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公開 2020年02月08日  

育児ダメダメな日に気づく。余裕ある日の言葉が、子に届いてること<第三回投稿コンテスト NO.110>

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2人育児に突入し、お風呂や寝かしつけも難易度があがってきたという、ぎゅぎゅ子さん。小さなイライラがつのって疲労ピークだった、ある日の寝かしつけのお話です。



はじめに私の自己紹介をさせてください。

三姉妹の長女で、人の面倒を見るのが好きでどちらかというとおせっかいな性格。

子どもが好きだから子どもを相手にした仕事をしたいと思い、幼稚園に就職し、大変ながらも仕事にやりがいを感じていました。

学校で得た知識と保育の現場のさまざまなタイプの親子関係を見ているうちに、やはり幼少期の保護者との繋がりの大切さを痛感し、出産を機に退職しました。

わが子は、よく食べよく寝て、比較的育てやすい子だったと思います。

余力があったので興味があったベビーマッサージの資格をとり、毎日オイルでマッサージをしました。

張り切って区の行っている母親教室には週1で通い、子育ての情報交換を積極的に行いました。

あまり料理が得意でないため、離乳食作りがつらかったですが、上手くBF(ベビーフード)を利用しつつ無理なく子育てを楽しんでいました。

そんな私のイメージとしては、鼻の下ポリポリしつつ、「ま、子育てが向いてるっていうか」「中学時代の将来の夢、『おかあさん』だったんで」とドヤ顔炸裂マンでしょうか。

一人めが1歳9ヶ月のころ、二人めの男の子を出産しました。

下の子はよく泣き、ハイローチェアなど早々に嫌がり、抱っこが大好きベビーでした。

眠りが浅く、夜など添い乳から抜けようとする気配で泣いちゃう子なので、一人めとこんなに違うものか?!と驚きました。


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しかし、そこはそれぞれ個性だものねとどっしり構え、よく聞く上の子ファーストで上の子優先に徹したからか、赤ちゃん返りがあまりなく助かりました。

また、母親の私のメンタルがやられないよう意識して、いかに楽をするか、いかに手を抜くか、先人の知恵をTwitterなどでいろいろ拝借しました。

楽しく生活できるなら夕飯食べずに寝ちゃってもいいし、眠くてグズグズするなら明日の朝お風呂に入ればいいし…2人目はほぼ毎日BF祭り!

育児は育自、ゆとりが大事。

ところが、ところが。

そんだけゆるゆるに無理ないように生活していても、「あ~もう!」となる時がきます。

それもけっこうな頻度で。

旦那さんは仕事が忙しく、平日は2歳3ヶ月と6ヶ月の兄弟と朝から晩までワンオペ。

体力がついてきて寝なくなった上の子は、夜の寝かしつけの添い乳をするタイミングでさみしくなり、眠くなり、グズグズしてしまいます。

それに手こずり、燃え果てて一緒に寝落ちする日々でした。


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その日も大きくはない些細な嫌なことが続きました。

下の子は目を離した隙に私の汁物お椀をひっくり返して椅子を濡らしたし、上の子は風呂場で「おしっこ!」と宣言したので、みんなで全裸のままトイレへ移動しました。

風呂上りのお茶を飲むタイミングで突然前に着ていたパジャマを思い出し、それが着たいと大泣きし、私がすぐ分かってあげれず余計怒り狂いました。

20時には義実家からクール便が届いて髪の毛をタオルでくるんだまま対応したのにもイライラし、いつも嫌がる最後の仕上げはみがきは、今日は一段と強く断固拒否してきました。

そういった幾多の障害を乗り越え、やっと寝かしつけポジションで添い乳をする頃にはすっかり私はぐったり。

布団に入った時点で体も脳も疲れて、もう寝たい。

いうなれば仕事は終わり、本日のママ業務は閉店ガラガラ。

しかし残業は続く。

天井にうつる系シアターをつけ、10分お話が流れるうちに下の子を寝かしつける算段なのですが、下の子、私、上の子の順で寝ていると背後の上の子が私の背中に向かって訴えます。

「手つないで!」

「オッケー、ネズミの声で話してね」

下の子が寝れるよう、ヒソヒソ返しつつ、母の体はリレーのバトンを渡すポーズのような、体は前(下の子側)を向いているけど、ノールック体をひねり無理やり後ろを向いているような、無理な体制を強いられる。

それでも「もう一個(の手)も」「やさしいやつ(トントンして)」と注文がやまない。

寂しいのはわかる、でもおっぱいだけは下の子から取り上げられない。

下が寝たら、自分の番。

これくらい分からんか?

閉店したママは心が狭くなる。

「手もつないで」

「手もつないでるよ」

そういう日にかぎって、わかっているのか下の子もなかなか寝ない。

そしてなにやらまだ上の子はモショモショネズミの声で話している。

最近布団に入ってからお茶を欲しがるので、さっき飲んだしさすがにお茶要求は怒るぞと思いつつ、そっとモショモショを聞いてみると

「パパトママノタカラモノチャンオヤスミ」

あ、それは旦那さんがいて余裕がある日の、ママ業務全開で寝かしつけする時のお決まりのセリフ。

「パパとママの宝物ちゃん」

意味はあんまり伝わってないかと思っていた、両親のおふざけ欧米モードの言葉だったんだけど。

伝わってたの?

え、いま自分で自分に言ったの?

私に言ってくれたの?

知らない間に彼のなかで寝るときのおまじないになっていたことを知り、なんだか分からない涙がぶわっと出た。


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泣いていることがばれないようにしつつ「パパとママの宝物ちゃん、おやすみ」と頭に向かってささやくと「え?!なに?!」ばかデカい声で聞き返された。

思わず「ネズミの声でしょ」と責めるが時すでに遅しで下の子もビクッ!と驚きギャン泣き再開。

あー、もう~と思いながら、本当によく分からない涙が止まらない。

何度こうやってごめんねと泣くだろう。

何度ふがいないなあと泣くだろう。

楽しくやりたいだけなのに、ちっとも思い通りにはならないヤンチャ困った兄弟め。

知らない間に2歳と半年になっているけど、いつまでこうやって一緒にみんなで寝れるだろう。

やっぱり老後に子育て時期に戻りたくて泣きなくなるのか。

てか、夜に泣いちゃう人ってだいたい世界中の子育て真っただ中ママなんじゃないの。

うちの親も三姉妹育てて泣いた夜もあったのか。

泣きだすといろいろついでについでに、と感情が湧き出てくるから、なかなか止まらない。

自分と家族と世界と過去と未来に翻弄されて、なぜ泣く私。

そして2人につられて上の子も泣きだした。

もうなんとでもなれ、今日は本当にダメな日だからごめんよ。

早く寝てね。

明日は元気に遊ぼうね。

ひとまず、寝て。

泣きながら切実に願った、最高にエモくてなんとも言えない思い出です。



(ライター:ぎゅぎゅ子)




※ この記事は2024年04月20日に再公開された記事です。

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