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公開 2020年05月23日  

授乳期間はいつまで?気を付けたい乳腺炎の症状や対処法

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赤ちゃんを母乳で育てたいと思っているママには、「授乳期間はいつからいつまで?」「新生児期の授乳間隔は?」「母乳の出が悪い」「乳腺炎になるのを防ぎたい」など、母乳育児に関する悩みは尽きません。ここでは、新生児期の授乳回数や飲ませ方のコツ、母乳の保存方法や乳腺炎についての対処法などについて解説しています。


目次 授乳はいつからいつまで?卒乳・断乳時期の目安は?
新生児期の母乳の飲ませ方と授乳間隔は?
母乳育児のメリットとデメリットは?
搾乳した母乳の保存方法は?
乳腺炎の症状と対策
授乳期間は人それぞれ!母乳育児にこだわりすぎずに授乳を楽しもう

授乳はいつからいつまで?卒乳・断乳時期の目安は?

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無事に赤ちゃんを出産した後、さっそく授乳は始まります。

ママや赤ちゃんの体調にもよりますが、出産後なるべく早く母子が触れ合えるよう、助産師さんや看護師さんが授乳を支援してくれる場合もあります。

しかし、出産後すぐに母乳が出るとは限りません。

赤ちゃんも産まれたばかりのころは飲める量が少ないため、母乳の量は徐々に増えていけば大丈夫。

何度も母乳をあげることによって、赤ちゃんは吸い方を覚え、それによってホルモンが刺激されて母乳も少しずつ出るようになります。

生後約5ヶ月ころには離乳食が開始し、食べられる量が増えてくると、自然と母乳を飲む量も減ってきます。

個人差もありますが、離乳食の進行とともに、次第に離乳していく子もいます。

しっかり離乳食が食べられているのなら、そのまま離乳しても大丈夫です。

仕事復帰に合わせて、断乳したいというママも多いでしょう。

この場合も、しっかり離乳食が食べられているのなら、赤ちゃんのペースに合わせつつ断乳を計画しましょう。

ただ一方で、授乳は何歳までといった決まりはなく、ママが自分や子どもの状態を考えて、卒乳するのか判断するようことがいいともされています。

授乳は赤ちゃんにとって安心できる行為でもありますので、離乳の時期はお子さんのペースに合わせて気長に待つのも一つの形です。


新生児期の母乳の飲ませ方と授乳間隔は?

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新生児は身体が小さいので、一度にたくさん母乳を飲むことができません。

その分、授乳間隔が短く、回数も多いです。

ママは大変な時期ですが、決して無理をせず、自身の体調とも相談しながら、粉ミルクと混合で進めていくのも一つの方法です。


新生児期の授乳の間隔


生後1ヶ月ころは、授乳の間隔が30分~2時間ごとで、1日の授乳回数は、8~12回以上が目安です。

1日中赤ちゃんと一緒にいることによって、おっぱいを欲しがるサインもわかってくるので、赤ちゃんが欲しがるだけ母乳をあげましょう。


母乳の飲ませ方のコツ


母乳を飲ませるときには、次のようなことを意識してみてください。

授乳がスムーズにすすむきっかけになるかもしれません。

・ふたりの身体が密着し、身体が前のめりにならないように
・枕やクッションを使って楽な姿勢をさがす
・ママがリラックスする

この頃のママは、30分~2時間おきに授乳し、その間でおむつ替え、お風呂、赤ちゃんをあやすなど、とても忙しく大変です。

特に授乳は、同じ姿勢が続くため、身体が痛くなってくることも。

そこで、赤ちゃんと身体を密着させることを意識すると安定感が増し、楽なところに枕やクッションをはさむと、腰や腕の負担が和らぎます。

パパや周りの家族と協力して授乳のコツをつかめると良いですね。


母乳育児のメリットとデメリットは?

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母乳育児のメリット・デメリットをいくつか挙げてみましょう。


母乳育児のメリット


母乳は、赤ちゃんの免疫獲得や心理面で、以下のようなメリットがあるとされています。

・感染症にかかりにくくなる
・赤ちゃんに最適な成分が含まれていて、代謝負担が少ない
・アレルギーを起こしにくい
・産後の身体の回復を早める
・衛生的で経済的
・手間がかからない
・母子の良好な関係を育んでくれる

特に産褥期には、赤ちゃんに乳首を吸ってもらうことで、子宮収縮を促すことができます。

赤ちゃんの栄養だけでなく、母体の早い回復のためにも、授乳は効果的なのです。


母乳育児のデメリット


一方、母乳のデメリットとしては、次のようなものが考えられます。

・母乳が出ない、母乳の出が悪いママが精神的に負担を感じる
・ママの体調不良など、状況によっては授乳できない可能性がある
・ママしか授乳ができないため、負担になりやすい
・授乳場所が限られるので、気軽に赤ちゃんと外出できない
・どのくらい飲んだのか、正確な量がわからない


母乳の出は体質や状況にも大きく左右される繊細なもの。

赤ちゃんが欲しがる量とママのおっぱいの量にズレがあると、うまくいかないことも多いものです。

また、ママしか授乳できないので、授乳間隔が狭い時には特に周りの人に頼れず負担になることも。

そうした時には、無理をしすぎず、粉ミルクと併用したり、粉ミルクメインで進めたりすることも大切なことです。

ママと赤ちゃんが穏やかに過ごせて、赤ちゃんが元気に成長できることを優先的に考えてみましょう。



搾乳した母乳の保存方法は?

