【医師監修】健康増進に効果あり！おうち時間に家族でラジオ体操がおすすめなワケ

夏休みになると、ラジオ体操をやるために早起きした、という人も多いのではないでしょうか。

実は、その歴史は古く、1928年11月に簡易保険局を中心に日本放送協会、文部省などの協力のもとに旧ラジオ体操第1が作られ、放送がはじまりました。

そして、1951年5月に現在のラジオ体操第1の放送が開始。

実に100年近くもの歴史がある運動なのです。

実は今、このラジオ体操が、老若男女、誰でも簡単にできて、健康維持や美容に効果があると、注目を集めています。

果たして、どのような効果があるのか、この後、解説します。

ラジオ体操は、全身のおよそ400以上もの筋肉を使うとされています。

誰でも簡単にできる運動ですが、普段の生活ではあまり動かすことのない、さまざまな筋肉や関節を動かすことができます。

しかも大きく動かすことができるのが特徴です。

ラジオ体操は、上半身や体幹を鍛える動きが多いのも特徴です。

ラジオ体操をすると、体全体の筋肉をほぐし、柔軟性を取り戻すことができます。

また、左右の体を均等に動かすようにできているため、体の筋肉のバランスが整い、歪みが取れて、美しい姿勢を保つことができると考えられています。

ラジオ体操は、体をひねる、曲げる、側面を伸ばす、など体幹を刺激する動きが多いため、胃腸をはじめとした内臓の働きが活発になるとされています。

また、日常生活では動かすことのない全身の筋肉や関節を動かすことで、血行が良くなる、代謝が上がる、便秘が解消するなどの効果も期待できます。

ラジオ体操第1の動きに、腕を腰回りで左右に軽く振りながら左、右、左、右と体をねじる。

その後、体をねじりながら、大きく2回、左に腕を振り上げる、それが終わったら同じように、右に2回腕を振りあげるという動きがあります。

この動き、実はウエストシェイプに効果があるとされています。

からだの軸や呼吸を意識して、腕の遠心力に負けないよう上体をしっかり回すことで、腹斜筋などのお腹周りの筋肉が鍛えられ、継続することでくびれを生みだします。

姿勢改善も期待できます。

では、ラジオ体操を続けると、どんな健康効果があるのでしょうか？

かんぽ生命の調査によりますと、ラジオ体操を継続的に行っている人（3年以上、週5日以上実践）を対象に調査を行ったところ、体内年齢、血管年齢、呼吸機能（肺年齢）、骨密度など、健康状態を示す数値が良好だったことがわかりました。

ラジオ体操が健康に効果があるということが、科学的にも裏づけられた形となりました。

毎朝決まった時間に行うラジオ体操は、起床時間などの生活リズムも整うことから、健康な体を手に入れることができます。

ラジオ体操の放送時間と生活リズムが合わない人は、インターネットでの動画再生もおすすめです。

ラジオ体操は、関節や全身の筋肉を均等に動かすことができる全身運動です。

また、どんな時間でも場所でも無理なく行うことができます。

おうち時間が長くなる今だからこそ、家族でラジオ体操を始めてみてはいかがでしょうか。

1日3分のラジオ体操で毎日を元気に過ごしましょう。

＜プロフィール＞
神戸大学医学部卒業。米国ピッツバーグ大学に留学し、膝スポーツ疾患や再生医療を学び、神戸大学病院、新須磨病院勤務を経て、患者さんにやさしく分かりやすい医療を提供することを目的に、かわかみ整形外科クリニックを開業。
日本整形外科学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定医、再生医療学会認定医。
英文論文執筆多数。専門は膝関節外科、スポーツ障害、再生医療。

かわかみ整形外科クリニック(https://kawakamiseikei.jp/）