こんにちは。産後の読書案内役・秋山月乃です。公共図書館の非常勤スタッフをしている3男子(高校・中学・小学生)の母です。地元の親子読書会に参加し、小学校での読み聞かせや図書ボランティア活動も行っています。
どこかに出かけるにも、まず考えるのは「何の本を持っていこう?」 暇さえあれば本を開いている本好きです。
わたしがこんな状態になったのは、15年前の出産後からなのです。
はじめての妊娠、出産。わからないことを知るためには本が役立ちますよね。最初に読んだのが「家庭の医学」のたぐいの分厚い本。妊娠についての項目を読み、トラブルばかりが羅列してあるのを見てすっかり萎縮してしまいました。その後、何冊かの本を読んでみましたが、まぁ、なんとかなるだろう、と鷹揚に構えていたのです。
逆子が直らず、予定帝王切開で出産したあとがたいへんでした。からだはつらい上に、まわり人の意見に翻弄され、右往左往。ちっともなんとかなりませんでした。
母乳が出ていないと言われ、ミルクを足してみるも、ふと「ほんとうにそうなのか?」と疑問を持ちます。
母乳育児についての本を探し、読んでみてノウハウを知り、助産師さんのもとに通い、自信をもって母乳を続けることができました。本を読むことで現状を知り、行動し、変化が起きたのです。
育児について悩みは尽きません。経験者の意見も参考にはなりますが、はたしてそれが自分の子に合うのかどうかはわからない。本を読んだからといって、著者の意見や理論をそのまま受け入れたり、信奉したりしなくてもいい。まずは目の前の子どもをよく見る。状況と得た情報とを照らし合わせて、不安ならば専門家に見てもらい、そのうえでどうするか選択する。そうすれば、たとえトライ&エラーの連続になっても「振り回された」とは思わないはずです。
育児の始まりの時期に、本を見つけて読んだことがきっかけで、このように自分の指針ができあがったのです。
出産に関しては、帝王切開になったことは納得していたのですが、陣痛の経験がなく産んだことに「メインディッシュのないコース料理」のような物足りなさを感じていました。遅ればせながら「お産とはなんぞや?」という疑問を持ち、本を読みはじめます。ちょうどオンライン書店がオープンした時期で、ネット上で検索して本が探せるという利便さもあり、次から次へとお産や女性のからだに関する本を読みあさるようになりました。子どもといっしょに読む絵本にもハマりました。
同時に、読んでみて「これはいい」と思ったおすすめの本を書評投稿したり、ブログで紹介するようになったのです。
出産後、外出もままならない中で、本を読むことは外の世界とつながることでもあります。
本は「窓」。ページをめくり、本を読むことは外から風を入れること。光が差し込み、いま現実やこれからの未来を照らすかもしれません。出産前のようにじっくり、長時間読むことはできませんが、隙間の時間にちょこちょこページをめくることは可能です。
出産したからこそ、関心を持つようになる分野もありますね。からだのこと、食、保育、変化していく夫婦の関係etc…
新旧たくさん出版されている本の中で「これは」というものをテーマ別にご案内してまいります。みなさんも出産前から産後、本を手にとってみてはいかがでしょうか。