大きくなったら何になりたいか。
小学校1年生が思い描く“未来”の姿には、その子が今見ている世界の一端が映し出されている。
おばあちゃんから「かわいそう」と言われていた葵は、好きな本に出てくる「かわいそうなドラゴン」の姿と重ね合わせて、ずっと「なんでだろう?」と疑問に思っていた。
ママは仕事が忙しい。
学校行事に来てもらえないこともあるし、夏休みも毎日学童だし、夜勤の日はおばあちゃんの家に行く。
それでも、ママの仕事の話を聞きながら、葵はそこに自分の“未来”を感じていて……。
張り詰めていた緊張の糸が、プツっと切れる。私の心をほどいてくれたもの
外出自粛の休校生活が続き、試行錯誤する中で疲れがたまっていた典子。そんな時、マンションの下の...