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公開 2019年03月05日  

出産は保険適用外?妊婦さんのための出産費用・保険ガイド

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出産というと、「とにかくお金がかかる」イメージですよね。出産費用はいくらかかるのか、自然分娩の処置や帝王切開で保険はおりるのか、いろいろと気になるところ。そこで今回は、出産にかかる費用から、保険の加入や適用について、出産に関わるお金について詳しくご説明します!

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038023415

出産にかかる費用ってどのくらい?


出産するまでにかかる主なお金は、「妊婦健診」と「出産費用」。

これに加えて、赤ちゃん用品やマタニティーグッズなどの「出産準備品」の購入費用がかかります。

ここでは「妊婦健診」と「出産費用」について詳しくご説明します。

妊娠は病気ではないので、「妊婦健診」には健康保険が適用されません。

妊婦健診の1回の受診料は3,000~5,000円ほど、検査の内容によっては1万円を超えることもあります。

これを14~15回受けるので、妊婦健診総計の全国平均は10万2097円と高額になります。

しかし、各自治体には補助制度があります。

実際は検査内容によって費用が無料、もしくは一部負担となります。

助成内容は自治体によって異なりますから、自分の住む自治体に確認してみましょう。


出産育児一時金とは?


「出産費用」は、総合病院・個人病院・助産院か、個室か一般病室か、その他サービス内容などによって大きく異なりますが、全国の平均は約50万円です。

ただし、健康保険から出産一時金が「赤ちゃん1人につき42万円」支給されます。

出産一時金は、医療機関などに直接支給される「直接支払制度」があります。

妊娠中に病院から申請書類を案内される場合が多いのですが、この書類を提出すると、出産時には窓口で差額分のみを支払えば済みます。

たとえば全国平均で計算すると、「出産費用50万円-出産一時金42万円=8万円」となり、窓口で支払うのは差額分の8万円。

前もって大金を用意しておく必要がないのは、安心ですよね。


普通分娩や帝王切開は保険適用?


妊婦健診や出産費用が保険適用外となると、その他の保険適用も気になるところ。

通常の普通分娩では健康保険が適用されませんが、トラブルがあり医療処置が必要になった場合は、適用されます。

出産時にどのようなケースが保険適用となるのか、詳しくみてみましょう。


保険が適用になる場合


まずは保険が適用になる場合についてみてみましょう。

・微弱陣痛のための陣痛促進剤
・止血のための点滴、吸引分娩(自由診療のため、病院によっては健康保険対象外の場合もあります)
・鉗子分娩(自由診療のため、病院によっては健康保険対象外の場合もあります)
・帝王切開分娩(医学的必要があれば原則的に健康保険適用)
・医学的対応の場合の無痛分娩の麻酔(心臓病などの持病が認められた人で、普通分娩が難しい場合)
・赤ちゃんが新生児集中治療室に入る場合(低出生体重児や、身体的トラブルによる場合)
・死産(死産と判断される過程や時期などにより、健康保険の適用対象になるか判断されます)

出産の過程で医療処置が必要になった場合には、保険が適用されるということですね。


保険が適用にならない場合


保険が適用にならないのは、以下のような場合です。

・普通分娩
・ママの希望による無痛分娩の麻酔


妊娠してから医療保険に加入できる?


それまで必要性を感じなかったものの、妊娠してから心配になり、医療保険に加入したいと考える方もいるでしょう。

妊娠中の医療保険の加入については、保険会社によって異なります。

現在の身体の状態(妊娠中のトラブル)によって特別条件が付いたり、加入できない場合もあります。

また、加入しても一定期間は、異常妊娠・異常分娩による入院や手術について保障されない場合もあるので、しっかりと確認しましょう。

すでに保険に加入している場合は、吸引分娩、鉗子分娩、切迫流産や早産、帝王切開などで医療保険が適用される場合が多くみられます。

商品によって異なるので、加入している医療保険を確認してみましょう。


知っておきたい!高額医療費控除制度


出産に備えて、もしもの時のために知っておきたいのが「高額医療費控除制度」です。

医療費が高額になった場合に利用できるものなので、前もって知っておくと心強い制度です。


高額医療費控除のメリット


「高額医療費控除」とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額(年齢と所得状況によって設定されています)が高額になった場合、自己負担限度額を超えた金額を、後から申請することで健康保険から支給されるものです。

平均的な所得の会社員世帯では1か月8万円程度です。

8万円を超える医療費は健康保険で負担してもらえるということですね。


高額医療費控除が適用になる場合


気を付けたいのは、健康保険適用外の費用は除外されるということです。

適用になるものは、たとえば以下のようなものです。

・切迫早産
・切迫流産
・吸引分娩
・鉗子分娩
・帝王切開

こういった処置をしてもらった場合には、高額医療費控除を検討しましょう。


高額医療費控除が適用外の場合


一方で、以下のものは適用になりません。

・自然分娩
・個室や少人数部屋の差額ベッド代
・入院時の食事負担額
・入院中の日用品代等
・健康保険適用外の診療費用(自由診療等)


高額医療費控除で注意したい点


「高額医療費控除」は後から申請するものなので、一時的に大金を支払う必要があります。

しかし「限度額適用認定証」と保険証を医療機関等に提示すると、窓口での支払いが自己負担限度額までとなります。

帝王切開が決まっている方は、前もって「限度額適用認定証」の手続きをしておくと安心ですね。

また、「高額医療費控除」は、他の病院での医療費や家族の医療費も合算できます。

家族分の医療費の領収書もきちんと集めておきましょう。


参考:全国健康保険協会 愛媛支部「「高額療養費」と「医療費控除」ってなんだろう?」

参考:全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき」

参考:全国健康保険協会「医療費が高額になりそうなとき」

参考:All About「妊娠・出産でも健康保険が使えるケースとは?」

妊娠中にしっかりチェックを!


ここまで妊娠・出産に関わる保険やお金についてお話してきました。

出産後に手続きしようと思うと、時間がとれなかったり、疲れてしまうこともあるので、妊娠中にしっかりと確認・準備しておきましょう。

妊娠中にできる手続きは先に済ませ、パートナーとも話し合って書類などを共有しておくと、出産後に困らなくてすみますね。


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