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公開 2020年01月23日  

立ち上がらないわが子に焦り…リハビリで迷いが消えた<第三回投稿コンテスト NO.65>

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娘が1歳になっても立ち上がらないことに焦りを感じていた「げそりん」さん。不安いっぱいのなか始めたリハビリで、かけられた言葉にハッとしたといいます。



現在、我が家には3歳の男の子と、1歳の女の子がいます。

長男は縦抱きが大好きで、寝返りを会得後すぐに膝立ちし、程なくつかまり立ちを覚え、つたい歩きとハイハイを同時進行で会得し、生後10ヶ月目前、はじめの一歩を踏み出しました。

一方、長女は寝るのが大好きで、寝返りをすっ飛ばしてお座りを覚え、そのまま尻バイをはじめました。

市の集団健診では「立つのが遅い子もいるから~」と言われ、先輩ママさんからも「うちの長女が歩いたのは1歳半超えてからだよ~」なんて話も聞いて、全く問題に思っていなかった私。

健診無料券を片手に訪れた小児科での「詳しく診た方がいいかも」という先生の言葉に驚きを隠せませんでした。


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その後、1歳になっても、1歳1ヶ月になってもつかまり立ちを始める気配がなく、専門のこども病院への紹介状が出ました。

「立たないくらいで、そんなことでこんなとこまで来て!」

と怒られるんじゃないか、いや、そんなことって私が思いたいだけなのかも。

大きな病院にいく恐怖と、「発達が遅い」焦燥と。

本当に必要?このまま待っていてもいいんじゃないか?でも…。

どうすればいいのか。

不安はつのり、思考はフリーズ。

これはマズイ、と思い義母に一緒に来て貰えるように頼み、はじめての受診日を迎えました。



受付の事務さんも、看護師さんたちもみんな優しく、初日で病院への恐怖はすっかり無くなりました。

診察は若い男性の先生が担当してくれ、私と義母から細かく話を聞き、丁寧に長女の診察もしてくれました。

家族や親類の既往歴も必要で、義母が来てくれて助かりました。

その日の検査は血液検査のみ。

そして頭部MRIと、腰部のエコー検査が決まりました。

予想外の大きな検査に、またも不安が積み上がります。

主人は至って冷静で、「先ずは検査をしなければ始まらない。後のことは結果を見てから考えればいいじゃないか」と前向きに考えてくれていました。

そうだ…必要だから検査をするんだし、もしそれで支援が必要だとわかればなるべく早いうちにはじめてあげたい!!

母の頭が、ようやく動き始めました。


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幸いな事にどの検査でも異常はみられず、リハビリテーション科で足の使い方の学習をしていくことになりました。

1歳児のリハビリって…??

興味が沸いた自分に、だいぶ余裕が出てきたのかな、なんて思っていました。

何より、長女のために手伝えることが出来ることが嬉しかったので、かなり気合も入っていました。

作業療法士の先生もとても優しくて、じっくりと私の話に耳を傾け、長女の観察をしたうえで日々やる課題を提案してくれました。

一日のうち数回、指示された体勢をとらす。

「それだけでいいんですか?」

訓練のようなものを想像していたのに。

「お母さん、焦らなくていいんですよ。」

先生の言葉にはっとなりました。

恐怖や迷いは解決しましたが、焦燥感は根強く残っていたことに改めて気付いたのです。

目頭が熱くなりました。

「出来ない日があってもいいんです。ゆっくり成長を見守っていきましょうね。」

見守って、導いてくれる人がいる。

感謝と、安堵と。

その日は笑顔で病院をあとにしました。


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リハビリの甲斐あってか、長女は大嫌いな歯磨きから逃れるために突然寝返りをマスターしました。

「すごい!すごい!」

泣きながら起き上がる長女を、抱っこして沢山褒めました。

成長が見えたら、泣くかも。

そう思っていましたが、笑うことが出来ました。

次の診察で寝返りを報告すると、担当の先生も、その場にいた看護師さんたちも、長女をたくさん褒めて、そして喜んでくれました。

一緒に笑ってくれる人がいる。

とても嬉しかったです。

まだ長女は立ち上がらず、通院は続いています。ただゆっくり成長しているだけなのか、それともまだ明らかになっていない理由があるのか、今の時点ではわかりません。

急に不安になったり、焦ってしまったり。

なかなかどーんと構えたお母さんにはなれませんが、たくさんの人が長女を見守り、応援してくれています。

抱え込んで悩まず、いろんな方の力を借りていいんだ、と思うようになりました。

これからも、毎日を笑顔で過ごしたいと思っています。


ライター:げそりん


※ この記事は2024年03月23日に再公開された記事です。

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