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公開 2022年01月12日  

断乳時のケアの方法は?乳腺炎やしこりにならないおっぱいケアの方法

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「そろそろ断乳をしようかな?」と考えた時に気になるのが、断乳時のおっぱいケアです。授乳を始めた頃は慣れないため乳腺炎になりやすいですが、断乳時も適切なおっぱいケアをしないと乳腺炎のリスクが高くなります。今回は断乳時、乳腺炎になったり、おっぱいにしこりができたりしないようなケアの方法をご紹介します。断乳を考えている時にぜひチェックしてみてください。


目次 断乳時におっぱいケアは必要?
断乳前のおっぱいケア
断乳中のおっぱいケア
断乳後のおっぱいケア
断乳中に気をつけたい症状
乳腺炎
日常生活に支障をきたすような強い張り
精神不安定
断乳成功のカギは断乳前のおっぱいケア!

断乳時におっぱいケアは必要?

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そもそも断乳時に特別なおっぱいケアは必要なのでしょうか?

実際、子どもが自然と吸わなくなり、母乳の分泌も徐々に減ってきてからの卒乳の場合はあまりケアを必要としません。

しかし、母乳の分泌は十分あるのに子どもが飲まなくなった場合や、断乳をしたい場合は適切なおっぱいのケアが必要になります。

ここで適切なケアをしなければ、おっぱいは今まで通りの量の母乳を作るため、おっぱいがカチカチに張ったり、しこりができたり、乳腺炎になったりとママが大変な思いをすることになります。

断乳時のおっぱいケアはもちろん自分でもできますが、断乳中におっぱいトラブルが起きた場合は医療機関を受診することも必要です。

授乳中からおっぱいトラブルの多かったママは、事前に母乳外来などで断乳の相談をして、計画的に断乳することをおすすめします。


断乳前のおっぱいケア

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断乳をスムーズに進めるためには、断乳前のおっぱいケアをしっかりすることが重要です。

また、おっぱいのケア以外でも、「この日に断乳をする!」と決めたら、子どもに「この日になったら、おっぱいバイバイね」と話をしておくことで、子どもも心の準備をすることができます。

断乳前のおっぱいケアとして大切なことは、断乳の日に向けて徐々に母乳の分泌量を減らして行くことです。

少なくとも断乳の日の1ヶ月〜数週間前から、1日の授乳回数と1回の授乳量を減らしましょう。

急に減らすと母子ともに負担がかかるため、おっぱいに負担のかからない程度で進めて行きます。

あえておっぱいを溜めて少し張る状態を作ることで、おっぱいが母乳を作る量を減らすことができます。

この時、あまりにも張って痛い場合などは、おっぱいが楽になる程度に搾乳をしましょう。

しかし完全に絞りきってしまうと、またおっぱいが母乳を作ってしまうので注意が必要です。


断乳中のおっぱいケア

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事前に母乳の分泌量を減らすことができたら、いよいよ断乳です!

断乳する日は、最後のおっぱいを子どもが満足するまで、たっぷり飲ませてあげましょう。

断乳中のおっぱいケアで何よりも大切なことは、搾乳のタイミングです。

次のスケジュールに沿って搾乳をして行きましょう。

1. 最後の授乳から48時間後におっぱいが空になるまで搾乳する

2. 1週間後に再び搾乳する

3. 2〜3週間後に再び搾乳する

4. 1ヶ月後くらいに最後の搾乳をする

スケジュールだけを見ると「4回搾乳するだけ?」と思うかもしれませんが、大変なのはその搾乳と搾乳までの間です。

分泌量が減っているとはいえ、母乳は作られ続けています。

当然、おっぱいは張り、痛みも出てくるでしょう。

中にはおっぱいが熱を持ってくることもあります。

おっぱいが熱を持っている時は水で濡らしたタオルや氷を使って冷やしましょう。

おっぱいの張りがひどく、痛みが強い場合は少し楽になる程度の搾乳なら可能です。

ただし、最後の授乳からは48時間はできるだけ我慢して溜めておくようにしましょう。

また、断乳中のおっぱいケアの注意点として

1. おっぱいが張ることを考慮して大きめのブラジャーを着ける

2. 糖分や乳脂肪分などおっぱいが詰まりやすくなる飲み物は控える

3. 温めると張りやすくなるため、お風呂はシャワーでサッと済ませる

断乳完了までは大体1ヶ月程度ですが、人によっては1回目の搾乳だけで終了する人もいます。

万が一、断乳中におっぱいトラブルが起こった場合は、自己流で解決しようとせずに専門家の指示に従いましょう。

特に搾乳してもしこりが取れず、乳腺炎になりかけている場合は医療機関を受診してください。

また、ママと赤ちゃん、どちらかが風邪などで体調不良になった場合も、断乳を延期するようにしましょう。


断乳後のおっぱいケア

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断乳後1ヶ月〜1ヶ月半経ち、特に問題がなければ断乳完了となります。

