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公開 2020年05月20日  

「この人と一緒に育児していきたい」決め手となった最初の1週間<第四回投稿コンテスト NO.19>

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産後1週間休みをとって、病院に通い詰めたという、かこいさんの夫。最初は「そんなに来なくても…」と思っていたというかこいさんですが、その考えが徐々に変わっていったといいます。



夫が「産後は1週間休みを取って病院に通う!」と宣言したとき、私は正直「そんなに必要かな…」と疑問に思っていました。

初めての出産で不安はありましたが、病院では看護師さんもサポートしてくれるだろうし、お見舞いに来てもあまりやることないんじゃないのかな、と。

もともと赤ちゃんを見かけるとわざわざ近くまで行って勝手にあやすくらい赤子好きの夫。

まあ初めてのわが子を思いっきり愛でたいのかな、なんてぼんやりと考えていました。

そんなのんきな想像をしていた私は、産後の入院生活で想定外の地獄を見ることに。

完全母子同室の病院だったので、出産当日の夜から眠れない日々のスタート。

出産でダメージを負った下半身があちこち痛くて、ベッドの上を移動するだけでも大仕事。

おまけに赤ちゃんは授乳の間以外ほぼ泣きっぱなしだったので、自分の食事も授乳しながら片手で猛獣のようにかきこむ始末・・・。


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そんな状態だったので、面会時間中ずっと夫がいてくれることでどれだけ助かったか。

毎日大量の食料を届けてもらったり、私が重い体を引きずって授乳の準備をする間、泣いている赤ちゃんをあやしてもらったり。

食事も、夫に子どもを見ていてもらえるお昼ご飯だけは、ようやく人間らしくゆっくりと味わうことができました。

いやー、必要ないなんて思っていたけど、休みを取っておいてもらって本当によかったなあ、なんてしみじみ思いながらふと気づくと、夫が看護師さんに何か尋ねていました。

それは、汚れてしまったベビー服のお着替えの仕方でした。

出産後のぼーっとした頭であまり意識できていなかったけれど、そういえばオムツの替え方を教えてもらうときも、抱っこの仕方を教えてもらうときも、いつでも夫は私の隣で看護師さんの説明を熱心に聞いていました。

わからないことがあれば自分で質問して、病院にいる間、授乳以外のほとんどのお世話を進んでやってくれていました。

母乳の出がよくなくてミルクを足すことになったときにも、産後のママさんであふれる調乳スペースに一人まじってミルクを作ってきてくれました。


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その姿を見て、私はようやく気づきました。

夫は、私のお見舞いやサポートというだけでなく、父親として、わが子のお世話の仕方を学びに来たのだと。

母親である私と同じタイミングで、一緒に親になるために。

お腹の中で育てていた期間が長かったから、赤ちゃんが外の世界に出てきてからも無意識のうちに自分ひとりで育てるような気になっていたのかもしれません。

率先して赤ちゃんの世話をする夫は、ようやく自分でも赤ちゃんのために何かができるようになったことを喜んでいるように見えました。

私たち2人で、この子を育てていくんだと実感できた1週間でした。


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それから早4年、下の子も生まれててんやわんやな育児生活を送る中で、夫にはいろいろな感情を抱いてきました。

新しい一面を見つけて尊敬し直すこともあれば、その一方でイライラが溜まって憎しみのような感情にまで達してしまうことも多々ありました。

良い面でも悪い面でも、きっと夫婦2人だけで過ごしていたら感じることもなかっただろうな、という感情が一杯です。

でも、どんな状況になっても「この人と一緒に育児し続けていたい」という気持ちが揺るがなかったのは、入院中の1週間に夫がしてくれた「ナイス育児」の記憶が安心感となって残っていたからです。

これからも続く長い長い子育ての最初の1週間は、今も私の宝物です。


(ライター:かこい)


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※ この記事は2024年03月14日に再公開された記事です。

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