乳児湿疹はいつまでつづく?主な症状や治療法、注意しておきたい点のタイトル画像
公開 2020年05月20日  

乳児湿疹はいつまでつづく?主な症状や治療法、注意しておきたい点

4,003 View

つるつるすべすべで、何のトラブルもないと思っていた赤ちゃんの肌。ところが生後しばらくして現れた「ガサガサ」「ぷつぷつ」に焦ってしまうパパママも少なくありません。これは「乳児湿疹」といわれる赤ちゃんならではの肌トラブル。気になる「乳児湿疹」についてご紹介します。


目次 乳児湿疹はいつからいつまでつづくの?
乳児湿疹の原因や症状、治療法
乳児湿疹のひとつ!乳児脂漏性湿疹の原因や症状、治療法
乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)とは
赤ちゃんのあせもの期間や症状の原因や症状、治療法
乳児湿疹とアトピーとの違い
乳児湿疹で病院受診が必要な場合
乳児湿疹は生後2~4ヶ月頃まで!気になるときは病院を受診しよう

乳児湿疹はいつからいつまでつづくの?

乳児湿疹はいつまでつづく?主な症状や治療法、注意しておきたい点の画像1
pixta_47762478_S


「乳児脂漏性湿疹」や「新生児ニキビ」、「あせも」など、皮脂分泌が盛んで毛穴が小さい赤ちゃんの顔や体に現れる湿疹を総称して「乳児湿疹」といいます。

乳児湿疹は生後2~3週間の新生児期から生後2ヵ月頃から多く見られ、ピークは生後2週間〜4ヶ月頃。

個人差はあるものの、乳児湿疹は生後4ヶ月頃から徐々に落ち着いていくといわれています。


乳児湿疹の原因や症状、治療法

乳児湿疹はいつまでつづく?主な症状や治療法、注意しておきたい点の画像2
pixta_30231369_S


乳児湿疹はすべての赤ちゃんにできるものではありません。

では、どのような原因で乳児湿疹はできるのでしょうか。

症状や治療法と合わせてご紹介しましょう。


乳児湿疹の原因


お母さんから受け継いだホルモンの影響で、過剰に分泌された皮脂が赤ちゃんの小さな毛穴に詰まります。

これにより、生後すぐの乳児湿疹が引き起こされるといわれています。

対して、生後3ヶ月以降の乳児湿疹の主な原因は乾燥。

乾燥した肌に汗やほこりがつくことで炎症を起こし、乳児湿疹につながるとされています。

そのため、手足など外気に触れる部分にできやすく、かゆみをともなうことがあるのが特徴です。


乳児湿疹の症状


乳児湿疹の症状には次のようなものがあります。

・ぷつぷつとした赤い発疹ができる
・小さな赤い発疹がつながって皮膚全体が赤くなる
・黄色いかさぶた状のもので皮膚がおおわれる
・フケのようなものが出る
・膿をともなう発疹で、膿が流出している

過剰に分泌される皮脂の影響による乳児湿疹なのか、乾燥によるものなのか、乳児湿疹の原因によって症状は異なります。


乳児湿疹の治療法


生後2~4ヶ月のピークを過ぎれば、乳児湿疹は治まっていくのがほとんど。

正しくケアしていれば痕が残る心配もほぼありません。

しかし、まれに重症化したり症状が長引いたりする場合も。

そんなときは、迷わずかかりつけの皮膚科や小児科を受診しましょう。

乳児湿疹の治療は、肌を清潔にして保湿することが基本です。

症状の程度によって炎症を抑えるためのステロイド剤(塗り薬)が使用されたり、細菌感染を抑えるための抗菌薬(塗り薬)が使用されたりすることもあります。

乳児湿疹がそれほどひどくなく、自宅でのケアで治癒を目指す場合は、刺激の少ない赤ちゃん用のボディソープで肌を清潔にし、ボディクリームなどでこまめに保湿するよう心がけましょう。

赤ちゃんの肌がかさぶたのようなものでおおわれているタイプの乳児湿疹なら、オリーブオイルやベビーオイルなどでかさぶたをふやかし、柔らかくしてから洗浄すると除去できます。

カサカサしたものを無理にはがそうとすると、赤ちゃんのデリケートな肌を傷つけてしまうので気をつけてください。

乳児湿疹が手足にできている場合は、赤ちゃんが引っかかないよう長袖・長ズボンでおおっておくと安心です。

乳児湿疹だと思っていたものが実は別の原因によるものだったという可能性もあります。

ドラッグストアなどに「乳児湿疹にも効く」などと表記された市販薬が販売されていますが、薬を使用する場合は自己判断せず、念のため病院で診察してもらうようにしましょう。


乳児湿疹のひとつ!乳児脂漏性湿疹の原因や症状、治療法

乳児湿疹はいつまでつづく?主な症状や治療法、注意しておきたい点の画像3
pixta_42105147_S


赤ちゃんにできる湿疹の総称である「乳児湿疹」。

中でも、多くの赤ちゃんに現れるのが「乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)」です。

乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)はどのような原因で起こり、どのような症状が出るのでしょうか。


乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)とは


乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)は、生後2週間ほどの新生児や乳児にできやすい湿疹です。

赤ちゃんの眉・おでこ・頭皮などに、黄色や赤などの脂っぽいかさぶたが、“うろこ”のように張り付くもので、赤ちゃんの成長にともなう一過性のものだといわれています。

そのため、乳児期を過ぎると自然と治まっていく傾向があります。


乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)の原因や症状


乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)は、赤ちゃんの皮脂分泌の多さが原因ではないかと言われています。

新陳代謝が活発で、お母さんから受け継いだホルモンの影響を受けて過剰に分泌された皮脂と、外部から肌に付着したほこりや汚れが混ざり合ってかたまり、赤ちゃんのデリケートな皮膚に炎症を起こします。

赤ちゃんの柔らかい肌をガサガサしたうろこ状のものがおおうため、不安になってしまうお母さんも少なくありません。


乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)の治療法


乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)になってしまったら、次のことに気をつけながらケアをしてあげましょう。

・毎日入浴し、皮脂や汚れを落とすよう心掛ける
・うろこ状のかさぶたは、オリーブオイルやベビーオイルなどでふやかし、柔らかくなった状態で洗い流す
・入浴後など、皮膚をキレイにした後は、ローションやクリームなどでしっかり保湿をする
・赤ちゃんが湿疹を引っかいてしまわないよう爪は短く切る

うろこ状のかさぶたは、無理にはがそうとごしごし洗わないように注意しましょう。


赤ちゃんのあせもの期間や症状の原因や症状、治療法


赤ちゃんの肌トラブルには、あせも(汗疹)も多くあらわれます。

あせも(汗疹)の原因や症状、治療法についても見てみましょう。


あせもの期間


あせも(汗疹)は、気温や湿度が高い季節によくみられます。

あせも(汗疹)ができるのは夏場が主ですが、高温多湿な部屋で汗をかきやすかったり、通気性が悪くムレやすい服装をしていたりすると、涼しい季節でもあせも(汗疹)になる可能性があります。


あせもの原因や症状


あせも(汗疹)は、高温多湿な環境と大量の汗が原因で起こります。

汗を排出するはずの管が大量の汗やほこり、皮脂などで詰まり大量の汗が皮膚の中にたまります。

これが周辺組織を刺激することで発疹となったものをあせも(汗疹)といいます。

あせも(汗疹)には種類があり、汗が皮膚のどこにたまるかによって症状も変わります。

・水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
角質層に汗がたまってできるもので、透明感があって白っぽい小さな水泡が特徴です。
自然に治ることが多く、特に治療は必要ありません。

・紅色汗疹(こうしょくかんしん)
表皮内に汗がたまって赤いぷつぷつができる一般的なあせも。
かゆみがあるため、赤ちゃんが我慢できずに書いてしまい、とびひになるケースもあるので注意が必要です。


あせもの治療法


涼しい環境で過ごし、肌を清潔に保っていれば、あせも(汗疹)が自然に治ることもあります。

しかし、次のような症状がみられる場合は病院を受診した方がよいでしょう。

・かゆみがひどい
・赤くなっている範囲が広い
・水ぶくれができている
・清潔にしていてもなかなか治る様子がない

病院では、あせも(汗疹)の症状に応じてステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬などの薬が処方される場合があります。


乳児湿疹とアトピーとの違い

乳児湿疹はいつまでつづく?主な症状や治療法、注意しておきたい点の画像4
pixta_30168434_S


乳児湿疹のように発疹をともなう症状に、アトピー(アトピー性皮膚炎)があります。

・かゆみが強い
・炎症を引き起こしている
・なかなか治らない(乳児は2ヶ月以上)
・全身に左右対称に発疹している

という場合はアトピーである可能性が高いようです。

乳児湿疹は生後2~3ヵ月頃から落ち着くことが多いですが、アトピーは症状がしつこくぶり返します。

気管支喘息などのアレルギーによる病気を合併する場合もあるため、病院で調べてもらうようにしましょう。


乳児湿疹で病院受診が必要な場合

乳児湿疹はいつまでつづく?主な症状や治療法、注意しておきたい点の画像5
pixta_29982000_S


乳児湿疹の症状で、次の項目に当てはまるようであれば、小児科や皮膚科を受診しましょう。

・かゆみがつらそう
・湿疹が強く出ている
・ぐちゅぐちゅした状態が続く

適切に対処すれば、治りも早く湿疹のあとも残りにくくなります。


乳児湿疹は生後2~4ヶ月頃まで!気になるときは病院を受診しよう


個人差はあるものの、生後2~3週間からあらわれ、生後2~4ヶ月頃には落ち着く乳児湿疹。

赤ちゃんの肌を清潔に保ち、こまめに保湿をすることで自然に治ることが多いものではありますが、症状がひどい、かゆそうにしているなど、気になるときは小児科もしくは皮膚科で相談してみましょう。


Share!