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母乳は、搾乳して冷凍保存しておくこともできます。

そうすることで、ママ以外の人と赤ちゃんが過ごす時も、母乳を飲むことができますね。

母乳の冷凍保存は、市販されている専用のフリーザーパックの使用がおすすめ。

冷凍後6ヶ月まで保存が可能ですが、できれば3ヶ月くらいを目安に使い切るのがいいでしょう。

冷凍するときは、フリーザーパックに搾乳日を記入しておくと便利。


解凍するときは、流水、または40℃前後のぬるま湯で解凍します。

早く解凍したいときは、何度かぬるま湯を差し替えるといいでしょう。

高温で解凍してしまうと、母乳の成分を壊してしまいます。

鍋に移し替えて火にかけたり、電子レンジや熱湯で解凍したりするのはNGです。

母乳の冷凍保存ができれば、哺乳瓶を使って家族に授乳をお願いすることができますね。


乳腺炎の症状と対策

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乳腺炎は、授乳中のママの乳房組織が炎症をおこすことをいいます。

授乳を始めてから6~12週間の間に発症することが多いですが、授乳期間を通してそれ以降の時期にも発症することもあります。

原因は、授乳がうまくいかずに母乳がおっぱいの中に溜まってしまったり、乳管が詰まったり、乳首の亀裂から細菌が侵入したりすることによって感染することがあげられます。


乳腺炎の症状


乳腺炎の症状には、次のようなものがあります。

・おっぱいの熱、腫れや赤み
・圧迫するような痛みやチクチクした痛みをおっぱいに感じる
・授乳中、おっぱいに痛みを感じたり、焼けるような感覚を感じたりする
・疲労感や体調不良
・発熱や悪寒

乳腺炎は、痛みや腫れ、熱をもって赤みを帯びるような症状が、片方のおっぱいに発症することが多いようです。

ゴリゴリとしたしこりを感じる場合もあります。

この時期のママは、1日中赤ちゃんと向き合い、体力的にも疲れが溜まっている状態です。

何となく体調が悪い、おっぱいのあたりに痛みを感じるというときは、乳腺炎かもしれないということを覚えておくといいでしょう。

乳腺炎になってしまったら、病院を受診して医師や助産師さんに相談することが大切です。

放置して膿が溜まってしこりになってしまうと、マッサージによる治療が必要になったり、なかなか改善しない場合は抗生物質を処方されたりということもあります。

水分を多く摂る、授乳がかなりつらいときは手絞りや搾乳器で搾乳してみる、サポートブラジャーを使うなど、自宅行える軽減方法も試してみてもいいでしょう。

乳腺炎は、とにかく普段から乳腺炎にならないようにすることが大切。

次の章では、ケアや予防方法を見ていきます。


乳腺炎対策1.授乳姿勢を変えてみる


授乳姿勢の種類は、交差抱き、横抱き、脇抱き、添い乳などがあります。

いろんな抱き方をすることによって、ママや赤ちゃんが授乳しやすい姿勢を見つけましょう。

いろんな角度から授乳することで、満遍なく乳腺からおっぱいを吸ってもらえます。


乳腺炎対策2.頻繁に授乳する


特に月齢の低い時期には、赤ちゃんが欲しがるときはなるべく頻繁に授乳を行い、授乳の間隔をなるべく開けすぎないようにするのがいいでしょう。

規則的な授乳は、おっぱいの炎症を防いでくれることも。


乳腺炎対策3.十分な休息をとる


赤ちゃんと一緒に寝て休息をとることが、母乳の生成を促すことにもつながります。

授乳前に入浴などをして身体をあたためると、身体がリラックスし、母乳も出やすくなる効果を期待できるかも。

パパや周りの家族に協力してもらって、気分転換のためにゆっくりと湯船に浸かる時間を取れると良いですね。


授乳期間は人それぞれ!母乳育児にこだわりすぎずに授乳を楽しもう


母乳育児については、ママと赤ちゃんを取り巻く状況によって十人十色ですが、何より大事なことは、ママと赤ちゃんの授乳の状況を個性だと受けとめ、母子が笑顔でいること。

そのためには、なるべく無理せずに授乳期間を楽しむことが大切です。


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