ただのイヤイヤじゃないかも。君の気持ちを、丁寧にすくいたい＜第三回投稿コンテスト NO.118＞

私の娘、あーちゃんは2歳半です。

共働きなので、平日は保育園に通っています。

休日はたいてい、親子一緒にどこかへ外出しています。

ある日も休日を子供と過ごそうと思い、私は あーちゃんと2人で動物園へ出かけました。

その動物園は、小動物がメインで敷地は小さめ。

しかし芝生の広場があったり、モルモットを抱っこできたり、ミニ遊園地があったりするので、小さな子連れで行くにはうってつけです。

我が家は、半年に一回ほどの頻度で訪れていました。

同じ場所に行くのでも、成長段階に応じて楽しみ方が変わりますよね。

0歳の頃は、芝生に敷いたレジャーシートをハイハイした あーちゃん。

1歳になると動物たちを指差しし、1歳半頃には歩いて好きなところに行けるようになりました。

2歳になると、モルモットをお膝に乗せるのが大好きに。

母である私も、今度はどんな過ごし方ができるかな？とワクワクし、毎度新しい娘の「できた！」を見せてもらっています。

そして今回、2歳半になった あーちゃんは、ミニ遊園地コーナーに釘付け。

すばしこくあっちやこっちへ走り回り、「これも のりたい！」と、人生初のメリーゴーランドやゴーカートを楽しんでいました。

夕方になり、帰り道。

あーちゃんをバギーに乗せ、道路脇の歩道を押して歩いていた時のことです。

私は、「あーちゃん、楽しかったね！」と声をかけました。

ところが、あーちゃんは「楽しかったじゃない！！」と言うのです。

明らかに楽しんでいたと思うのに…。

「楽しかったでしょ？」

「楽しかったじゃないの！！」

あーちゃんは、全然違う！と体全体で表します。

あーちゃんはイヤイヤ期真っ盛り。

普段から、何を言われても、ご機嫌が悪いと「イヤ！」と答えたり「ママきらい！」と言ったりするので、手を焼くことも、悲しくなることもあります。

「あーちゃん、楽しくなかったの？ママは楽しかったけどなぁ。」

「楽しかったじゃないの！！」

せっかく連れてきたのに帰りはこうなっちゃうのかぁ。

まぁ仕方ない、楽しそうにしていたから、それで良しとしよう。

そんな風に諦めようとしていた時のこと。

あーちゃんは こう言ったのです。

たのしかったじゃないの！たのしいね！！

と。

ママ、たのしいね！！！

あーちゃんは、とっても楽しそうな笑顔を私に向けて、両手を広げて言いました。

ここは帰りの道。

道路脇の普通の歩道。

乗っているのはいつもの座り慣れたバギー。

遊園地が楽しかったんじゃない。

ママと一緒にお出かけしたことそのものが、特別で、楽しいんだよ。

あーちゃんは体いっぱいで表現してくれました。



あーちゃんは2歳半。

あーちゃんはイヤイヤ期真っ盛り。

あーちゃんは言いたいことがうまく言葉にできないと、言われたことを否定形にして言い返しちゃう。

ママは あーちゃんに否定されて、悲しい時もあるよ。

でも、あーちゃんがもっともっと 言いたいことを言葉にできるお姉さんになったら、あーちゃんの素敵な世界を、ひとつひとつ、ママに教えてね。

お話が上手になるように、いっぱい、お話しようね。

そう思えた、ステキな1日でした。



（ライター：青山さとみ）