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夫が育休、妻が復帰に思わぬ逆風…?こうあるべきに捉われないハッピーな選択とは

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お互い会社員の日比野さんご夫婦。妻のトモミさんは産後育休を取得せず、職場復帰。夫のヨシヒデさんが育休をとり時短勤務で復帰されたそうです。お互いにとってハッピーな選択を探したら、自然にそこに行きついたという日比野さんに、ご夫婦でお話をお聞きしました。


男性の産休や育休義務化も話題になる中、男性育休にも一層注目が集まっています。

4歳と1歳の兄妹を育てる日比野さんは、第一子出産後の2016年に夫のヨシヒデさんが育休を1年半取得。妻のトモミさんは、出産直後は育休をとらずに職場復帰しました。

ヨシヒデさんは、会社で初めての男性育休取得者となり、その後も時短で職場復帰。

時短で復帰したヨシヒデさんは、職場で応援されることが多かった一方、育休をとらなかったトモミさんには、思いもかけない逆風もありました。

2人が心掛けているのは、得意な所を活かし合うお互いがハッピーな選択。男性だから、女性だから「こうあるべき」に捉われない姿が印象的です。

現在は1歳の次女のダブル育休中の2人。どのように考え、人生の選択をしてきたのかお話を伺いました。


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お付合いしている頃から、専業主夫希望

―― さっそくですが、なぜ一人目の誕生後に、夫のヨシヒデさんが育休をとられて、トモミさんはお仕事復帰をされたんでしょうか。

ヨシヒデ:妻は仕事が大好きなタイプで、海外赴任の希望もあり、子どもが産まれた後、長期育休をとるつもりがなかったんです。外に出かけるのも好きなので、子どもと一緒にずっと家にいるのは想像できないような性格なんです。

トモミ:お付合いしていた頃から、もし結婚しても私は海外赴任を希望したいという話をしていました。その頃から、そうなった時はどうする?という話をお互いしていましたね。

ヨシヒデ:逆に私は家事が好きで、もともと、そんなに働きたいタイプではなかったんです。妻が仕事で海外にいくことがあったら、専業主夫になってついていくからというような話を結婚する前からしていました。

妊娠や出産は妻の代わりは出来ないですけれど、産後は授乳(ミルクや搾乳母乳)も僕の方でできますし、代われるところは代ろうと。

妻が子どもを産んだら、そこからはバトンタッチというような形で僕が育休をとって子どもを見ますよと。

僕たちの中では自然な流れでした。


―― 付き合っている頃からライフスタイルの変化について話をしているのは、すごいですね。専業主夫となり、ついていくというのも思い切った決断だと思いました。

ヨシヒデ:僕は両親が共働きで、母親は外で仕事を、家のことは祖母がほぼ全てをするという家庭で育ちました。そのせいか「母親だから」とか「女性だから」という固定観念が作られにくかったのかもしれません。

祖母の手伝いをしながら料理や洗濯だとかは一通りやっていましたし、大学時代も4年間は一人暮らしをしていたので、身の周りの事は自分でやるのが当たり前でした。

大学時代の部活では、チーズケーキやガトーショコラを焼いて後輩や同期にふるまったりしていましたし、最近ではホットクックを駆使して料理をしています。



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―― 素敵ですね。お2人のお付合いは大学生のときからなんですよね?

トモミ:そうです。大学3年生の時からかな。
吹奏楽部で出会いました。私は、夫とお付き合いをはじめる直前までドイツに留学していて、いつかまた海外で働きたいと思っていました。親には「娘は国際結婚をするにちがいない」と思われていたみたいです。

でも日本の会社に就職が決まり、夫と付き合いはじめ、私の実家に彼が遊びに来るようになったら「早く結婚しなさいよ」と親に言われて。笑

ヨシヒデ:そうそう。「妻が海外赴任になって、ついていくと言ってくれる男の人は珍しいし、ヨシヒデ君とぜひ結婚を」というご両親の後押しもあり、大学卒業後すぐに結婚したんです。



―― そうなんですね! トモミさんの家庭環境も共働き家庭だったんですか?

トモミ:実は真逆で母は専業主婦で、父は生粋の江戸っ子で亭主関白でした。

剛腕で強いタイプの父で、文句があるなら俺の家から出ていけ!みたいな。
そんな父に母が従う様子を見たりして、反面教師のような気持ちもありました。

私は3姉妹の真ん中なのですが、姉は母のように専業主婦になり、妹はゆるく働いています。
姉とはとても仲が良いんですけれど、正反対の性格で、真逆の選択をすることで自分の立ち位置を確認していたような所がありました。

だから、「女だからこうしろ」と言われると、とりあえず反発するという風に育ったんですよね。

今でも親には、「ヨシヒデ君が、ほとんど家事をしているなんて!少しはやりなさい!」と怒られています。笑

「職場初の男性育休」の取得ハードルは?


