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公開 2020年07月05日  

お宮参りの「初穂料(はつほりょう)」のし袋の書き方や相場・マナーも紹介

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赤ちゃんが生まれたらあっという間にやってくる最初の行事、「お宮参り」。そこで必要になるのが初穂料(はつほりょう)です。でも、初穂料ってなに?相場は?マナーは?など、わからないことも多いのではないでしょうか。そこで、今回は初穂料の相場や、のし袋の書き方、マナーなどについてお伝えします。


目次 初穂料ってなに?
お宮参りはいつ行う?
「お宮参り」初穂料の金額の目安は?
初穂料「正しいお札の入れ方」
初穂料「のし袋」の書き方
お宮参りでの服装や作法は?
マナーを知って、お宮参りに行きましょう

初穂料ってなに?

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「初穂料(はつほりょう)」は、お宮参りなどの際、神社で祈祷やお祓いをしてもらったりした時に、奉納するお金のこと。

もともと「初穂」とは、神様にお供えする、その年初めて収穫された稲穂などの穀物のことを指しました。

実りの秋に、感謝の気持ちを込めてお供えしていたのですね。

現在では季節にかかわらずお金を納めることが多くなりましたが、古来より稲作をしてきた日本らしさを感じられる由来です。

神社に納めるお金の呼び方はほかにもさまざまあり、「玉串料(たまぐしりょう)」「榊料(さかきりょう)」などがありますが、これらも「初穂料」と同じく、玉串や榊の代わりにお金を納めるという意味になります。


お宮参りはいつ行う?


では、お宮参りの時期はいつ頃が良いのでしょうか?

お宮参りは、土地を守る神様(産土神/うぶすながみ)に、赤ちゃんの健やかな成長を見守っていただけるよう、祈願する大切な行事です。

男の子は生後31日目、女の子は生後33日目に行うと言われていますが、地域によって少し異なる場合もあります。

現代ではこの日にこだわらず、赤ちゃんとママの体調や天候などを考えてお参りの日を決めるのが一般的ですので、「無事に生後1ヶ月の健診を終えたころ」と考えていいでしょう。

真夏や真冬などの負担が大きい時期も、避けてかまいません。


参考:神社本庁「初穂料など、お供えするときの表書き方について」

「お宮参り」初穂料の金額の目安は?

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では、お宮参りの場合、初穂料の金額はどのくらいなのでしょうか?

神社によって異なりますが、相場は、5,000円~10,000円ほどのところが多いようです。

最近ではホームページに明記してあったり、神社で金額を言われたりすることも多いので、一度調べてみるといいでしょう。

金額の指定がなく「お気持ちで」などと言われた場合も、このくらいの金額と思っておけばよさそうです。

また、神社によっては、お守りやお食い初めの食器などをいただけることもあります。

お食い初めは、生後100日目(またはそれ以降、こちらも地域差があります)の行事。

意外とすぐにやってきますので、お宮参りの際に、お食い初めのお祝いのこともセットで考えておくといいかもしれません。


参考:湊川神社「御家族等の祈願・祈祷」

参考:明治神宮「御祈祷に関するよくある質問」

初穂料「正しいお札の入れ方」

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初穂料は、ぜひ、きちんと祝儀袋に入れて持参したいもの。

これを機会に基本的なルールを覚えておけば、今後も何かと役立つでしょう。

祝儀袋を選ぶ際、水引は「蝶結び(花結び)」のものを選びましょう。何度あってもよい、一般的な慶事に使います。

ちなみに、結婚祝いや病後の全快祝いなど、繰り返さないほうがよいことには、「結びきり(あわび結び)」のものを選びますので、間違えないように気をつけましょう。

お宮参りに限ったことではありませんが、祝儀袋は、中に入れる金額によって選ぶ商品が異なります。

購入の際にパッケージを参考にして確認しましょう。

お金は新札を用意し、人物の顔が、中袋の表側の上部に来るように入れます。

外袋の裏側を合わせる際には、「幸福を受けとめる」という意味で、下側の折り返しの部分を上に重ねます。ここが逆になってしまうと、「悲しみに頭を伏す」という弔事の時のやり方になってしまいますので注意しましょう。


参考:エヌビー社「ご祝儀袋の選び方」

参考:西野神社「のし袋」

初穂料「のし袋」の書き方

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続いて、のし袋の書き方です。

毛筆でなくとも、筆ペンやサインペンでもかまいません。

筆ペンは、濃い色の墨のものを使用しましょう。

薄墨はお香典袋などに書く時に使用するものなので注意が必要です。

表書きは、水引の上に「初穂料」または「御初穂料」、下には赤ちゃんの名前を書きます。

パパやママの名前ではなく、赤ちゃんの名前です。ご祈祷の際に赤ちゃんの名前が呼ばれますので、ふりがなも忘れずに書くようにしましょう。

中袋は、表に包んだ金額を記載します。「金 壱萬円」などと大字(だいじ)で書きます。

難しい漢字を使うのは、改ざんなどを防ぐためと言われています。

中袋の裏には、住所と氏名を書きましょう。

こちらも先ほどと同様に赤ちゃんの名前を記載しましょう。


参考:エヌビー社「ご祝儀袋の選び方」

お宮参りでの服装や作法は?

