人と関わるための基礎となる信頼感は、乳幼児期の愛着が土台になると言われています。
特に0~1歳の頃に、声をかけたり、微笑みかけたり、スキンシップをはかったりするなど子どもとコミュニケーションをたっぷりとり、親子が心のつながりを築くことが大切とされています。
また、泣いたり笑ったりなど、子どもから発せられる信号を敏感に察知し応えてあげるのも、愛着を形成する上で重要な過程。
言葉の発達とともにこの心の絆を基盤として、外の世界で人間関係を築いていけるようになります。
赤ちゃんから幼児に移行するにつれ、友だちとの関わり方はどのように変化していくのでしょうか。
人と関わる力の土台を育む時期である0~2歳、友だちとの関わりが増え始める3~5歳の友だちとの関わり方の変化を見ていきましょう。
0~2歳の頃は友だちとの関わりというよりも、家族など親しい人との信頼関係をまず育み、楽しみを共有する経験が大切な時期にあります。
他者と関わるための準備期間であり、同じくらいの年齢の子ども同士を仲良く遊ばせるのは難しいかもしれません。
特に1歳後半から2歳になると、親やきょうだいなど信頼関係のある人と見知らぬ人との判別ができるようになり、人見知りを始める子も。
でもこれは特定の人との愛着が育っている証拠と言えるでしょう。
人間関係が広がり、簡単なルールが分かるようになってくるのは3歳以降で、友だちと遊ぶ機会が増え、少しずつ相手の気持ちを理解したり、感情をコントロールしたりできるようになります。
豊かな心や社会性は、特定の人との愛着を基盤に、人間関係が広がる時期にごく自然に身に着いていくものです。
子どもが自由に遊べて、何かあった時にいつも守ってくれる人がいるという安心感が身についていくと、友だちと関わる時期になった時に、不安を感じることなく、他者と関わっていくことができるようになるものです。
2歳半~3歳頃になると、自我がはっきりして、自分でできることはやってみたいという自立心が芽生え始めます。
乳児期よりも友だちとの関わりも増えて、最初は一人だけで遊んでいたのが、みんなで遊ぶようになっていきます。
友だちのやっていることへ興味を持ち始めるものの、まだまだ安心できる人やものを見つけて過ごすことが多い時期でもあり、自分の思い通りにしたがるなど、物の取り合いなどのトラブルが出てくることもあります。
また自分から友だちと一緒に遊びたいという気持ちも高まります。
自分の思いを言葉で表現することも多くなり、友だちと一緒に遊ぶ楽しさが分かってくるようです。
甘えたい気持ちと自分でしたい気持ちの間で揺れ動く年齢であるため、思いが達成されないことで泣いたり怒ったりする場面も増えてきます。
これは成長の過程なので、手助けしたり、励ましたりしながらも、温かく見守ることが大切。
何度か友だちとのトラブルを経験していくうちに、人との距離感や友だちが何を嫌がり、どう伝えれば楽しく遊べるかが分かり始めるものです。
あまり焦らず、大らかな気持ちで気長に接していきたいものですね。