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公開 2020年11月16日  

5歳児の体と心の発達とは?言葉や理解力、情緒などの特徴を解説

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5歳児は小学校就学を目前に控えた子どもたち。日常生活における基本的なことは自分でできるようになります。大人の行動にも自分で目を向けて、社会性を著しく培っていく時期でもあるのです。この記事では5歳児の発達の特徴について、健康、言葉、基本的な生活習慣、大人や友だちとの人間関係という観点で紹介していきます。


5歳児の発達について知ろう

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5歳児は、準備や片付けなど自分の身の回りのことを自分で考えて行うことができ、食事や排泄など基本的な生活習慣が身についていく時期の子どもたちです。

大人の援助をほとんど必要としなくなっていきます。

文字や数字の読み書きに興味を持ち始めたり、言葉の理解力がつき大人や友達との会話を楽しんだりする姿が見られるように。

他にも、運動面や心の面などの変化も著しく、心身ともに大きく成長していきます。

生活や遊びの中で、他者との関わりを通して社会性や人間性も身についていく時期です。

成長していく過程で、子どもが自分で「やってみたい」という気持ちを持って、何事にも挑戦してみようとする意欲が大切になります。

子どもが自主的に意欲をもって物事に取り組んでいくことができるように見守っていきたいですね。

自分でできることが増えるということを理解しながらも、子どもとどのように関わっていくのが良いのでしょうか。

様々な角度から5歳児の発達の目安を理解しておきましょう。


日常生活の中でできること

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5歳児は、一日の生活の流れを理解してある程度見通しを持って過ごすことがきます。

食事、排泄、着替え、身の回りの準備や片付けなど生活する上で必要なことを、大人の援助をほとんど必要とせずに自分の力でできるようになっていきます。

大人から「これはいけないことだよ」「ダメだよ」と注意をされた時に、そのように言われていたから悪いことだと捉えていた考え方から、「なぜいけないことなのか」ということの意味を理解して自分で判断していく考え方へと変わっていきます。

店や公共の場でのマナーや、横断歩道の渡り方、信号の見方といった交通ルールなど、社会生活の中での簡単な決まりを理解できるようになり、実践していく時期でもあります。

普段から家庭でも繰り返し伝えていくと良いですね。

生活の中で自分でできることが多い5歳児。

この頃から小学校の就学に向けて、時間を意識した行動、早寝早起きの生活習慣をつけるなど、子どもが自分で考え行動し生活できるようにしていきましょう。


運動面での発達

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5歳児は、運動機能が一段と伸びていく時期です。思いきり体を動かすことの楽しさを感じながら、遊びの中に運動を積極的に取り入れていきます。

手や指先を使った細かい動きもよりなめらかになり、縄跳びやボール遊びなど、体全体で手で縄を回しながら足を使ってジャンプするなど複数の動きを同時にするような運動ができるように。

一人で遊ぶことよりも友だちと一緒に遊ぶことを好み、ドッジボールや鬼ごっこ、かくれんぼ、サッカーなどルールのある遊びやゲーム性のある遊びを楽しむ姿も見られます。

体を動かすことが苦手な子も、友だちと一緒に走り回り遊ぶ中で、楽しさを感じることができるかもしれません。

天気の良い日はできるだけ戸外に出て、季節を感じながら楽しく体を動かして遊ぶことができるようにしていきましょう。


友だちとの関わりは?

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この時期の子ども達は、「仲間」「友だち」ということを意識し、集団の中で自分という存在を認識することができます。

生活や遊びの中で自分の役割を理解して行動し、役割に責任を持って取り組む姿が見られるようになります。

お互いの気持ちを伝えあうことで、自分とは異なる考えがあることに気付き、どうすればお互いが納得する形で物事や遊びを進めていくことができるのかを考えていくようになります。

自分の思い通りにいかない場面で生じる悔しさや葛藤もあるでしょう。

自分勝手に意見を通そうとしたり感情のままにぶつかり合ったりするだけではなくて、自分の悔しいという感情をコントロールしていこうとする姿も見られます。

子ども同士で遊びを考え発展させていき、何かトラブルや困ったことがあった時には、自分たちで解決することもできるようになるでしょう。

この時期の子ども達の心身の発達において友だちの存在や関わりの中で育まれていく力がとても大きいといえます。


文字や言葉を理解し、どのくらい自分の気持ちを表現できる?

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文字や数字などにどれくらい興味を持つかは個人差がありますが、トランプやカルタなどに興味を持って、遊びの中に取り入れていく姿が見られる時期です。

簡単な絵本を自分で読もうとしたり、自分の名前や覚えた文字、数字を書いて楽しんだりする子もいます。

自分の気持ちを言葉として相手に伝えたり、相手の話していることを理解することができるようになるでしょう。

他者との関わりを通して思考力、表現力、理解力、協調性など様々な力が身につきます。

話すことやコミュニケーションをとることが得意な子がいる一方で、苦手とする子もいるでしょう。

自分を表現する力は経験の積み重ねによって育まれていくものです。

無理に話をさせようとするのではなく、自分の気持ちを話すことに少しずつ慣れていけるように促していくことが大切です。

「早く」「まだ?」と急かすことなく子どもが話すまで待ち、ゆっくりと落ち着いた雰囲気の中で話を聞いてあげるようにしましょう。


大人が子どもと関わる上で大切なこと

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5歳児は自分でできることが増えているとはいえ、成長のペースは子どもによって違います。

また得意不得意は、個人差が大きいものです。

子どもが自分でできることはそのまま自信を持って取り組むことができるように、苦手だと感じることには「やってみよう」という気持ちで前向きに挑戦することができるように、励ましながら見守っていきましょう。

大人が何かを教えるということよりも、子どもが自分で考えたり、友達との関わりを通し子ども同士で話し合い物事を進めて行ったりする経験を積み重ねていくことが大切です。

その経験を通して、自分で考え、気持ちを表現し相手に伝える力や、相手の話を聞き自分と異なる考えでも受け入れる力などが育っていきます。

困っている時には手助けをしてあげることも大切ですが、子どもが自分で、または子ども同士で育っていく姿を尊重してあげてください。

社会性が大きく育っていく時期であり、子どもは大人の姿をしっかりと見ていることを意識して、子どもの模範となれるように行動していきましょう。

自分を思いきり発揮するには、居心地がよく安心できる環境であることが重要です。

家庭でも親子の信頼関係を築き、子どもが安心して自己表現できるようにしてあげてくださいね。


5歳児の発達について知り、子育てを楽しもう

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自分でできるようになることが増え、少しずつ自立していく5歳児。

「自分でやる」という気持ちや、新しいことにも「やってみたい」と思える意欲を大切にしたい時期です。

子どもによって運動が得意、表現することが苦手、というように得意不得意があり、できるようになる時期には個人差もあります。

興味を持つものも、子どもによって様々です。

何事にも個人差があるということを十分に理解した上で、その時の子どもの姿を捉えどのような関わりや援助が必要なのかを考えていきましょう。

5歳児は小学校の就学に向けて少しずつ準備を始めていく時期でもあります。

期待と不安が混じり合い不安定になりやすい心の変化を、しっかりと感じ取ってあげましょう。

早寝早起きの習慣をつけて生活リズムを整えたり、時間を守って行動できるようにしたりと、家庭でもできる準備をピックアップして、親子でゆっくりと取り組んでいってください。


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