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公開 2020年04月04日  

母も大泣き。一緒に泣いてくれた子が、完璧な親じゃなくていいよと教えた

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親になり、強くあらねば!と無意識に構えてしまい、泣く機会もすっかり減っていた私。でも先日、子どもの前で大泣きしてしまった日があったのです。


ヤンチャな次男にクタクタな日々


子どもにはそれぞれ、個性があります。

3人いる子どもの中で1番ヤンチャな年中の次男は、ヒーローごっこが大好きなザ・男子。


感情表現豊かな次男は、3人の中で唯一、イヤイヤ期にはスーパーで大の字に寝転んで大泣きするアレをやりました。


声が大きく通るので、次男が愚図ったり怒ると、店内では視線が集中。

喜びを素直に全身で表現するので道行く見知らぬおばちゃんにも好かれ、また泣くときには地面に響くような声で驚かれる天真爛漫な次男。


ある日「鼻の穴に何か入ってる」と言いながら30分間とろうと格闘しているので、「気のせいじゃないの?」と声を掛けたら、本当に白くて丸い塊が出てきてビックリしたことも。

次男曰く、「床に落ちていた物を拾い、鼻の穴に入りそうだと思ってので入れてみた」そう…。

何て突拍子もないことをするんだろう?と、しばらくドキドキしたものです。



最近では、夕方になるとのソファの背もたれや椅子から飛び降りて、忍者の修行中。

まるで子犬のように素直で元気いっぱいの彼に、30半ばの私はグッタリ…。



でもそんな次男に、実は一番助けられていたりもします。


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久しぶりに本気で泣いた夜


ある夜、私は妹に家庭内のとある相談をして、言い合いになってしまいました。


普段は仲良し姉妹なのですが、家庭のことは当事者にしか分からないことも。

妹は私のことをとても心配してくれていましたが、電話を切った後、私はつい泣いてしまいました。



泣くなんて、ほんとうに久しぶり。

親になって、「子どもの前では泣いてはいけない、弱気になっている姿を見せてはいけない」とずっと気を張っていたのかもしれません。

自分の感情を自由に表現したり、自分の気持ちに素直になる機会も減っていたように思います。

弱気になっても、しっかりしなければと、素の感情にフタをしてしまうこともしばしばあります…。



ひさしぶりに泣いて、はずみがついたせいなのか、気がつくと私は子どもたちの前で声を出し、思いきり泣いていました。

それほど私も、我慢ができなかったのです。


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一緒に泣いてくれる人がいるということ


急に声を上げて泣き出した私を見て、小学生の長男は黙って頭をなでてくれました。

末っ子の2歳長女は、私が彼女にいつもするように、「だーいじょーぶ、だいじょーぶ~」と言いながら、小さな腕で抱きついてくれます。

その優しさに包まれ、温かい気持ちになりながらも、まだ私は泣いていました。



次の瞬間、次男が大声で泣き始めました。

うぇぇぇーん!えぇぇぇぇーん!うわぁぁぁーーーん!!

まるで私に合わせるかのように、しかし本気泣きで、私以上に……。



驚いた私は、つい、笑いが。

そして、直前まで悲しいやら、悔しいやら、言葉にならない負の感情でグチャグチャだったのに、全て吹き去り、気づくと次男を抱きしめていました。

「ごめんごめん、泣いてごめんね」と言いながら、すっかり元のママの顔になった私。

するとママー!と言いながら、次男は抱きかえしてくれます。



それまで、私は知りませんでした。

一緒に泣いてくれる人がいるということが、こんなに嬉しく、心強いということを。

こんなにも心を温めてくれるんだと。

私にとっては、新たな発見。


次男がそれを教えてくれました。


子どもと一緒に親になる


よく、「子育てには共感が大事」というけれど、今回の件で身をもって学んだように思います。

これが「子育ては親育ち」という意味なのでしょう。


私は3児の母になったけれど、泣きもすれば怒りもする、一人の人間。

長女だから自分はしっかりしなくてはと思ってきましたが、大人になっても子どもの前で大泣きをしたくなる時はあります。



考えてみれば誰だって、長所も短所もあるし、デコボコがあります。

そのデコボコの中でも自分を出し、相手を思いやりながら関わっていくのが、家族というもの。


親としてできるだけ完璧な人間にならなければと思っていましたが、完璧な親でいることで、失うものもあるかもしれません。


親として上から教えるだけではなく、子から時に教えられつつ、家族で互いに学びつつ育っていく方が、なんだか自分も気持ちがいい。


今日も元気いっぱいで、相変わらずソファーでジャンプしながら戦いごっこを妹に挑む次男。

思い思いに過ごす子どもたちを眺めながら、これから何をお互い学びあっていくんだろうなと、嬉しい気持ちになりました。


※ この記事は2024年02月24日に再公開された記事です。

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