子どもが10ヶ月の頃、積み木をするようになった。
ひとつひとつ、積み木をかじったり、じっと見たり、投げてみたり、吟味する。
持ったまま首をかしげ、考え込む。
気が向けば積んでいく。
つみきあそびでサンドイッチ?子どもの自由な発想が教えてくれたこと<第三回投稿コンテスト NO.78>
8,762 Viewつみきあそびが大好きな息子さんがいるyakinikuさん。息子さんの自由な発想に、深く感動したというエピソードを綴ってくれました。
最初の積み木は崩すだけだった。
私が積み上げる小さなお城は、輝く笑顔に見つかっては、勢いよく散り散りになった。
いつしか私も夢中になって積み上げていた。
たくさん買い与えた(そんな予定はなかった)おもちゃが散らばる部屋で、子どもは縦横無尽にハイハイする。
子どもに意識を配りながら、城の場所を思案しては、こっそりと積み上げる。
でも崩れるときは親も子も笑っていた。
子どもが積み木を積み上げるようになったときには、言葉にしきれない感動があった。
もう、まずは積み上げるのがすごい。
えっ 指先で器用に持ってる!!
上に重ねられるようになったの?!
崩れたねー!
またチャレンジするんだ?!
すごいね、すごいね。
何をして見せてくれても、嬉しかった。
「すごいね」の言葉に子どもが拍手をするのも可愛かった。
そんな中で、ひとつ、負けたなと思ったことがあった。(勝負ではないが)
それは、子どもの積み木のその先だ。
子どもの積み木は自由だった。
子どもは積み木だけを重ねるのではなく、ボールも、ぬいぐるみも、私の手も何でも使った。
何でもサンドイッチだ。
サンドサンドサンド!
柔らかいぬいぐるみに乗った四角い積み木を見ながら、こんなことをしてもいいのか!と思わされたというか、衝撃をくらった。
私にとっての積み木は、その場にあるパーツで作品を創るものだった。
無意識にそう思っていて、でも子どもにとっては違った。
何かの形ができるようで、でも形にならないような、そんな物体が常に更新されていく。
色んなものを重ねて、ななめや横向きでも平たくてもいい。
自由な子どもは積み木を重ねる。
思えば、子どもが積み木を握って重ねたあの日から、それを喜んだあの日から、私は子どもに深く感動するようになった気がする。
子どもから学ぶことがある。
私にはない発想がある。
子どもは私とは違う人間だ、と改めて思った。
今では当たり前のようにできるようになった積み木。
子どもに初めて渡したそれには、ひときわ噛み跡がついている。
(ライター:yakiniku)
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