―― ちなみに、ヨシヒデさんは、会社で男性では初めての育休取得者だったということですが、すんなり育休取得はできましたか?

ヨシヒデ:私は、もともと東京にある会社でシステムエンジニアの仕事をしていたんですが、妻が浜松市に転勤することになり、しばらく別居婚でした。
その後、僕も妻と一緒に住むために、浜松の会社に転職したんです。

転職活動する際も、「妻の転勤にあわせて転職する」という理由を正直に話していて、「奥さんの転勤にあわせて、旦那さんがついてくるって珍しいね。」と言われたりしましたが、包み隠さず家族ファーストな部分も出していました。

男性育休は、会社としては第一号でしたが、妻の仕事の事情も洗いざらい話すことで、僕の意思を上司も尊重してくれて、割とすんなりと受け入れてもらえたなという印象です。

とはいっても実際、職場では人手が足りないという所はあったと思うので、僕としては気を使いましたが、「育休をとって、しっかり子育てして戻ってきてくれればいいから、待ってるからね」という形で応援してもらいありがたかったですね。



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―― 4年前だとまだ、男性育休は一般的ではなかったと思いますし、その反応はありがたいですね。

ヨシヒデ:そうですよね。育休は権利としてあるとはいっても、実際、職場に穴をあけ会社に対して迷惑はかかるという気持ちはあったので、そういう点ではすごく気を使ったと思います。

トモミ:まだ、男性育休が珍しかったので、私が育休をとらずに夫が育休をとるという選択に、周りからは「そんなことできるんだ!」と驚かれました。

ヨシヒデ:そう、当時は会社の先輩にも、「男性でも育休とれるんだ!」と驚かれました。
僕が育休をとったのがきっかけかは分かりませんが、先輩たちも家族を呼んで職場見学会を開いたりするようになって、職場にも良い変化がありました。今まで、仕事の話以外はせず黙々と仕事する雰囲気がありましたけど、僕の育休をきっかけに、職場に家族の話をもちこみやすくなったなという感じがしています。

第一子の育休復帰後、僕は時短で復帰したんですが、うちの部署にはワーキングマザー社員の方もいらっしゃるので、同士みたいな感じで応援されました。


―― 会社とのコミュニケーションの仕方も大事ですよね。

ヨシヒデ:そうですね。僕の場合、妻の仕事や性格、家族として大切にしたい事を会社に対しても包み隠さず話したのも良かったのかなと思いますね。


育休をとらない妻への思いがけない逆風は?

―― でも、育休をとらなかったトモミさんに思いがけない逆風もあったとか?

トモミ:そうなんです。
私が育休をとらないと会社に報告したら、「うちの会社の社員が育休をとらないせいで、旦那さんにご迷惑をおかけしてるんじゃないか?」と上司が心配していました。同じ職場の人たちは仲が良いので、ノリもあったと思うのですが、上司が私の夫に謝りたいと言って、飲み会まで設定されてしまったんです。
夫に直接、上司が「キミは本当にそれでいいのか?」みたいに聞いていて、結構心配されてしまって。笑

同じ職場の人たちは、私が仕事を大好きな性格だとわかった上で、夫の性格もわかってくれて、安心したようでした。「たしかにトモミさんが家で1人で育児するのは、想像できないしね」と、飲み会後は2人の選択だからとすんなりと受け入れてはくれたんですが‥…。

でも、他にも会社で、無言の圧力を感じる事がありましたね。

――どのようなことがあったのでしょうか。

トモミ: 会社としては、女性の育休取得率100%と言いたかったようで、担当者の方からのメールの末尾にはいつも「お身体、ご無理なく。いつでも育休取得いただいて大丈夫ですよ」と書かれていました。私の体調面を心の底から心配してくれていたという面もあったと思うのですが……。

私が育休をとらなかったことで、会社のホームページなどに“「育児休職は、女性従業員の出産者はほぼ全員」”に※印がつき、“(※)産後すぐの復職を希望した従業員を除く全員”のように、但し書きが付け加えられたこともあり、とてもプレッシャーを感じました。


―― まさか自分の意思で育休をとらないことが、問題になるとは思わないですよね。

トモミ:結局、産後直後は取得しなかったのですが、周囲からのプレッシャーに耐え切れず、長男の1歳の誕生日前後2ヶ月ほど取得することにしました。

夫が育休や時短をとることで、「良い旦那さんだね」と周りから、夫は褒められるのですが、育休をとらずに仕事をし続ける女性に対しては、「子どもの面倒を見ずに仕事をしているダメな母親」という風に捉えられているように感じられることも実は多々ありました。

―― 例えばどんなことがあったんですか?

