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公開 2020年07月24日  

シングルマザーでも“お受験”に挑戦できる!母子でのぞんだ中学受験物語

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シングルマザーだからと子どもの将来を諦めたくありません!4月から中学2年生になる長男とわたしが行った中学受験対策から合格までの歩みと現在をお話しします。


中学受験する?しない?


我が家が中学受験を意識したのは長男が小学5年生の時でした。

きっかけは、年子である息子たちの関係性が気になったからです。

我が家の次男には軽度の発達障害があり、長男は弟のサポートを家だけでなく学校でもしてくれていました。

どこに行っても「○○のお兄ちゃん」として気を張る長男を見て、「窮屈な思いをしているのではないか?」と心配していたのです。

「次男のお兄ちゃんとしてではなく、個人が尊重される環境にしてあげたい」

そのために考えたのが中学受験でした。

まず長男に中学受験を打診しましたが、長男は「みんなと同じ公立中学校に行きたい」と言っていましたので、その時はそれ以上説得するようなことはしませんでした。

しかし、この選択は1年後に長男自らの言葉によってひっくり返されることになるのです。


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長男からの中学受験の申し出が!


長男が6年生になった春、突然「受験したいんだ」という申し出がありました。

理由を聞くと、「一級建築士の夢を叶えるために、行きたい大学があるから」ということ。

少し前までは受験しないと言っていた長男でしたが、その言葉からは強い意思を感じることができました。

親としてできるだけのサポートをしたいと思い、まずは受験対策ができる塾を探すことから始めました。

通常、中学受験をする際にはなるべく早いうちから受験対策校に入校します。

わたし自身は、この時期の入校は少し遅いのではないかと考えていました。

この頃の長男は5年生の春から通っている学習塾で週2日、英語と数学を学んでいました。

受験対策校に通うことになれば、更に週2日塾に通うことになります。

長男にそのことを話すと、「今の学習塾はやめたくない。週4日の塾を頑張る!」との回答だったので、学校のクラブ活動がある水曜日を除いて平日は毎日塾通いの生活がスタートしました。

受験対策校を選択する際は、長男自身が「ここがいい!」と思える塾でないと意味がないと思ったので何校か体験に行きました。

その中で、長男が自分で通える距離であること・長男がわかりやすいと思えることを最優先とした塾に決めました。


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長男の遠慮


我が家は母子家庭であり、金銭的に余裕はありません。

そのせいもあってか、長男は最初、受験対策校に入校することを遠慮していました。

それまでも、スポ少やそろばん・習字など他の習い事がやりたくても自分から「やりたい」と口に出してこなかった長男。

わたし自身、シングルマザーなので子どものために働かなくてはいけないという思いがある一方、「子どもがやりたいと思っていることを我慢させてしまっているのでは?」と申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

