高齢出産で授かった一人娘だからか、娘が可愛くてかわいくて仕方ありません。
我ながら「親バカだな~」と毎日のように思っています。
娘の表情や言動はもちろんですが、たとえ彼女がそこにいなくても娘の形跡を発見しただけで「かわいい」とニンマリしてしまうのです。
先日、娘が幼稚園に行ったあと、食卓の片付けをしていました。
皿の上を見ると娘が食べ切れなかった朝食の残骸が…。
目玉焼きにはひと口かじった跡が残っています。
ギザギザの半月型。
お行儀悪いな~思いつつ、その歯形の小ささに、思わずキュンッとしてしまいました。
同時に「幼稚園に遅刻しちゃう」と慌てていた娘の様子もフラッシュバック。
思い出し笑いをしながら歯形つきの目玉焼きを口に放り込みました。
脱いだものは自分で洗濯かごに入れるように娘に教えています。
その日も洗濯かごには娘の脱いだ服が入っていました。
「よしよし、言いつけを守っているぞ」と満足するもズボンとパンツが一体になっているではありませんか。
ズボンとパンツを一気に脱ぎ、脱いだ直後の8の字型のままカゴに放りこんでいるのです。
キャラクター柄のパンツのおまた部分がこちらを向いています。
年長さんになって髪を自分で結ったり洋服をコーディネートしたりと、どんどんお姉さんっぽくなってきた娘。
けれど、このあたりの羞恥心のなさは、まだまだ赤ちゃんだな~と少し安心。
ニヤニヤしながらズボンからパンツを引きはがすのでした。
下の歯が抜けた娘。
グラついているときから「上の歯が抜けたら土に埋めて、下の歯が抜けたら屋根の上に投げるんだよ」と言って聞かせていました。
しかしいざ歯が抜けてみると、その歯の小さなこと!
米粒と変わらないくらいのサイズで三角形をしています。
私の指先にちょこんとのったそれを見た瞬間「コレ捨てたくない!」と思ってしまいました。
だってこの歯は、娘が成長したあと「昔はこんな歯が生えていたくらい顔も体も小さかったのね」と実感するための物証なのです。
けれど娘は私の気持ちなどお構いなし!
当然「はやく屋根の上に投げよ~」とせがんできます。
ひとまず「また天気のいい日にね」と言って袋に入れ冷蔵庫に貼り付けておくことにしました。
でももうこの歯の行き先は屋根の上ではありません。
へその緒やファーストヘアが入っている保管箱に行くのです。
定期的に急かしてくる娘を見計らい、こっそりしまおうとたくらんでいます。
わが家のリビングの一角には「こども部屋」と名付けられた娘のオモチャスペースが設けられています。
私が朝いちばんにするのは「こども部屋」のお片づけ。
散らかり放題の様子を見ると一度はイラっとするのですが、片付けているうちにしだいに笑顔になっていくのです。
朝顔の汁で作った紫色のジュースが入ったビニール袋……。
お口に花柄の布を貼り付けられたお人形……。
ポシェットのなかにはオモチャの宝石がぎっしり…。
不思議で奇妙な残骸の数々にクスクス笑ってしまうのです。
いったい娘の頭のなかはどうなっているのだろう。
子どもの創造力には感心してしまいます。
娘は来年から小学生。
つい最近生まれたばかりだと思っていたのに、成長が速すぎて焦ってしまいます。
おっぱいを飲んでいたときも。
よちよちと歩いていたときも。
たどたどしい言葉遣いでおしゃべりしていたときも……。
振り返るとほんの短い時間だったように感じるのです。
そのせいか、娘の可愛らしい行動を目にするたびに「かわいい」と萌えつつも、その可愛らしさが指の隙間から零れ落ちていくような「もったいない」という感覚におそわれます。
この瞬間を凍結保存したい…!
そんな願望までこみ上げてくる始末。
しかし私にできるのは、せいぜい写真や育児日記で記録しておくくらい。
だからこそ、彼女が大きくなってから「あ~、もったいないことした~」と後悔しないよう、毎日何度でもぎゅーっと抱きしめ、めいっぱい遊んで、期間限定の娘の今を精一杯味わいたいと思っています。