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公開 2015年05月28日  

忙しいワーキングマザーこそ意識したい子育てポイントは『脳科学的育児』と『コミュニケーション能力』

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限られた時間を子どものためにどう使うか。愛情深く、きちんとしつけもしたい。そして、できることなら、同時に才能も伸ばしたいーそれなら、脳科学のデータがヒントになるかもしれません!


普段の生活で取り入れられる『脳科学的育児』

子どもが「テレビを観たい」と言いました。あなたなら、どの番組を観せますか。



ニュース

歌番組

バラエティ



実はこの選択肢中に、脳科学的に良いと言われているものがあります。

それは、バラエティです。



理由は、バラエティ番組では生身の人間がやりとりをしているので、それを観ることで、社会関係を理解することに関する脳領域の発達を促すからだそうです。



他には、どんなことが脳に良いのでしょうか。取り入れやすいものをいくつか紹介します。

聴覚優位か視覚優位かを見極めて接する

子どもと接していて気づくことがあります。

それは、「視覚が敏感か」、「聴覚が敏感か」ということです。



例えば、我が子は掃除機の音が大変苦手です。ノイズとして捉えていて耳をふさぎます。しかし、聴覚が敏感だということは、音やその意味を慎重に聞き分けられるということです。娘は長い話でも、その内容を詳しく覚えて、的確に要約するのが得意です。



反対に私は、声に出して話すより、リストや図解などに視覚化するほうが、頭が整理されます。例えば、歴史もストーリーを聞かせられるより、人間関係図や系図を見た方が理解できるのです。



絵を描くのは昔から得意でしたが、脳内に描きたいイメージが鮮明にあるので、それを描き写している感覚です。そのため、人物画を描いている時、他人が誰を(モデルに)描いているの?と聞いてくるのが不思議でした。(脳内に具体的な人物像があり、モデルを必要としなかったため。また、それが普通だと思っていた)



ちなみに、私は視覚的なノイズに弱く、部屋が散らかるのがとてもストレスです。



母子でもこうして差があるのですから面白いですよね。



この視覚優位か聴覚優位かは、観察していると分かると思います。同じ内容を話して聞かせ、絵で見せて、どちらが理解しているかを複数回、試してもいいと思います。



子どもに何かを教えたい時、これを利用するのは大いにアリだと思います。



例えば教師である妹の話ですが、発達障害の児童(障害というより脳の個性が顕著なタイプだと私は思っています)を教える時には、視覚優位か聴覚優位かを考慮して席順を決めたり、その子に必要なイラストなどの副教材を作成しているとのこと。また、チョークの色までも、子どもたちが理解しやすいように選んでいるようです。



実は、こうした脳の個性に添った指導は、発達障害児だけでなく、一緒に授業を受ける健常児、そしてその間のボーダーと思われる子の理解にも奏功し、クラス全体の平均点が上がったそうです。



こうした脳のタイプに合わせた指導が、教育現場では進んでいるかと思いきや、それは先生個人の考えによるそう(公立でも)。そうであれば、家庭学習の中で「視覚優位か、聴覚優位か」を見極め、それに対し工夫をすることで、コミュニケーションがスムーズになりそうですね。

子どものコミュニケーション能力を育てるには

いま企業が一番欲している人材、それはコミュニケーション能力の高い人だそうです。



コミュニケーションを上手に図るには、語学が堪能であるなどハード面も重要ですが、何より「語るべき内容」のソフト面がなければ意味がありません。そして、語るべき内容の基になる「経験」は社会の中、人と人との間で積み上げられます。人と交流するときには、上手な接し方や物の伝え方があり、それも含めてコミュニケーション能力と言われるものだと思います。



実際、小学校受験でも多くの学校が試験の中に「行動観察」を取り入れています。集団の中でどのように振る舞うのかを見ているのです。これは、リーダーシップや協調性を含め、コミュニケーション能力を見られているのだと思います。



では、まだ未知数の子どもたちのコミュニケーション能力を育てるにはどうしたら良いのでしょうか。

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輪に入れず泣いていた子が、海外の幼稚園で友だちをつくるまでに