そのため、自分からやりたい!と話してきた中学受験だけは諦めてほしくなかったのです。

「あなたは何も心配しなくていい。自分でやると決めたなら頑張ってみなさい」

そう長男に伝えると、笑顔で「ありがとう!頑張るよ!」と喜び、長男は受験生活をスタートさせました。


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中学受験にかかった費用とその捻出方法


いざ受験生活が始まれば、現実的な金銭問題と向き合わなければいけません。

受験費用は受験対策校が月約2万円、普通の学習塾が月1万4千円、計3万4千円という金額が毎月かかりました。

そのほかに長期休みには特別講習があり、夏季・冬季ともに4万円程度の出費がありました。

この費用をどう捻出するかがわたしの腕の見せ所です。

我が家は母子家庭のため、通常の児童手当の他に児童扶養手当や就学援助などの助成が受けられます。

しかし、それらは子どもたちの学資保険に積み立てとしているため、当てにはできません。

まず、最初に考えたのは働く時間を増やすことでした。

日勤の事務職を終え帰宅後、夕飯を済ませてからコンビニアルバイトを始めました。

しかし、夜に出かけるわたしを心配した長男が帰宅するまで起きて待っていたので早々に断念しました。

長男のために仕事をしているのに心配をかけてしまっては意味がないと感じたからです。

そこで、在宅でできる仕事を探すことに。

在宅でできることは何だろう?と考え、パソコンを使って何かできないかと調べました。

アンケート回答や商品レビュー・モニターなどわたしにできそうなものは挑戦してみました。

その中で、いちばん収入に繫がったのはwebライターです。

webライターとは、ブログなどの記事を自宅でパソコンを使って書き、納品することで収入を得る仕事です。

最初は右も左もわからず、月1万円を稼ぎ出すのも至難の業でした。

元々、文章を書くことは好きだったので慣れてくると、平均して2~3万円前後を稼げるようになりました。

このお金を長男の受験までの費用として利用しました。


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受験当日、その日までの三人四脚


中学受験をすることになり、我が家は親子でよく話し合うようになりました。

お互いの話を聞き、受験に向かって足並みを揃えて進むことで、わたしは母としてできる金銭面での不安解消や長男の体調管理を頑張り、長男はとにかく学力向上第一で受験日までを過ごしました。

次男は家のお手伝いを頑張ってくれ、長男の受験勉強をしやすい環境作りに協力してくれました。

まだまだ小学生、遊びたい気持ちがあるはずですが、長男は夏期講習や直前冬期講習も積極的に参加しました。

そして受験日当日を迎えたのです。


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受験日当日


受験日当日。

親のわたしが長男より緊張してしまったのは今となってはいい思い出ですが、実はとんでもないミスをしてしまったのです。

受験対策校や小学校の先生から、「服装は普段通りでいい」と言われていたわたしたち親子。

それを信じて、いつもと変わらない普段着で受験会場へ向かいました。

しかし、会場へ向かうと周りの子どもたちはスーツやカーディガンにネクタイ・黒ズボンなどのキッチリした服装だったのです。

「やってしまった…。これで受験失敗したら私のせいだ」

と思いながら筆記試験後の面接終了までを一人、車の中で悶々と過ごしました。

面接終了後、車へ戻ってきた長男に「お母さんのリサーチミスです。申し訳ない」と素直に謝ったわたし。

しかし、長男は「普段着だったからあまり緊張しなかった!面接では周りの人たちが小さい声だったから大きめに声張ってきたよ!」
と子どもながらに気を遣ってくれました。


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そして…結果発表


受験結果が発表されるのは受験日の1週間後。

それまではあまり気にしないようにして過ごしてきました。

結果は郵便での通知でしたので、発表当日は自宅で配達員が来るのを今か今かと待つ時間がとても長かったです。

受け取ってからも開封する勇気がなかなか出ず、深呼吸してからやっとの思いで開封しました。

結果は合格。

「3人で頑張って本当によかった」と、思わず安堵の涙が出ました。

その時子どもたちは塾に行っており不在でしたので、わたしが涙を流したことは今でも秘密にしています。

塾から帰宅後、長男は合格の通知を見て今までにない笑顔を見せてくれました。


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入学してから現在


合格発表から短期間でのバタバタとした入学準備を終え、無事に入学。

学費や入学準備用品費に関しては、就学援助の利用や、相変わらず行っている副業で賄いました。

制服や体操着・上靴など総額は約15万円。

塾の費用は年30万円。

学費は年20万円程かかっています。

けれでも、毎日楽しそうに学校や塾へ向かう姿を見ていると、もっと頑張らなければ!と勇気をもらいます。

子どもたちに負けないよう、わたし自身も本業で使える資格を取得したり、更なる生活向上のため在宅での副業を増やしています。

頑張る母の姿を見て子どもたちに「目標をもって頑張ることの大切さ」を学んでくれたらいいなと思っています。

4月からは次男も中学生。

それぞれの学校で自分らしさを忘れずに目標をもって取り組んでほしいと思っています。


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※ この記事は2024年03月09日に再公開された記事です。

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