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初穂料を中心にお宮参りについてご紹介してきましたが、そのほかのマナーや注意点についても見ていきましょう。


神社の選び方


冒頭で「土地の神様にお参りする」とご紹介しましたが、どこの神社にするのかは、厳密な決まりはありません。

自宅から近く、無理なく行けるところを選びましょう。

また、ご祈祷の申し込みについては、特に予約不要で随時受付のところも多いようですが、神社によって異なります。

ホームページなどを見ても不明であれば、社務所に問い合わせてみましょう。

予約不要の場合でも、時期や時間帯によっては混雑が予想され、赤ちゃんやママの負担が心配なこともあります。

行く神社を決めたら、事前に確認しておくと安心です。


赤ちゃんの着物


無地の一つ身の着物に、男の子の場合紋付ののし目、女の子の場合は友禅の祝い着です。

これを、赤ちゃんを抱いた人の肩から背中に回して結び、結び目にはお守りを下げます。

現代では、中に着る着物は省略し、ベビー服の上に祝い着をつけたり、ケープを羽織らせたりすることも多いようです。

レンタルもありますし、ママやパパが使ったものが残っていないかを確認してみてもいいでしょう。

また、着物ではなく、セレモニードレスなどでもかまいません。


ママやパパの服装


両親や親族も、スーツやワンピースなどの洋装で大丈夫です。

特にママが母乳育児をしている場合は、和装にこだわらず、無理のない服装を優先してOK。

神様へのお参りであることを意識し、きちんとした服装であれば問題ありません。

ママの靴は、ヒールの低いもののほうが安心です。

まだ体調も戻っていない時期ですし、神社には階段なども多いため、赤ちゃんを抱っこして歩くことを考慮した服装を選んでください。


当日の荷物


お宮参りが、産院以外への初めてのお出かけになることも多いので、持ち物のほか、おむつ替えや授乳の場所などもしっかり考えて、赤ちゃんとの外出をシミュレーションしておくといいでしょう。

お宮参りだけでなく、その後記念撮影や食事をするような場合は、長時間の外出になります。

着替えやおむつ、ミルク、タオルなど、必要になりそうなものは余裕をもって準備しましょう。

おむつ替えや授乳は神社に所定の場所があるのか、ない場合は近隣にあるのか、車などでするのかなど、考えておくといいですね。


赤ちゃんを抱っこするのは?


古くは、出産の忌みを意識して、母親は参拝しなかったそう。

そのため、父親側の祖母が赤ちゃんを抱く習慣があります。

現代では、家族そろってお参りするようになっているので、ママが抱いて問題ありません。


手水(てみず)の作法、参拝の作法


神社に着いたら、ご祈祷や参拝の前に、手水(てみず)を忘れずに。

手や口を洗い清めることは、禊(みそぎ)を簡略化したものです。

1.右手で柄杓(ひしゃく)を持って水をくみ、まずは左手を清める
2.柄杓を左手に持ち替え、右手を清める
3.再度、柄杓を右手で持ち、左の手のひらで水を受けて口をすすぐ
4.左手を清める
5.柄杓を縦にし、残った水で柄杓の柄を清めて元に戻す

参拝の仕方は神社によって異なる場合もありますが、基本は、「二拝二拍手一拝」です。

1.神前に進み、姿勢を正す
2.深いお辞儀を2回する(腰は90度、背中を丸めないように)
3.胸の高さで両手を合わせ、右指先を少し下にずらし、2回拍手を打つ(両手を開くのは肩幅程度)
4.ずらした指先を元に戻してから、もう一度深いお辞儀をする

ぜひしっかりと覚えて、お子さんが成長したら教えてあげてくださいね。


参考:春日神社「初宮詣・お宮参り」

参考:伊勢神宮「参拝の作法とマナー」

マナーを知って、お宮参りに行きましょう


お宮参りについては、地域や神社によって作法が異なります。

初穂料の相場やマナーなど「難しい!」と思うかもしれませんが、その土地の風習や、日本ならではのしきたり、パパやママの実家のやり方について知るいい機会でもあります。

昔ながらの形にとらわれすぎなくても大丈夫ですので、ぜひ、大切な行事を楽しんでみてください。


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