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壮絶イヤイヤ期の娘がサンタに願った、たったひとつのこと<第三回投稿コンテスト NO.69>

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富クルーズさんの娘さんは4歳。2歳から今まで、激しいイヤイヤ期が続いているそうです。
そんな親子にさらなる試練が…。


やさしい子に育ってほしい。

そんな思いで生まれてくる子に「優」の字を入れた。

ところが、である。

当時二歳。

気づけば娘は一日中泣いていた。

ごはん、イヤ!
トイレ、イヤ!
お風呂、もっとイヤ!

イヤイヤ期の娘に、イライラ期の私。

「もうイヤ!」と娘。
「ママだって、もうイヤ」と私。

こんなことを繰り返すうち今度はこだわりという名の珍ルールが出現。


かたづけはしないけどイイコイイコはして。
おふろは入るけどオシリしか洗わない。
トイレは行くけど座らない。
ザルじゃないとご飯食べない。

理不尽極まりない。

魂消し飛ぶレベルである。

だけど相手は子ども。

こちらがうまく対処しないと。

そう思って「ママがイライラしない本」を買った。


ところが、である。

干支の読み聞かせをした時だ。

「カエルどしに生まれたかったあ」と娘が泣き出した。

その後泣きわめくこと一時間。

娘はふんぞりカエル。
夫はあきれカエル。
私は腸がにえくりカエル。

たまらず

「いい加減にしなさい!」

と一喝。

当然そのあとは自己嫌悪。

子育てってむずかしいなあ。


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だけどそんな娘に世間はやさしかった。

電車でワンワン泣けば、アメ玉をくれるオバちゃん。

わざわざ席を譲ってくれたおじいちゃん。

いないいないばあをしてくれた少年。


みんなみんな、やさしかった。


それなのに、娘は「いやだあああ」と泣き続ける。

これでも成長してるのかしら。

「イヤ」の変遷をたどってみる。

2歳0ヶ月「イヤ」
3ヶ月後「イヤだ!」
半年後「イヤイヤイヤだー!」

うーん。これって成長?
いや、むしろ余計に手がかかるような。


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そんなイヤイヤ期を経て、娘が四歳になった時のこと。

娘を連れてデパートに行ったときだった。

「ねえねえ、サンタさんから何ほしい?」
「これ!」

娘はすかさず目の前の自転車を指さした。

見ればダイヤのような石が散りばめられている。

しかしダイヤよりまぶしいのが値段であった。

その額、なんと3万9千円!

主人のおこづかいを返上してもどうにもならない額だ。

このままではマズい。

なんとか折り合いをつけなければ。

私は躍起になった。


「サンタさん、そんなにお金ないよ」(事実)

「こっちの方がかわいいよ」(8千円の自転車)


しかし娘は「ヤダ!」の一点張り。

終いには「うるさい!ママはサンタさんじゃないんだからだまってて!」と怒られてしまった。

こうして交渉は見事に決裂。

仕方なく資金繰りのため、娘のオモチャや夫の服をオークションに出品。

しかし待てど暮せど買い手は現れない。

「イイネ」はつくのに「いい値」で売れず、いよいよ窮地に。


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そんな時、私たちをさらなる悲劇が襲う。

それは夫のガン発覚。しかもステージ4aのすい臓がん。

途端に目の前が真っ暗になった。

娘はまだ4歳。押し寄せる不安の波。

脳裏に浮かぶ「死」の一文字。

たまらず夜中に家を飛び出し、公園で人目も憚らずに泣いた。

だけど泣きたいのは夫の方だった。

抗がん剤の副作用から四六時中痛みと吐き気に苦しんだ。

髪の毛はごっそり抜け落ち、頬はこけ、一目では夫とはわからない。

やさしい声だけが唯一夫であることを教えてくれた。


あれは12月22日のこと。娘がリビングでサンタへの手紙を書いていた。

毎年わが家のサンタは夫だった。夫はプレゼントに気づいた時の娘の反応を何よりも楽しみにしていた。

「来年からはお前、任せたぞ」

娘の方を見ながら夫が寂しそうに言った。

私もそんな夫に何も言えなくなった。

本当なら「何言ってるのよ」って言いたかった。

だけど言えなかった。夫のつらさ。夫の覚悟。

それを私は知っていたから。

その晩娘はサンタへの手紙を枕元に置いた。

わざわざ自分の靴下に小さく丸めて押し込んでいた。

おそらく誰にも見られないようにという娘なりの配慮なのだろう。

私は娘が寝たあとこっそり手紙を取り出した。

そういえば自転車を欲しがってたんだよなあ。

ああ、どうしよう。私を憂鬱が襲う。

だけど手紙を開けた途端、私は言葉を失った。


『サンタさんへ。どうかパパのびょうきがなおるおくすりをくださ い』


肩から崩れるほどの衝撃。

夫はそれを見てしばらく動けなくなった。だけど言った。

「まだがんばらなきゃな」と。

娘はやさしい子に育っていた。

そして生きる希望を私たちに与えてくれた。


(ライター:富クルーズ)


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