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公開 2022年01月02日  

母乳はいつから出る?母乳量が少ない場合や出ない時の原因と対処法

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母乳育児を考えているママの中には、「母乳はいつから出て、いつから安定するのか」わからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、母乳育児を始めたものの、思うように母乳が出ないことに悩むこともあるかもしれません。今回は母乳がいつから出るのか、出ない場合の原因や対処法をご紹介しますので、チェックしてみてください。


目次 母乳はいつから出る?
母乳が安定するタイミング
母乳が出ない時の原因は?
母乳の出を促す方法
母乳はいつまで出るの?
母乳分泌が安定するのは産後1ヶ月以降

母乳はいつから出る?

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基本的に母乳が出始めるのは、赤ちゃんが生まれてママのおっぱいを吸い始めてからです。

中には妊娠中から少し母乳が分泌される妊婦さんもいますが、赤ちゃんがおっぱいを吸うことで母乳分泌細胞に母乳を作るスイッチが入る仕組みになっています。

産後は妊娠ホルモンのプロゲステロンの量が減り、代わりに母乳分泌ホルモンが作られます。

この母乳分泌ホルモンであるプロラクチン、インスリン、ヒドロコルチゾンなどが母乳の分泌を促し、母乳を軌道に乗せます。

しかし、母乳の出には個人差も大きいため、赤ちゃんが飲むのが追いつかないほど多く出る人や全然出ない人、出ても母乳量が少ない人など様々です。

母乳が出始めるスイッチが入るのは産後すぐ、赤ちゃんがおっぱいを吸い始めたタイミングですが、量が安定するまでにはまだ時間がかかります。

産後間もないママは、まだ母乳の分泌が少なくても焦る必要はありません。

赤ちゃんもママも最初は授乳初心者。これから一緒におっぱいを作って行きます。

逆に最初から分泌量が多いママは、赤ちゃんが吸いきれないことが多くあります。

母乳が溜まると乳腺炎になってしまうので注意が必要になります。


母乳が安定するタイミング

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産後数週間は母乳の分泌量と赤ちゃんの飲む量が合わず、乳腺炎になるママも出てきます。

この時期はまだ赤ちゃんがどのくらい母乳を飲むのか、母体が考えている時期になります。

そのため、赤ちゃんがおっぱいを吸えば吸うほど、おっぱいは母乳を作ります。

そして、赤ちゃんが母乳を吸うたびにプロラクチンレベルが上昇し、母乳の完全な発達を促してくれます。

母乳が安定するまではおっぱいがパンパンに張って痛い思いをしたり、母乳が溢れて服までびしょびしょになったり、逆に母乳の量が少ないと悩むことも多いでしょう。

産前に思い描いていた母乳育児のイメージと違い、「いつから母乳は安定するんだろう…」と不安になるかもしれませんが、1ヶ月が過ぎる頃にはプロラクチンの分泌が減り始め、母乳は成乳となります。

この頃には産後カチカチだったおっぱいも柔らかくなり始め、母乳量も安定してきます。

「母乳の出が悪くなった?」と心配する人もいますが、赤ちゃんが飲む量とおっぱいの出る量のバランスが取れ始めたと思ってください。

ただし、母乳が安定するタイミングには個人差があるので、なかなか安定しなくても気にしすぎないようにしましょう。


母乳が出ない時の原因は?

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産院ではこまめに赤ちゃんの体重を計ってもらい、母乳が足りているかをチェックしてもらえますが、自宅に戻ると「母乳は足りているの?」と不安になることも…。

もし、赤ちゃんの体重が成長曲線から大きく外れることなく、順調に増えているのであればまず問題ありません。

しかし、赤ちゃんの体重が思ったように増えない場合は、母乳が足りていない可能性もあります。

他にもおしっこやウンチの回数が少ない場合、脱水症状になっている場合も母乳が足りていないサインです。

そんな時はすぐに医療機関を受診してください。

また、出産時に大量の出血があった場合や胎盤片が残っている場合、ホルモン障害の疾患がある場合、乳房形成不全や乳房手術、乳房損傷がある場合は十分な量の母乳が出ないことがあります。

