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おやすみ前の物語~私のむかしばなし~<第5回投稿コンテスト NO.105>

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それはわたしが寝かしつけに苦労していた時のこと。


私の子どもたちは、既に大きく成長し、『子育て』と呼べる期間もあとわずか。

悩んだり、迷ったり、泣いたり、笑ったり…。

そんなたくさんの出来事は、時を経て、何度も思い出してはクスリと笑ってしまう、今も、きっとこれから先も、穏やかな毎日の基盤となっていくと思います。

小さな子どもとの生活の中で、大変な事を数え上げればキリがありません。

中でも時間に追われる中、なかなか眠りに就いてくれない夜は、イライラの募る時間…。

一緒に布団に寝ころび、子どもが眠りに落ちるまで、童話や絵本を読み聞かせる…。

それは、多くの子育て中の家の、夜の恒例儀式のようなものですが、我が家も然り。

家にある童話や絵本には限りがあるので、ネタを調達しに、たびたび図書館を訪れます。

「同じ本、飽きたー」と言うくせに、図書館に行っても並んだ本達を前に、一向にときめきを示すことのない我が子どもたち。

「家にある本じゃ飽きるでしょ?いっぱいあるんだから選びなよー」と言っても、椅子に座ってボーッとしてる長女と、私の後をただくっついて歩く息子。

仕方なく、私が「これは?これは?」と、適当に一冊づつ表紙を見せて、うっすらとした反応を頼りに選んでいました。

今考えると、たくさんあってどれを選べばいいか、彼らもわからなかったんでしょうね。

いくつか私が選んだ中から、「この中でどれが好き?」という選び方が彼らに合っていたことに気付いたのは、本を読まずとも、自ら眠る術を彼らが覚えてからでした。


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さて、夜の読み聞かせは、その時の私の気分によって、違う志向になります。

食事やお風呂などがスムーズに終わり、私の機嫌が良い夜。

軽やかな口調と、気持ちを込めたセリフ回しで本を読み、子どもたちを楽しませます。

やがて、彼らは気分が高揚し、次から次へと本を持って来ては、「次これ読んで!」と来ますので、のちに、「今日の本はコレとコレ」と、一人一冊づつ、好きな本を選ばせて、ひと晩で2冊の本を読むルールになりました。

2冊の本が読み終わっても、尚も眠る気配のない子どもたち。

「もっとお話聞きたい!」とせがみ、喜んでくれる子どもたちの笑顔に、私もちょっと嬉しくなったりして。

「では、最後に一つだけ、昔話を」私は、あまりにも有名な昔話を話して聞かせます。

「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは川に洗濯に…」
「違うよ~おじいさんは山だよ~(ゲラゲラゲラ)」
「むかしむかし、おじいさんとおばあさんがいましたとさ。おしまい」
「(ゲラゲラゲラ)ママもっと~!」

子どもは、しょうもないことで大ウケしてくれる、素直なお客さん。

そして私は気づくのです。


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(しまった!調子に乗って楽しませてしまった!興奮して寝てくれない…)

私が仕事や家事などで疲れた日は、家にあるいつもの本を適当に、半ば投げやりに、2冊の本を読みます。

「はいはい。読みましたよ。もう寝て下さい」

そんな私の面倒くさそう顔を、子どもたちは読んでいるのか、いないのか?

「昔話してー」と、上目使いでせがまれ、根負けする私は、創作昔話を始めてしまうのです。

「むかしむかし。おばあさんは川にお洗濯に行きました。すると、大きな桃がどんぶらことおばあさんの前を流れていきましたとさ」
「(ゲラゲラゲラ)おばあさん桃拾ってー」

そして私は気づくのです。

(しまった!調子に乗って楽しませてしまった!興奮して寝てくれない…)

結局、100%笑ってくれる観客を相手に、一番楽しんでしまっていたのは、いつも私の方だったのでした。

夕食の後の食器洗いも、取り込んだ洗濯物もそのままで、子どもたちと一緒にいつの間にか眠りに就いてしまうのは言うまでもありません。

まあ、どうしようもなく愚図ってしまう日も、私の機嫌がどうしてもおさまらない日も、本を読まずともあっさり眠ってしまう日もありながらですが。

子どもたちが大きくなってからも、ときどき、あの夜の本読みの話をします。

私も子どもたちも、よく覚えているものですね。

今でも私のくだらない創作昔話を思い出しては、当時よりも大人びた笑顔を見せてくれる娘と息子。

仕事と家事と子育てと、「こんなに大変で…」と、半べそをかきながら乗り越えた日々の中で、あの夜の時間は、オアシスのような時間だったと、後になって気付くものです。

そして、夜中の3時にハッと突然目を覚まし、いつの間にか帰宅して一人で食事を済ませて眠る夫を起こさないように、食器を洗い、洗濯物を畳む私なのでした。


(ライター:ひとか)


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第5回記事投稿コンテスト『わが家の育児あるある』

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