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公開 2015年06月12日  

おばあちゃん世代とのバトル!?赤ちゃんに果汁は与えたほうがいいの?

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赤ちゃんが生後2~3ヶ月になって、育児書や病院では言われなかったけど、おばあちゃんに「果汁をあげなきゃだめよ!」と言われて、困っているママ。果汁ってあげた方がいいの?あげなくてもいいの?なぜ、おばあちゃんは果汁をあげなきゃだめと言っているのか、母乳とミルクの歴史を紹介します。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10323000748

昔は必要だった果汁

大昔、まだ人工的な乳児用ミルクがなかった頃、母乳だけが赤ちゃんの栄養でした。母親の母乳の出が、赤ちゃんが育つために十分でなければ、もらい乳したり、重湯で代用したり、離乳食を早めたりしていた時代です。



そして、乳児用ミルクの開発が進みました。それは、戦後の話です。母親の栄養状態が悪いこともあり、母乳よりミルクの方が栄養価が高い!と言われていた時代もありました。(※実際にそうだったのかはわかりません)



しかし、栄養価が高いと言われていたにも関わらず、ミルクだけで育つ赤ちゃんは、乳児が必要とするビタミンCを十分に摂ることができなかったのです。そのため、果汁を与えることが必要でした。

母乳で育っているお子さんには必要ない果汁

つまり、戦後に作られた初期の乳児用ミルクで育っている赤ちゃんには、ビタミンCが不足してしまう可能性があり、果汁を与えることが必要だったのです。今、子育てをしている世代の母親(赤ちゃんからみた祖母)は、当時母乳より栄養があると言われてきた乳児用ミルクで育ててきたという経験のある方が多いです。



現在、母親の栄養状態は良く、母乳の成分も分析されており、赤ちゃんにとって最適な栄養は母乳であると言われています。母乳の中には、赤ちゃんが育つために必要な栄養素が含まれており、それはビタミンCも例外ではありません。そのため、ビタミンC補給のために果汁を追加で与える必要はありません。



よく、ミルクの方が栄養価が高い、と言われることがあります。実際、ミルクには母乳よりも多い量の栄養素が添加されている場合もあります。しかし、吸収率からみてみると、母乳は少ない量の栄養素だったとしても、赤ちゃんが消化・吸収をするのが容易で、吸収率が高いことが多いのです。逆に、人工的に添加された栄養素は、消化・吸収に負担がかかり、吸収率が悪いことがあるのです。



母乳は完全栄養食品と言われています。母乳だけで育っているお子さんには母乳だけで十分です。

ミルクで育っているお子さんにも必要ない果汁

ミルクの歴史は短いですが、その間にも少しずつ内容が変化してきています。今のミルクは、母乳代替食品と言われ、出来る限り母乳に近づいてきています。赤ちゃんが育つために必要な栄養素が、必要なだけ含まれています。



ただし、免疫物質だけは添加できませんので、母乳=ミルクというわけではありません。

果汁を与えるのはスプーンに慣れさせるため?

栄養素の意味だけでなく、発育発達のためにも必要だと言われることもあります。特に、離乳食開始前の段階として果汁をスプーンで、というもの。それも、必要ありません。母乳を飲む時の舌の動きと、スプーンで食べ物(飲み物)を喉の方へ流し込む時の舌の動きは、少し違うんですね。



赤ちゃんの成長に伴って、口の中の形態が変化していきます。母乳を飲む動きが必要な時期に、違うことを教えて混乱させる必要はありません。赤ちゃんは毎日が新しい発見の中で成長していきます。その時の成長に必要なことを与えていけば、前もって準備していなくても、発達は伴ってくると思います。



焦らず、赤ちゃんの発達の応じて対応していきたいものですね♪

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