、授業中に座っていられない、教師の指示が理解できない、友だちとすぐに喧嘩してしまうなどがあります。この一つひとつの問題が発展してクラスとしてまとまりがない状態に陥ってしまうのです。



この「園から学校への移行のつまずき」は、どうして起こるのでしょうか。

公立小の2割以上で起きている、その背景とは

東京学芸大学の「小1プロブレム研究推進プロジェクト」の2007年の調査では、全国市区町村の教育委員会の2割以上が、小1プロブレムが発生していると回答しています。



それから、約10年。依然、この問題は解消に至らず、2014年の6月には、幼保の枠組みを維持したままスムーズに小学校生活に移行できるように、文部科学省が「5歳から義務教育」の方向で最終調整に入ったと報じられました。



小1プロブレムが起こる背景は、非常に様々な要素が絡み合っていると言われています。



不況により親が仕事に忙しくなり子どもに目が行き届かなくなった。高学歴の親が学校や教師を尊敬しなくなり、その姿勢が子どもにも影響している。親と一緒に子どもまで夜型生活になったり、食生活が不適切なため日中イライラして授業に集中できない。過保護・・・



など様々な要因が挙げられています。

また、海外で小1プロブレムが少ないのは、就学年齢が早い、高度な幼児教育を受けているためだ、と言う人もいるようです。

幼稚園の今からしておいた方が良いことは…?現在小学1年の担任をする教師に聞いてみた

いろいろな議論がなされている「小1プロブレム」。実際の学校現場はいったいどうなっているのか、首都圏で1年生の担任をする現役教師に話を聞いてきました。





―受け持ちのクラスでは、「小1プロブレム」はありますか?



集団として大きな問題はまだ感じません。ただ個々に小さなつまずきはあり、それらに細やかに対応するように努めています。



―個々のつまずきとは、具体的にどのようなことでしょうか?



ゴールデンウィークまでは、学校に慣れてもらうことが最大の課題ですが、その後は学習に入っていきます。そこで、席に座っているのが困難な子や、授業に集中できない子が出てきています。また、ささいなことで感情が乱れる子も見受けられます。



―「つまずく子」と「そうでない子」の違いはありますか?また、どのような理由が介在するのでしょうか。



まず、それまでの環境・経験値の差があると思います。



首都圏では、早期教育に熱心な保護者も多く、就学前から幼児教室やそろばんなどの学習教室に通っていた子は、比較的座学に慣れています。



また、出身園の教育方針や雰囲気でも差が出るように思います。

ただ、単にしつけに厳しい、お勉強重視の園をすすめているわけではありません。自由に表現したり遊ぶことも、幼児には大変重要なことなので、そうした方針の園も素晴らしいと思います。



座学については、小学校の方でも入学時から少しずつ慣れるように、なるべく緩やかな学習計画を立てるようにしています。今は、スムーズな移行のために、幼保~小が連携しあう自治体も増えているようですので、環境も徐々に変わりつつあります。



また、感情のコントロールについては、いろいろな友だちとの経験…特に「けんか」を通じて様々な感情を味わい、自分の感情と折り合いをつけることを学ぶので、あまり保護者が介入せず、見守る姿勢でいてくださるといいなと思います。



―幼稚園のうちに、しておいたことが良いことはありますか?



第一に、生活面での自立だと思います。脱ぎ着、整頓などができない子が増えています。これは家庭でできるしつけの範囲です。



そして先ほども言いましたが、座学には慣れておくとスムーズです。一定時間座って絵を描くとか、絵本を読むなど、内容は問いません。



逆に、文字や数の練習については、小学校でもしっかり教えますので特に必要ありません。学習姿勢やコミュニケーション力の方が優先度は高いと思います。



―ありがとうございました。



<インタビュー終>

いかがでしたか?

小学校の先生も入学してすぐの指導はいろいろと工夫されているようですね。また、幼稚園と小学校が連携している自治体もでてきているという心強いお話もありましたし、ご家庭でできることもいろいろとありそうでした。



学習する姿勢がまだできていないうちに、一生懸命文字や数字を教えようとしてもうまくいかないことが多いと思います。そのことにイライラして怒ってしまって、さらに子どももやる気をなくすという悪循環・・・というご家庭もあるかもしれません。



後編では、就学に向けて、ご家庭で楽しみながらできる取り組みのポイントをお伝えしていきますのでお楽しみに。



参考文献:小1PROBLEM HandBook (月森久江監修/講談社刊)、頭がいい子の生活習慣 なぜ秋田の学力は全国トップなのか(阿部 昇/ソフトバンククリエイティブ刊)

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この記事を書いた人

吉田 瑞穂

KDDIを経て2001年より現職。美容ライターとして独立し15年目。1児の母。CLASSY.、JJ、VERY、STORY、美ST(光文社)、美人百花(角川春樹事...

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