断乳完了後は特別なおっぱいケアは必要ありません。

とはいえ、数ヶ月の間はふとした瞬間におっぱいがツンとしたり、母乳がにじむ程度出たりすることがあります。

しかし、そこからおっぱいがパンパンに張ったり、乳腺炎になったりするということは滅多にないので安心してください。

また、断乳後は授乳中と違いおっぱいの張りがなくなり、常にしぼんだ状態になることが多いです。

中には妊娠前よりサイズダウンする場合もあります。

そのため、断乳後のおっぱいケアは、おっぱいの下垂対策がメインになるかもしれません。

これまでは授乳のため、乳腺を圧迫しないようなゆるいブラジャーを使っていた人も、おっぱいをしっかりサポートしてくれるブラジャーに変えるタイミングです。

おっぱいのサイズについては、妊娠中〜授乳中は変わりやすいものですが、断乳後は安定したサイズになります。

妊娠前に使っていたブラジャーはサイズが違い使えなくなっている可能性も高いので、店頭でサイズを測ってもらってから買い換えるのがおすすめです。


断乳中に気をつけたい症状

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スムーズに断乳が成功するママもいれば、途中でおっぱいトラブルなどが起きてしまうママもいます。

こればかりは断乳を開始してみないとわかりません。

特に以下の3つの症状が出た場合は至急医療機関を受診したり、専門家に相談したり、家族に頼るようにしてください。


乳腺炎


断乳中に一番気をつけたいのが乳腺炎です。

乳腺炎は乳腺が詰まることなどで起こる、おっぱい内の炎症です。

最初は熱感や強い張り、しこりができ、炎症が進むと悪寒や全身痛を伴う高熱が出ます。

そのまま乳腺炎を放置すると乳房潰瘍に移行し、手術が必要になる場合もあります。

「乳腺炎かも?」と思ったら、必ず医療機関を受診しましょう。


日常生活に支障をきたすような強い張り


ある程度おっぱいが張ることは仕方ありませんが、強い痛みや張りで苦痛を伴う場合は注意が必要です。

自分で搾乳をしても強い張りが続く場合は、搾乳のタイミングできちんと絞りきれていない可能性があります。

母乳外来などでプロにしっかり絞ってもらうことをおすすめします。

日常生活に支障をきたすような張りは、乳性炎に移行する可能性も高いので我慢しすぎないようにしましょう。


精神不安定


断乳中はおっぱいの痛みはもちろん、子どももおっぱいがもらえないことで癇癪を起こす場合があります。

それまでおっぱいで寝かしつけをしていた場合は、なかなか寝てくれず、夜泣きが始まることも。

おっぱいの痛みと寝不足が重なると誰でもイライラしたり、精神不安定になったりします。

ママ一人では大変なので、家族に寝かしつけなどの協力をしてもらいましょう。

家族の協力が難しい場合は一時保育を利用するなど、行政のサポートも検討してみてください。


断乳成功のカギは断乳前のおっぱいケア!


断乳がトラブルなくスムーズに成功するかどうかは、断乳前のおっぱいケアにかかっています。

断乳を始める前にどれだけ母乳の分泌量を減らせるかがカギです。

もし十分に分泌量を減らさないまま断乳を行うと、しこりや乳腺炎になる確率は高くなってしまいます。

乳腺炎などになった場合は一時断乳を中止して治療が必要になるので、完治後に再度断乳することになります。

断乳の期間が長ければ長いほど、母子ともにつらくなってしまうもの。

できるだけトラブルなく進めるためにも、断乳は計画的に、少なくとも1ヶ月前から準備するようにしましょう。

また、計画的な断乳ではなく、突発的に赤ちゃんやママの事情で断乳しなければならなくなった場合は、プロに断乳のケアを任せた方が確実で安心かもしれません。

断乳の相談は産婦人科の母乳外来や、おっぱいマッサージを専門でやっている助産師さんもいます。

指導する人によって方針が違う場合もあるので、自分に合ったところでケアしてもらうようにしましょう。

乳腺炎などおっぱいトラブルが起こった場合は、診断と薬の処方が必要になるため、医療機関の母乳外来に行くことをおすすめします。


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