最近、本屋に行くと「自信がある子に育てる」ための育児書をよくみかけるようになりました。
「自信がある」ことは、さまざまなことに挑戦したり、ものごとをポジティブに捉えたりする土台となって、豊かな人生につながる。こうした思いがあるからこそ、わが子にも「自信を持ってほしい」と考えるお父さん、お母さんが増えているのかもしれません。
そんな「自信がある子」に育てるために、私がポイントだと考えるのは、「褒める」ということ。でも、ひとことで「褒める」といっても、どんなふうに褒めていいか分からない…という方も多いのではないでしょうか。
今日は、ひとりのママとして私が気をつけている「褒め方のポイント」をお伝えできればと思います。
子ども向けのワークショップを開催する「こたえのない学校」の代表である藤原さとさんのブログを読んでいるときのこと。あるアメリカでの実験を紹介したこんな記事を見つけました。
この実験結果は、「頭がいいのね!」と「能力」褒められた子どもたちは、チャレンジに消極的になってしまう一方で、「頑張ったね!」と「努力」を褒められた子どもたちは、より上を目指して挑戦する傾向が強くなる、ということを示しています。
この理由を、アメリカの心理学の研究者であるキャロルドゥエックは、以下のように説明しているそう。
子どもは褒められれば嬉しいもの。でも、単に嬉しいだけの「褒める」ではなく、何事にもチャレンジしていける土台をつくる、わが子にはそんな「褒める」ができたらいいな、と思っています。
私が娘を育てていて1番心配だったこと。それは娘がとても「人見知り」だということでした。
小さいころは、知らない人が近づくだけで泣き、知らない場所に連れて行けば座り込んでしまう…そんな子どもに少し不安を感じていました。
そんなとき、義父が娘をとっても愛しそうに見つめながらかけた一言。
「この子は賢いね。こんなに小さくても自分が信頼できる人や場所を分かっているんだね。」
この言葉を聞いて、すっと心が軽くなったのを覚えています。
「この子はうるさい」は、「この子は活発で、いつのまにかみんなの中心になれる子」
「この子は言うことをきかない」は、「この子は自分の気持ちや考えを素直に表現できる子」
見方を変えれば、欠点だと思っていた部分は、その子の魅力にもなりえます。
子育てに一生懸命な親が、わが子をひとつの見方しかできないなんて当たり前のこと。だからこそ、色々な人のところに子どもを連れて行って、親も気づいていなかった「褒める」というプレゼントを、子どもに届けてあげたい。そして、かけてもらった言葉の一つひとつが、子どもの「自信」につながったらな、と思っています。
最後に、私が自分の母親からもらった大切な言葉を紹介します。
小学生になって、だんだん「人と比べる」ということを覚えてきた私。
「あの子は、走るのが速いのになんで私は速くないんだろう」
「あの子は、テストでいつも満点なのに…」
どうしても人と比べて落ち込みがちな私に、母親が伝えてくれたのが次の一言でした。
「足が速くなくても、テストが満点じゃなくても、お母さんは『普通』のともかちゃんでいいと思うけど」
母親がすごいなと思うのは、周りの子と比べて違う「特別」なところを褒めるのではなく、周りと特に違わない「普通」なところをいつでも褒めてくれたところ。
「1番になってすごい」という「特別」を褒めるのも、もちろん大切ですが、「いつも笑顔」「周りの子とけんかをしない」といった「普通」といえば「普通」のことを、言葉にだして褒めてあげるのはもっと大切なこと。「特別」だから「褒める」なんて考えなくてもいいんだなって思うんです。
そうやって人と比べられずに褒められたことは、子どもの本質的な自信に結び付くのではないでしょうか。
ここまで「自信がある子」に育てるための褒め方のポイントを書いてきましたが、なによりも親が笑ってくれているのが、子どもにとっては1番。難しく考えすぎてしまうよりは、時間があるときに子どもとの関わり方を少し見直してみる、くらいの感覚でよいのだと思っています。
難しく考えすぎず、親も子どもと一緒に成長していけたらいいですよね。