トモミ:夫の育休中は、夫が母子手帳を管理していて、予防接種のスケジューリングもすべてしてくれていたんです。
そんなときに、ある窓口で、私が予防接種のスケジューリングの把握ができていないことを知った担当者の方に、「あなた本当にお母さんなの?」と言われ、怒りに満ちた態度で対応されたこともありました。

例えば、予防接種のスケジューリングを把握していないのが男性であれば、きっとそういう態度を担当者がとることはなかったと思うので、とてもつらかったですね。

我が家では、お互いの得意なことをしていったら、一般的な男女での役割をチェンジすることになり、それでうまくいっているだけなのですが。
夫が育休をとり私が仕事をしているというだけで、意外な逆風があったなという風に感じています。


―― たしかに役割を変えただけで、こんなに圧力があるのは納得がいかないことですね。

トモミ:当時は、私は仕事を頑張ってもいましたし、なるべく早く家に帰ろうと残業もしないように会社ではフル稼働で働いて、ものすごい勢いで自転車を飛ばして帰り、毎日、子どもの面倒を見ていました。

なのに、何もやっていない母親だという感じで言われると、正直な所、とてもつらく耐えがたい気持ちになりました。

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―― 女性に対しての「こうあるべき」という見方が、まだまだ強いのでしょうね。
逆に、ヨシヒデさんが育休をとって良かったなと思う事は?


ヨシヒデ:育休をとったことで、会社と家庭を往復するだけじゃなく、子育て支援センターへいくとか、子育てサロンにいくとか、色んな居場所ができて、世界が広がりました。
子どもがいなかったら、出会えなかった人とたくさん出会えましたね。
元々、僕は、コミュニケーション下手な性格だったんですが、気軽に人と会話できるようになったのは嬉しい変化でした。

トモミ:私が一番良かったなと思うのは、女性の育休復帰後はマミートラックになるという話をよく聞きますが、夫は1年休んでいても、キャリアの断絶はほぼなかったことです。IT業界なので転職の方も多く、入社歴が問われにくい業界だからなのかもしれないですが。

ヨシヒデ:少なくとも育休をとったことで、キャリアのマイナスになったということはなかったですね。
育休後は時短復帰だったのですが、普通の成果をだしているだけでも、短い時間でしっかりアウトプットができましたと評価されました。なので、今の所、時短だからとか1年半育休とって休んでたから、重要じゃない仕事をしていればいいとか、そういう待遇を受けたことは皆無でした。


世界中の夫婦のあり方から、ハッピーになれる形を探す

――お2人は、なぜ男性だから、女性だから「こうあるべき」にとらわれないで、自然体で過ごせているんでしょうか?

トモミ:子どもの時から、家に外国人がホームステイで滞在していた期間も長く、外国の文化に触れることが多かったんです。学生時代にドイツに2年と、社会人になってからヨルダンで2年過ごしました。そういう経験から、日本での当たり前は、他の国では当たり前ではないことを自然と知っていたからかもしれないですね。

例えば、ヨルダンでは、国連職員の夫と妻が3年ずつ交互で働く姿をみました。夫の方が3年間働いている間に、妻が次のポストを探し、夫の任期が終わったタイミングで、妻が働く事になった国に夫がついていき、次は妻が3年働くというのを繰り返している夫婦です。ドイツでは、教職につく夫が主に子育てを担い、妻の方がバリバリと仕事をしている家庭でホームステイをしていました。

そういう生き方や選択肢があるんだなと身近でみてきたので、私自身は日本の専業主婦家庭で育ちましたが、選択肢が一つではないと自然と思えたのだと思います。
今は、自分達夫婦にピッタリなやり方はどれだろう?と、世界中の夫婦のあり方から、どれが自分たちにフィットするかを探し続けている感じです。


ヨシヒデ:改めて話す時間をつくりましょう、というのは特にやっていませんが、普段から子育てや仕事、家の事などの価値観について話す時間は多いと思います。
常に「家族としてこんな風でありたいよね。あなたはどう思う?」とか「こういう関係が心地いいと思うけど、あなたはどう?」などということを、妻からの発信が多いですが、よく共有しています。

話し合って、家族にとってハッピーな選択肢だと思ったら、そうしようという感じで決めています。我が家の場合、妻の方がアイディアマンで、僕は着々と運用をやる役割ですね。

トモミ:夫は着々とやるのが、すごく得意なんですけど、私は日々の基礎練習的な事は本当にだめなんですよね。笑

ヨシヒデ:夫婦で得意なことは絶対違うので、苦手なところは出来ないですとお互いを頼って、夫婦でも得意な所を活かし合ってこれからもやっていきたいなと思います。

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決して特別ではない等身大の日々を生きる方々に、子育てする中で人生の分岐点となった出来事を語っていただくコノビーの「インタビュー企画」です。...

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