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片付けがうまくできない長女。短所よりも長所を伸ばしていけばいいさ。

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長女は、お片付けがほんとうにうまくやれない。

これはもう、不向きとしか言いようがないよね、と思うばかり。



長女は、とにかくお片付けができない。

こう言ってはなんだけれど、センスというものがまるでない。

向き不向きで言うと、確実に不向き。


親のしつけですよ、親の言葉がけが足りないからですよ、と私の中の小姑がやかましかった時期もあるのだけど、小姑といくら対峙してみても、どんなアプローチをしても、お片付けに関しては、いっこうによい兆しがみられないのだ。

もうこれ以上延々と親のせいにしていたら身が持たないし、かといって彼女の努力も分かっているので、これはもはや向き不向きでかたをつけるしかない、という結論になった。

とにかく、不向きなのだ。それしか着地点がない。



まず、彼女はとにかく持ち物が多い。

いろんなものに、いちいち感情移入してしまうので、捨てることができないのだ。

石ころひとつ、木の実ひとつを大切にしてしまうので、どんどん物が増える。

あらゆるノウハウやら声掛けを試しに試してみたんだけれど、捨てる際にじっと俯いて、ほろりと涙を流す長女を見ていると、なんてことを私は強いているんだという罪悪感が、大きすぎる。

彼女にとってたったひとつの石ころでさえ、「お別れ」というのは壮大でドラマティックで、クライマックスなのだ。

涙なしには語れない。

ひとつひとつにドラマティックを持ち込まれると、こちらも疲弊してしまうので、もういいよ、気が済むまで大切にしたらいいよ、という気持ちになる。

そんな事情で、ダイニングの彼女の椅子の背もたれには、手提げかばんがぶら下がっている。

捨てられないものはこちらへ、という仕様で、当然常にパンク寸前。

彼女の椅子周辺は、いつだってこまごましたものが転がり落ちていて、しまいなさいな、と私に言われている。

持ち物が多ければ、それだけお片付けは困難になる。



さらに、長女は閃き体質で、常になにかしらを閃いている。

はっと動きが止まったらその合図。

突然なにかをつくり始めたり、突然なにかを装飾しだしたりする。

いったん閃くと止められないらしく、ものすごいスピードであらゆる材料をそこら中から引っ張り出してくる。

普段おっとりしているのに、こういうときだけは俊敏になる。

ものの10分で、瞬く間にテーブルの上も床もいろんなあれこれでいっぱいになって、ぎょっとする。

いったい何がどうしてこうなったの、と何度思っただろう。

振り返ったら、部屋の景色がまるで変わっているのだもの。



そんな彼女に「ひとつ出したらひとつ片付けてね」なんてまるで通用しない。

走り出した特急列車みたいなものだから、各駅で止まることはできないのだ。

彼女は遠くに見えるゴールしか、見えていない。

やれやれと、すべてが整って出来上がったものが、小さな小さな消しゴムカバーひとつ、部屋はひどい散らかりよう、ということが度々ある。

そして私もいちいち監視しているわけじゃないから、あれこれ家事や仕事を済ませていたり、お買い物に行っていたりとするうちに、家の中がとんでもないことになっているという仕組み。

かたや、彼女は作品を作り上げた達成感で、恍惚と疲れ果てている。

もちろん、私も人の親なので「お片付けしようね」とお声がけをするんだけれど、出来上がった作品に気持ちを持って行かれている長女はどうにも気がそぞろ。

使った絵筆やらパレットやら、ちぎった折り紙なんかを、もたもた片すのだけど恐ろしく中途半端な仕上がり。

パレットは色水が滴ったまま立てかけられてあるし、引き出しからは画材がびよんと飛び出したまま半開き、細かな折り紙の破片がぽろぽろと落ちていたりもする。

そうじゃないでしょ、ともう一度きちんと諸々を片すように促して、でも気持ちがすぐにどこかへ逸れてしまって、片付けかけた折り紙でなにかをまたつくり始めてしまって、エンドレス。


もう人間を9年もやっているのに、いったいいつになったら君は、という思いも当然ある。

長女がそんな風だから、お片付けを教えるというのは、うんとうんと気が遠くなるお話なんだな、と思っていた。


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ハネ サエ.

成分のほとんどは3児のおかあさん。
おかあさん以外のときは取材をしたりエッセイを書いたりしています。

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