2019年の2月に生まれた息子けーちゃん。
ボクが父親として感じた「最大のエモストーリー」を紹介する前に、話はけーちゃんが生まれる前に遡ります。
長年の遠距離恋愛の末に籍を入れ、その後まもなく妊娠が発覚したボクたち夫婦。
嬉しいニュースの連続に舞い上がっていました。
しだいに大きくなる妻のお腹を見るにつれ、「もうすぐ父親になるんだ」という期待も膨らんでいきます。
妊婦として過ごす妻をできるだけサポートしながら我が子に会える日を心待ちにしていました。
そしてついに待ち望んだ瞬間がやってきます。
大きな声で泣いて産まれてきた我が子を抱いたときにいろんな想いが高ぶり、自然と涙がこみあげてきました。
驚いたのがその重さ。
3,600gで世に出てきた我が子の重いこと重いこと。
妻はこの子を10ヶ月間そのお腹に入れて過ごしてきたということに軽い衝撃を受けました。
そしてボクは少し勘違いをしていたことに気がつきます。
数ヶ月前、大きくなる妻のお腹をながめながら「いずれ父になる」とボクが心おどらせていた頃、すでに妻は母親としてしっかり息子を育てていたのでした。
義両親に助けられながらも、新米両親は初めての子育てに翻弄されます。
はじめてのオムツ替え、はじめての寝かしつけ、はじめてのミルクゲロ…
いろんなはじめてに戸惑いながら少しずつボクたちも親として成長していきました。
しかし、夜中の授乳はどうやっても対応できず、妻に任せっきり。
完全母乳だったこともありボクの出る幕はそもそもないのですが、どうしてもこどもの泣き声に気がつけず、熟睡。
毎朝、寝不足の妻に対して申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
知り合いの先輩ママパパの体験談や、SNSにあふれる育児レポを見聞きする度にいかに世の母親が大変なのかを痛感します。
息子が生まれる前からしっかりと母親をしていた妻に対して自分は父親をしっかりこなせてるのか自問の日々でした。
8ヶ月くらいになって人の区別がつくようになってきたけーちゃん。
抱っこしてくれる人を選り好むようになりました。
そんな中で妻の腕に抱かれていたにもかかわらず、自分に手をのばして抱っこをねだってきました!
ボクはしっかりとこの子に父親として認めてもらえている。
自信を持ってこの子の父親として胸をはらなくてどうする!
なんともいえない感情が一気に高まりました。
この時は産まれてすぐに抱き上げた時と同じくらいの感激です。
1歳が目前となった今、できることが1日ごとに増えていく様子はエモの連続です。
きっとこの先も沢山の感動をわたしたち夫婦に届けてくれると思います。
そのなかでボクが父親として最も感動したエモストーリーはこの子供に認めてもらえた瞬間でした。
(ライター:ささきさきじ)