子どものコミュニケーション能力を育むに、私がやっていること、1つ目は公園にたくさん行くことです。



四季を感じたり、体力づくりをすることができたり、そして何より、コミュニケーション能力が鍛えられるという、良いことづくめです。





私は、習い事以外はほぼ毎日公園に行くのでよく分かるのですが、公園に行くと当然、子どもたちの間で様々なやりとりがあります。



お友だちと遊ぶ時、知らない子に混ぜてもらう時、遊具の順番を譲る時…



まだ2歳か3歳の頃、公園で知らないお友だちばかりの輪に入れてもらえなくて泣いていたことがありました。泣いているな~、入れてもらえないのかな~と遠巻きに見守っていたのですが、その時ハッと気づいたのです。



子どもはまだ、「どう伝えたら入れてもらえるか」、適切な言葉を知らないのです。



その言葉を教えると、子どもは魔法を得たように、初めての場所でもすぐにお友だちがつくれるようになっていきました。



ちなみに、3歳の時には、フィジーの公立幼稚園に短期留学させましたが、3週間の間にお友だちをつくって一緒に遊んでいました。



2つ目は、ママ同士が仲良くなり(園でも、近隣でも)なるべく一緒に遊ぶ機会を増やすことです。





やはり幼児のうちは母親が付き添いますから、親同士が親しいと子ども同士も仲良くなりやすいです。そして、自分の気がつかない、知らない子どもの一面も教えてもらえたりするので、とても大切だと思っています。





そして、何より挨拶です。



コミュニケーションの基本は挨拶ですから、子どもには、常に挨拶をするように声かけをしていました。我が子はご近所の方と会ったら、走って行って挨拶をします。挨拶は見ていて気持ちが良いですし、ご近所さんにも顔を覚えてもらい、防犯面でもプラスになると思います。

時間が空いた時には「表現」か「手伝い」を

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自分が家で持ち帰りの簡単な仕事をしている時、ご飯を作っている時、そんなちょっとした時間はどう過ごしたらよいのでしょう。



子どもが観たがっても、テレビはなるべく時間を決めて、せっかくなら楽しいこと(そして脳科学的に良いこと!)をしたいですよね。

我が子も例に漏れず、テレビが大好きなのですが、私はなるべくテレビをつけないように意識して過ごしました。そして、別のことがとにかく楽しい!と提案するよう努めました。



子どもは、初めてのことが大好きです。



そのため、私が仕事をしている時は、子どもに課題を出していました。それは、ドリルだったり、想像画だったり、いろいろでしたが、とにかく褒めることを大切にしました。結果ではなく、その努力や工夫の過程を主に褒めたのです。



これは効果的で、着座して集中する習慣がついたと同時に、子どもは進んで工作したり、難問にチャレンジするようになりました。



家事の時は、一緒に手伝いをしてもらいます。例えば、図鑑を見てから実際にその食材を調理したり、洗濯物をたたむ際に、どちらが手早くきれいにたためるかを競ったり、子どものテンションを上げるひと手間や声かけをすることで、子どもは喜んで一緒にやってくれるようになります。



また、表現や手伝いの中でも、特に料理とピアノは脳の発達にとって優れているそうです。先を予測しながら、同時に手先を動かすことが効果的なのだそうです。

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普段の生活の中でも、脳の発達を促すために取り入れられることはたくさんあります。

前述した以外にも、魚、にんにくなどが脳にいいというデータがあったり、箸を使うことが良かったり、祖母と接することが良いという理論があったり、調べてみると、『脳科学的育児』について、興味深いことが多く出てきます。



それらを知ると、いつもの慌ただしい毎日の中にも、「これは良さそう」と思うものをいくつも見つけられるのではないでしょうか。



いつも頑張っているあなた、まじめなあなたが、子育てをちょっとだけ楽しめるヒントになれば幸いです。今日もお互い頑張りましょう!





参考文献

・臨床脳外科医が語る 人生に勝つ脳(篠浦伸禎著・技術評論社刊)

・夢をかなえる脳 (澤口俊之著・WAVE出版刊)

・子どもの脳がぐんぐん育つ「やる気脳」を育てる(澤口俊之著・小学館刊)

・天才と発達障害 映像思考のガウディと相貌失認のルイス・キャロル(岡南著・講談社刊)

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