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公開 2020年05月28日  

新米パパの育児参加は、一芸でいい!自分に出来ることを探した夫の話<第四回投稿コンテスト NO.37>

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プリシラさんの第一子である長男は、出産直後からよく泣く子だったそうです。長男に付きっ切りの生活で、プリシラさんの体重は日に日に減少…。そんな中、夫のとった行動は少し強引だったけれど、その後の育児に変化をもたらしてくれたようです。



現在2歳半のやんちゃ長男。

「とにかくずっと泣いてる!」キャラだった、赤ちゃん時代のお話。


初めての出産・育児。

赤ちゃんのお世話は大変と聞いていたけれど、生活がここまで一変するとは。

産声をあげたその瞬間から、赤ちゃんとママの密着24時生活が始まり、長く長く連れ添った私の「ひとり時間」はあっさり消え去った。

ファニーフェイスが愛くるしい私たちの長男は、とにかくずっと泣いていて、あまり寝てくれなかった。

「新生児は1日に15〜20時間ほど眠ります」

という育児書を片手に、合計して7時間しか寝ない子もいるのかぁ…へぇ…と、眠すぎる頭で呆然と呟いていた。

「赤ちゃんはとにかく睡眠が大事。夜更かしはせず、たくさん寝かせてあげましょう」

はい、こちらとしても是非たくさん寝ていただきたいのですが…

どんなに手を尽くしても寝ない場合は、どうしたら良いのですか?


いま思えば、もっと肩の力を抜けばよかった。

少しくらい泣いていたって、お腹もオムツも不快でなく体調も良さそうなら、息子もストレス発散していただけかもしれない。

大きな声でたっぷり泣けば、肺活量が鍛えられて、水泳が得意になるかもしれない。

しかしそんなゆとりは持てない、初めての育児。

「起きている=泣いている」だったので、とにかく早く寝てほしい、大人も休憩したいと常に願った。

育児休暇中の夫も日に日に疲弊し、私は私で、ホルモンバランスの乱れなのか人生初の喘息を発症。

出産時から10kg、15kgと体重が減っていき、周囲を心配させた。


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生後2ヶ月を過ぎ、事態は相変わらず。

特に夜8時になるとご機嫌が一段と悪くなり、「今夜も絶対寝ないぞ!」といわんばかりの長男(通称「魔の8時」…)。

それでもまだ成功率が高いのが、オッパイでのご機嫌回復・うまくいけばそのまま添い乳での寝かしつけだった。


新生児時代から哺乳瓶が断固嫌いで、オッパイしか受け付けず。

泣かれると焦る、スムーズに寝かせられないと焦る性分だった私は、気づけばオッパイ一辺倒に!

頻回授乳のコンテストがあったら、かなりいいところにいけたと思う。


別にそれは良いのだけれど、問題は、ママが赤ちゃんと物理的にも離れられないこと。

平和な時間のためには、私が(というかオッパイが)ついていなきゃ…。

あぁ、私がもう一人(というかオッパイがもう一組)いればいいのに…。

赤ちゃんにつきっきりの毎日。

朝はきちんと顔を洗う、丁寧に化粧水をつける、夜はシャワーを浴びてスッキリする。

当たり前だと思っていた日常の一コマが、心の潤いには結構大切なんだなと知った。


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そんなある日の魔の8時。

以前にギャン泣きされてから敬遠していた抱っこ紐を、夫がおもむろに出してきた。

「今夜はオッパイ以外で寝かせよう。俺が一晩中でも抱っこ紐してみるから」

「え!でも…ずっと泣いてると思うけど…汗」

「いいよ、そしたらずっと抱っこ紐してるから。とりあえずゆっくりお風呂でも入ってきたら?」


リビングから聞こえる断末魔の泣き声に心苦しさを感じつつ、でもでも久々にゆっくり浸かる湯船の温かさといったら!

一人でボーッとする時間、なんて癒されるの!

