自分の子どもを産めないかもしれない。
母になり、家族をつくれないかもしれない。
生まれつき生理と排卵がない私は、高校生の頃から、そんな思いを心のどこかに抱え持ってきた。
愛知の片田舎で、三姉妹の長女として、両親と祖父母の7人家族、同じ敷地内にいとこ家族、隣にはとこ家族が暮らし、いわゆる血縁・地縁でつながる賑やかな家庭で育ってきた私。
育児を一人抱え込むことなく、働きながら自分の趣味や家族との時間を楽しむ母の姿に、一番身近にいる女性として、小さな憧れのような気持ちがあった。
いずれ私も結婚して、子どもを産んで、自分の家族を築いていく。
いつか、母になる。
何の疑いもなく、そう思っていたのだ。
そんな未来が当たり前ではないということに気づいたのは、高校生の頃。
16歳になっても初潮がなかった私は、母に連れられ、産婦人科を訪れた。
詳しい検査をすることもなく、気さくな初老の男性医師は「現時点で子どもが産めるか産めないかはわからないねえ。子宮が退化するといけないから定期的に生理を起こしておこう」とだけ診断した。
生まれつき生理がない「原発性無月経」。それでも、母になる。

徳瑠里香さん著作『それでも、母になる 生理のない私に子どもができて考えた家族のこと』(ポプラ社)より、一部をご紹介します。
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