運動能力が発達し、さまざまなことができるようになる3歳児。
自分で行動しようと考え、自我がよりはっきりしてくる時期です。
自分と他人とのかかわりを学んだり、真似をしたりしながら社会性の基礎を身に着けていく大切な期間でもあります。
心身ともにめざましい成長を見せるこの時期の発達の特徴を知って、子どもの自立や人間関係の形成を見守ってあげましょう。
3歳児は、他者との関わり合いが強くなってくる時期です。
そのため、言語においても他者とのやりとりができるようになっていきます。
名前や年齢など、簡単な質問に答えられるようにもなるでしょう。
椅子の絵をみて、「椅子は座るもの」と説明するなど、ものの定義を言葉で伝えられるようになるのもこの時期。
幼稚園や保育園などで体験したことや、先生や友達に聞いたことなど、見聞きしたことを親やまわりの大人に伝えられるようになるのも、3歳児の言葉の発達の特徴のひとつです。
「雨がふったらどうする」など問題提起をすると、「かさをさす」「おうちに帰る」など解決方法を話せるようにもなります。
接続詞や、「てにをは」の助詞をもちいて、3語文以上の言葉も使いこなすようになるでしょう。
一方的に、自分が話したいことを話していた2歳児のころと異なり、他人とコミュニケーションをとれるようになってくるのです。
「ぼく」「わたし」など一人称を使い、話をするときに相手の目や顔を見られるようになるのもこの時期の特徴といえるでしょう。
「おはようございます」「おやすみなさい」など、日常のあいさつもできるようになります。
また、「ものを触ると冷たい」「今日はさむい」などといった感覚を言葉で表現できるようもなります。
さまざまな感覚を表現できるように、周りの大人も自分の感覚を子どもに話してあげるといいですね。
3歳児が話せる単語の数は、およそ1000語といわれていますが、子どもの言葉の発達には個人差があります。
あせらず、コミュニケーションを楽しみながら語彙(ごい)力を伸ばしてあげたいですね。
3歳は、日常生活や遊びの発展から、だんだんと体の使い方が上手になってくる時期です。
遊びの中でさまざま動きを経験していくことで、自分の動きをコントロールできるようになります。
最初のころはぎこちなさや力みが見られますが、運動経験を積むことでスムーズな動きもできるようになるでしょう。
体のバランスも上手にとれるようになり、平均台の上を歩いたり、片足で立ったりできるようになります。
体の使い方が上手になると、ボール投げやバウンドしたボールを取るなどの動作もできるようになってきます。
運動発達には、個人差があります。自分で何度も繰り返し、面白さを感じるようになることが大切です。
無理強いをせず、一緒に楽しみながら子どもの運動発達の成長を見守っていきたいですね。