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公開 2020年09月04日  

義母が4連泊!ザワつく心を一転させた、息子の偉大なる無邪気

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引っ越し後の新居のお披露目も兼ねて、年末年始、義母が泊まりに来ることに。嫁の立場としては、なかなかの一大イベントだったけれど……。


ある年のクリスマス翌日

今からさかのぼること数年前。

現在6歳、今日も見えない敵と戦いまくる息子も、当時はまだ2歳。

前日、サンタクロースからはオモチャの図鑑とタッチペンが届いていた。

本を触ると、何か教えてくれる優れモノもので、「ライオン、ガオー」と何度も言わせている。

平和だ。


私はいつ切り出そうかと考えていた。

息子、機嫌良し。

夫、機嫌良し(いつも通り)。

数日後にせまる、私にとっては今年最初で最後の重要案件について、真っ向から話し合うべき時が来ている。

話が思わず白熱し、息子を不安にさせてはいけないので、話し合いは別室がベターだ。

録画しておいた、息子の大好きなアニメ番組をポチり。

「あ!アパ、みう〜」

よし。

「夫よ、ちょっと折り入って相談が」

「なに〜?」

別室に招き入れ、ドアを閉める。

「年末年始のお義母さんお泊まり作戦会議を始めます!!」

「……なるほど、はい!」

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義母と過ごす年末年始

義実家にお邪魔したことはあったけれど、こちらに来ていただくのは初めて。

結婚後、初めて迎える年末年始に夫と二人で帰省した時は、たしか3泊だった。

長かったような、あっという間だったような3泊4日を過ごした。

私もまだ初々しい新妻であったし、右も左もわからず、文字通り右往左往していたことだろう……。

会話もイマイチ弾まず、静かに気まずい空気が流れたような。


そして3年後の今年。

飛行機の距離の義実家へ親子3人で帰省するより、義母1人に来てもらった方が平和且つ経済的、と考えた我ら。

そのXデーが、3日後に迫っているのだ。(しかも4泊!)

あれから時は経ち、家族も増え、私も当時より少しは良き妻に成長しているだろうか……!?

サッとお茶を出せたり、気の利いた話題を振ったり、できるようになっているだろうか……!

正直、あまり自信はない!!!

それだけは、自信がある!(キリッ)


「夫君、年末年始はどのように過ごすおつもりでしょうか?」

「はい、精一杯サポートします!家事も何でもします!」


「ほぅ。一切家事をしない夫さんが何でも、ですと?」

「え、あ、今日から修行するということで……」


鳴呼、修行期間の短さよ。

3日後やぞ。

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夫は家事が苦手だ

苦手というか、そこまで!?というレベル。

独身時代は3食外食やコンビニで済ませ、コップを洗いたくないから飲み物は全部買う、という徹底ぶり。

私がつわりの時には、リンゴを所望したら、家を出て20分後、カットパインを手にした夫が帰ってきた。


「えっと…何でパインを…?」

「えっと、皮剥いたリンゴは残念ながら売ってなくて。

でもパイナップルは売ってたから。

半分は合ってるかな〜と思って!」


〈夫の脳内〉

りんご (apple)

パイナップル (pineapple) …いける!


包丁を使いたくないが為に出た、突然のトンチ。

一休さんが我が家におります。


でも一休さんにも良いところはある!

私の家事に一切口出ししないところだ。

息子の機嫌が悪くて掃除が出来ず、部屋がぐちゃぐちゃでも、夕飯が粗末な物しか作れない日でもクレームがきたことはない。

折に触れて「いつもありがとう!」と言ってくれる。


そんなわけで普段は特に争うことなく、平和に暮らしている我が家。

しかし、義母が来るとなれば話が別ではないか!

家事がドドドッと増える。

3食の用意、寝具の用意、日中お茶出すタイミングはいつ?


夫と義母の間には、基本的に会話がない。

義母が色々と夫に話しかけてるのに、返答はだいたい、「うん」か「いや、違う」か「分からん」の3パターン。

スマホの方が饒舌だぞ。

もっと優しく話してあげておくれよ。


それで私と義母が話すしかない流れになる。

私、そんなに引き出しないから……!

4泊もの間、丸投げされても困るのであります。


「そんなわけで家事はさておき、私とお義母さんをあまり放置しないでほしいのですが……」

「よし、分かった!」


「あと外出予定を何でも良いから作りましょう。」

「了解。でも年末年始どこも混むからなぁ。

人混みに慣れてないうちの親にはちょっとキツいかも。」

「うーん、それはそうだね。

でも外出しないと間が持たなくない?

あと息子も……あれ?そういえば息子こっち来ないな……」

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私たちの会議は20分をオーバーしていた

後追いの激しい息子が私の姿が見えないのに静かにしている。

この世の親達が会得している「こども妙に静かにしてる時、良からぬことしてるんじゃ?センサー」が発動した。

サササと移動し、テレビの前の息子に声をかける。

あれ、おにいさん、何かに夢中でいらっしゃる……?

振り向く息子。


ワーオ!!

お、遅れてきたサンタクロースがそこにいたのだ。

息子はリビングに常備してある保湿クリーム缶(特大)に拳を突っ込んで、服の上から全身を保湿していた。

そして私がいつも「可愛いほっぺを守るよ~」と言いながら塗っていたせいか、ご丁寧にちょうど顔の下半分に大量のクリームを塗りたくっていたのだ。

12月26日に白髭のサンタクロース。

やるな、おぬし。


「夫~、リビングにサンタいるよ。」

「え!?サンタ?」


夫は爆笑し、得意げに笑う息子の写真を何枚も撮った。

こどもって、かわいい。


「あ、そうだよ。今年は息子がいるじゃないか。きっと大丈夫だよ!」

―そうか。

結婚直後の実家帰省と明らかに違うこと、それは息子(孫)がいてくれること。

心強いメンバーが追加されていたのだ。

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―さて、結果は

1月2日の午後、ミッションを終えた私たちはリビングで天を仰いだ。

無事終わったのだ。

息子は想像以上の働きをしてくれ、自分のおもちゃを一生懸命紹介したり、夫との仲良し振りを義母に披露して場を和ませてくれた。

これは以前にはなかった時間で、本当に助かった。

私のヒーロー、MVP賞を差し上げたい。


一方で義母と夫間の会話は依然として盛り上がっていなかった。

でも義母と夫は、私と夫よりも長い時間を一緒に過ごしてきたのだから、それで二人が心地良いならと見守ることにした。


そして現在。

6歳になった息子と、新メンバーの2歳娘は強力な戦力で、義母への電話の際にも大活躍してくれる。

ちなみに夫にも、あの時なぜあんなに協力してくれたのか、聞いてみた。

「まぁ自分だったらと思えば、確かにしんどいこともあるしね。

せっかくの年末年始、息子も一緒に平和に過ごしたいもんね」


ありがたい。

この件では素敵な解決法を導き出してくれた一休さん。

夫婦二人で出来なかったことも、子どもを加えたパワーアップした家族なら出来ることがあるなと実感した出来事だった。

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※ この記事は2024年02月10日に再公開された記事です。

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