医学的理由で母乳が出ない場合は、産院の医師や母乳育児の専門家に相談するようにしましょう。

医学的理由以外で母乳が十分に出ない原因としては以下のことが考えられます。

1. 赤ちゃんがきちんと吸えていない
2. ママの母乳の分泌が十分でない

医学的理由以外で赤ちゃんがきちんと母乳を吸えていない場合、授乳のポジショニングが悪い、吸着が適切でないことが原因であることが多いです。

母乳の分泌量が十分でない場合は、まだ分泌量が安定していない、白斑で出口が塞がれて母乳が詰まっている、ママが不安でリラックスできていないことなどが原因となります。


母乳の出を促す方法

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もし母乳が十分に出ていないと感じた場合、まずは母乳外来などで授乳の仕方をチェックしてもらうことをおすすめします。

実際に授乳を見てチェックしてもらうことで、赤ちゃんが上手に吸えていないのか、母乳分泌量が少ないのか判断してもらいましょう。

授乳ポジションや赤ちゃんのくわえ方が悪い場合は、上手な授乳の仕方を指導してもらうことができます。

乳の分泌が少ない場合は、おっぱいマッサージ(母乳マッサージ)をしてもらうのも効果的です。

自宅でできるおっぱいケアを教えてもらい、日頃からおっぱいケアに気をつけましょう。

また、赤ちゃんが吸うだけでなく、搾乳器による刺激でも母乳の分泌を促すことができます。

最初は搾乳しても全然出ずつらいかもしれません。

しかし、定期的に搾乳することで搾乳量は増えて行くので、赤ちゃんへの授乳の合間などに搾乳してみるのも手です。

他にもママがストレスを溜めないこと、バランスの良い食事をとること、よく寝て適度な運動をすることも大切です。

母乳が思うように出ないことはストレスに感じてしまうかもしれませんが、母乳にとってストレスは大敵。

母乳を促すためには、心身の健康も大切だということを忘れないでください。

ここで注意しておきたいことが一点あります。

母乳の出が悪いからとおっぱいを吸わせずにミルクだけを与えていると、おっぱいは断乳だと勘違いしてしまい、ますます分泌量が減ってしまう可能性があります。

母乳が安定して出るまでミルクを足すことは必要ですが、赤ちゃんに吸ってもらうことや搾乳はやめないように気をつけましょう。


母乳はいつまで出るの?

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母乳が出すぎるママや断乳を考えているママにとって気になるのは、「母乳はいつまで出るの?」ということ。

母乳は赤ちゃんが飲む量に合わせて作られるので、離乳食を始めたり、粉ミルクとの混合にしたりと、吸ってもらう回数が減ると作られなくなります。

逆に言うと、赤ちゃんがママのおっぱいを必要として吸い続ける限り母乳は作られます。

中には「赤ちゃんに歯が生えたら虫歯になりやすくなるから母乳はやめた方がいい」や「周りが卒乳しているから早くうちも断乳しなきゃ」と言う人もいますが、WHOでは2歳まで母乳を続けることが推奨されています。

もちろん、赤ちゃんやママの事情で早めに断乳や卒乳することはあります。

赤ちゃんが母乳以外から栄養を摂れているのであれば、それは問題ありません。

しかし、「母乳はいつまで出る」といった平均値や「母乳はいつまでにやめさせるべき」といった決まりもありません。

母乳は赤ちゃんが吸わなくなると自然と止まって行きますが、赤ちゃんとママが必要とするのであれば可能な限り続けて大丈夫です。


母乳分泌が安定するのは産後1ヶ月以降


母乳の分泌は出産後、赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激によりスタートします。

その後、母乳を分泌するホルモンは急激に増えて行き、母乳がたくさん出るようになります。

しかし、ここで赤ちゃんがまだ上手に吸えていない場合や、なんらかの理由で母乳の分泌が十分でない場合は、赤ちゃんに母乳が足りなくなってしまいます。

母乳不足で赤ちゃんの体重が増えなかったり、脱水などの症状が現れたりした場合は早急に医療機関を受診しましょう。

母乳不足の場合は赤ちゃんの栄養面を考えてミルクを足すことになりますが、定期的に母乳を吸わせて搾乳も行うようにすると、次第に母乳が軌道に乗ってくることが多いようです。

おっぱいマッサージなどでおっぱいケアをするのもおすすめです。

母乳が安定するまではママも大変ですが、ママ自身の健康にも気をつけて積極的にリフレッシュするように心がけてください。

そして、母乳は赤ちゃんが吸わなくなると自然と作られなくなります。

長い育児の中で授乳期間は意外と短いもの。

今しかない赤ちゃんと授乳タイムを楽しみましょう。


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