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「言葉が遅い」に焦る気持ちは、新米母の自信のなさの表れだった。

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「とにかく早くお話ししてほしい」
私はどうしてあんなに息子の言葉が聞きたかったんだろう、そしてどうしてあんなにアイツは話さなかったのか…。


10歳の息子は今日も騒々しい

今現在10歳の長男は、朝枕から頭が上がると当時に

「おかーさん!世界で一番大きい生物は何か知ってる?」
「おかーさん!TPPって何の略?ハイ言って!ハイ言って!」
「おかーさん!ギガントピテクスって何で絶滅したと思う?」

脳にホップアップした情報をそのまま口から流し続ける生き物で、平たく言うと、相当煩い。

おばあちゃんなんかがよく話す一般論に

「女の子はよく喋るでしょう~男の子は全然話してくれないわよね~」

というものがあるけれど、ウチには全然該当しない。

この兄に比べたら絵描きと読書が好きな8歳の長女の寡黙なことよ。


しかし、そんな長男の話し始めは遅かった。

会話成立までの道のりも長かった。

今回は待てど暮らせど話さなかった長男との日々をつづりたい。

因みに、上記質問の解答は「オニナラタケ・環太平洋パートナーシップ協定・パンダとの食料争奪戦に負けたから」です。

「早い成長」がよりどころだった

長男が1歳6ヶ月を迎えようとしていた当時、私は焦っていた。

地域の1歳半検診が迫っているというのに、息子が全く話をしてくれないのだ。

話というか、単語自体が出ない。

発語というものが無い。

手元の育児本によれば「1歳ごろから喃語が『ママ』『パパ』という意味のある単語となり、大体1歳6ヶ月ごろから二語文を話しはじめます」という事なのに。

この時、私はこの本の「言語発達は個人差の大きいものです、焦らずおおらかな気持ちで…」という次の文章は完全に読み飛ばしていた。

何なん、この子大丈夫?

これでは確実に1歳半検診でひっかかってしまう。

私は長男に兎に角はやく話してほしかった。

何故かと問われれば、理由は2つある。

まず、自分に話し相手が居なかったからだ。

「それ触っちゃダメ!」
「はーしーるーなー!」
「ママおこるよ!」

まだ一人っ子で、元気ハツラツな1歳児の長男にひたすら注意喚起と叱責を繰り返す毎日。

唯一の成人同居家族の夫は夜いつ帰って来て、朝いつ出て行ったのか、判然としない。

作り置きの食事が無くなっていることが

「よし、生存確認!」

という有様の生活。

だから私は、日常のちょっとしたことを

「今日はお天気がいいねぇ」
「あそこのスーパーのキャベツ2玉で198円とか意味わからへんよな?」

という世間話にそうだね~そうかもね~くらいの返事をしてくれる相手が欲しかった。

2つ目は、第一子に込めすぎた期待と自己満足と、私個人の自己顕示欲。

早く大きくなること
早く単語を発すること
早く二語文を話すこと

何しろ毎日子ども一人しか向き合う相手がいないので、評価指標がそこにしか無い。

確実な、むしろ少し早い位の発達発育の階段を上ってくれる事、それこそが『ちゃんとお母さんをやれている事』なんだと思い込んでいた。

ホラ、ウチの子はこんなに話すのが早いんですよ、もう二語文で話しますよ。

という順調な発達と発育で周りから評価されたかった。

それが発語の遅れ、発語の遅れで地域の検診に引っかかるなんて本気でやめてほしい。

そう思っていた。

失意の1歳半検診

そして挑んだ1歳半検診。

息子は保健師さんが発達を見るための面談で当然、ひっかかった。

保健師さんから息子に向けられたすべての質問にそっぽを向き、渡されたクレヨンを放り投げ、型はめ遊びを促されて個室から遁走をキメ込んだのだから、当然といえば当然だ。

保健師さんは、廊下に飛び出た息子を抱えて戻ってきた私を別室に案内し

「すみません、いつもはこんなんじゃないんですが」

軽く大嘘をつく私に、とてもやさしく

「お喋りは個人差が大きいから」
「長男君はせまいお部屋がちょっと嫌だったかな?」

ニコニコと話しかけ、いつも絵本を沢山読んであげているの?

いいわね~興味のあるものを沢山読んであげてね、あとは本人が指差ししたものをいろいろ説明してあげるといいですよ。

色々とアドバイスをしてくれた。

そして

「今後の発達の様子を見させてほしいので、また数か月後のこの日に来られますか?」

小さな紙を渡してきた。

『発達相談』

かなしい。


私はその日、本気で肩を落として俯いたまま保健センターを後にした。

そしてその日から、長男が興味のある本、といえば『のりもの図鑑』『新幹線』『特急・在来線図鑑』なのだけれど、それをひたすら経本のごとく読み聞かせたものだった。

結果、この数か月後に初めて明瞭な発音で言葉にした単語、それはパパでもママでもなく

「ひかり!」

であった。

東海道新幹線。

この記事を書いた人
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きなこ

11歳ADHD・DCD男児、9歳ハイパーマイペース女児と
心臓疾患の2歳児の母をあまりがんばらないでやってます。

Twitter:日々の事と大体こどもの...

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