赤ちゃんへのイライラや慢性的な落ち込みが、ほんの少し一人きりになっただけで、スーッと消えていった。


とはいえ至福のバスタイムの間、リビングからは絶え間なく長男の泣き声が、、、

夫、ごめん!

ゲッソリしていないかな…?

恐る恐る戻ると、立ち姿勢でゆらゆら揺れながら、イヤホンでお気に入りのラジオを聴いていた。

「あ、おかえり〜、ゆっくりできた?」


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夫曰く。

育児は夫婦の協力が当然で、職場の理解もあり自分は育休の機会にも恵まれたけれど、結局はママしかできないことがたくさん。

妊娠・出産という出発地点は勿論、赤ちゃんが大好きな授乳も、自分にはオッパイがなく(いや付いてはいるんだけど母乳は出ず)…。

あやしたり歌ったり抱っこをしようにも、なぜだかママほど赤ちゃんの支持を得なかったり(これは少し気の毒)…。


赤ちゃんからのオンリー・ユー・ラブコールにママは嬉しい反面、「私じゃなきゃいけない」とお世話が属人化すると、育児はつらいものだ。

精神的にも物理的にもプレッシャーが大きくて、次第に追い詰められてくる。

追い詰められると、大事な赤ちゃんが憎くなったり、本末転倒なことになる危険も。


反対に、赤ちゃんを取り囲む大人の数が多ければ多いほど、育児って気楽になるのだ。

なぜか。

ずっと昔のママ達は、妊娠中も産後も働きどおしで体はヘトヘトだっただろうけれど、大家族で住んでいたことで、一人ぼっちで赤ちゃんと向き合うばかりじゃなかったかもしれない。

自分が働く間、お姑さんや上の兄姉達に「ちょっと赤ちゃん見てて」が言えていたかも。

現代は核家族が主流で、そのメリットも多い反面、ママと赤ちゃんは一対一の睨めっこが増えたと思う。

本当は笑い合いたいのに、睨めっこになってしまうなんて。


だから育児中のママにとって、パートナーであるパパのサポートは何よりも大事。

赤ちゃんの繊細なケアが、たった今ママには敵わないとしても、だったら間接的な一芸勝負(ひたすら気合の「泣いても寝るまで抱っこ紐」とか!)でもいいじゃないか。

ママの一人時間を作ってあげるでも、育児でバキバキになった肩を揉んであげるでも、ひたすら愚痴を聞くでも何でもいい。

ホッと気が休まる瞬間をママにプレゼントすることも、立派な立派なナイス育児なのだ!!


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この日から「魔の8時」を卒業するまで、夫はほぼ毎晩、長男を2時間抱っこ紐してくれた。

長男も次第にパパの抱っこ紐に慣れていき、ある日から泣かなくなり、またある日から寝つくようになった。

とにかく全身をひと通り洗うことが目標だった私のお風呂タイムも、次第にのんびり長くなり、気付けば愛読書の「スラムダンク」を持ち込むようになり、最終巻を読破した日には泣きながら(感動で)お風呂を上がったりした…。


1歳になる頃には、新生児時代の反動(?)か、夜は11時間ぶっ通しで眠る子になっていた長男。

ちなみに昨年末、彼に妹ができた。

やはり最初はママにべったりだった長女も、現在生後5ヶ月、最近はパパの抱っこ紐が気に入ってきた模様。

こんな感じで身近なパートナーのサポートがあれば助かるが、事情があってパパや家族が難しいときには、ナイス育児の立役者は、保育士さんやシッターさん、児童館のスタッフさん、誰でもいいのだ。


「赤ちゃんは、みーんなの赤ちゃんだよ♡」という気持ちで、ママが赤ちゃん独り占めしないよう(笑)、とにかく周りを巻き込んで頼りまくろう。

たくさん周りに甘えて、ふと誰かから、ナイス育児のプレゼントがもらえたら。

ママに笑顔が戻り、そんなママの笑顔は、赤ちゃんへの最高のプレゼントになるから。


(ライター:プリシラ)


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※ この記事は2024年03月29日に再公開された記事です。

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