1年前の2月。
保護者が集まった幼稚園の体育館は静まりかえっていました。
なぜならその日はPTAの役員選出の日。
息子が通う幼稚園の園児は年々減少しており、その年の対象者はほぼ100%の確率で何らかの役員が当たることは事前に分かっていました。
おまけに息子は新年長。
くじの中には会長をはじめ、さまざまな重要な役どころが含まれています。
「立候補される方は挙手をお願いします」
という現副会長の声に、やや下を向く私たち。
「それでは、くじで選出いたします」
ついに……このときが!!
幸い幼稚園のメンバーは気ごころ知れた保護者がほとんどで、気さくな人が多く明るい雰囲気。
どの方と役員になっても楽しそうなのですが、みんな「会長・副会長はちょっと…」というのが正直なところ。
なぜなら、会長は運動会や式典などの行事の時に挨拶をしなければならず、副会長は卒園式で謝辞を述べなければいけないから。
みんな同じ気持ちを抱えつつ、クジを引きました。
すると、私がひいたクジの先端に副会長の赤い印が!
「ワッ!」という声があがり、明るく拍手していただいたものの、私の心は大役が務まるのかどうか不安でいっぱいで指先は冷たくなっていました。
隣を見ると、会長クジをひいたママも「どうしよう……」と固まっていました。
「一緒にがんばろうね」とお互いを励ましあったところからスタートしました。

まさか私がPTA副会長に!?不安だった私が1年後、涙した理由は”寂しさ”
14,867 View息子が通う幼稚園でのPTA役員決め。震える手で引いたくじは、PTA副会長!うそ……。
しかし、予想を大幅に越えた充実した1年になったのです。
くじ引きでPTA副会長…。不安で胸がいっぱい

いよいよ新学年!子どもも私も新しいスタート
新年度になり、PTA活動がスタート。
何か作業があると手が空いている人が率先して手を挙げてくれるので、お互い助け合う雰囲気が自然とできていきました。
PTA会議も和気あいあいとしていて、予想以上に楽しい雰囲気!
運動会では3日連続灼熱の中お手伝いをすることになりましたが、協力し合って子ども達のとなりで汗を流す私達。
「失敗したらすかさずフォローし、うまくいったら褒め合う」
なんだか青春時代に戻ったかのような気持ちになっていったのです。
月日が経つにつれ
「…あれ、PTA活動って楽しくない!?」
「皆の前で話すのが苦手だったのに、いつの間にかできるようになってる!」
「出産後専業主婦になってたから、このPTAが私にとっての社会復帰なの」
と、PTA活動を通じて自分達も成長していることに気づき始めました。
ほぼ毎日顔を合わせる私達は「高校生の部活動みたいだね」と笑いあうほど、チームワークができていったのです。
年度の後半にさしかかると
「このメンバーが離れてしまうのが悲しい…」
「新型ウイルスが落ち着いたら打ち上げしなきゃ!」
と終わってしまう事への寂しさが募るほど。
1年前にくじで副会長をひいたことがラッキーだと思えるほど、子ども達の近くで楽しい時間を過ごすことができました。

副会長としての最後の大仕事!卒園式での謝辞
そして3月。
副会長としての最後の仕事、それは「卒園式での謝辞」です。
先生方への感謝の気持ちを、全保護者の前で伝えなければいけない大役。
そんな大役が私につとまるかどうか不安に思いつつ、子ども達の成長を思い出しながら下書きを始めると、先生方への感謝の気持ちが溢れてきました。
この2年間はまさに新型ウイルスに翻弄された幼稚園生活でした。
厳戒態勢での入園式、そして翌日からは休園。
幼稚園が本格的に始まったのは入園式から2か月後でした。
その後も行事の縮小や中止が相次ぎ、子ども達や保護者はもちろん、先生方も初めてのことだらけで手さぐり状態。
そんな中でも皆で協力して、大人も子どもも「できる限りの中で最大限に楽しむ力」を身につけられたと思っています。
そんなことを思いながら書き進めていった謝辞は、予想以上の長文になってしまい、逆に減らす作業が必要なほどになりました。
どの保護者も先生方への感謝の気持ち・子ども達の成長を喜ぶ気持ちは変わりません。
でも、直接先生に謝辞として伝えられるのは私だけ。
こんな幸せなことはないかも。
だんだんそう思えてきました。
同じく卒園式での謝辞を経験した義母から、「絶対いい経験になるから!」と副会長の先輩としての心強いアドバイスをもらい、もう怖いものなし!

そして、卒園式当日。
子ども達の成長を実感しながらも2年間の幼稚園生活を振り返り、あたたかな雰囲気に包まれた素敵な卒園式になりました。
全ての題目が終わり、最後に保護者謝辞。
たくさん泣いた後だったのですが、気持ちをしっかりと引き締め、無事謝辞を読み上げることができました。
PTA副会長という大役でしたが、一年間活動をして感じたことは
「副会長のくじを引いてよかった!」
ということ。
メンバーにも恵まれ、新しいことに挑戦させていただけ、おまけに子ども達のことを間近で見られたのです。
PTA活動を通じて、幼稚園運営にはさまざまな方のサポートがあることを知れ、私にとってこの1年間は特に思い出に残る濃厚な年となりました。

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