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公開 2015年05月09日  

日本人より「もっと日本人?」中米の「日本人の学校」レポート。

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世界にはたくさんの「日本人の学校」があることをお伝えしてきました。現地の日本人が「日本語を学ぶため」に創設された日本語学校、そして文科省の管轄下に置かれ、日本の学校を卒業したのと同等の資格が与えられる日本人学校。大きく分けると、その2つになります。

ではでは今回と次回は、その日本人学校の中米編をお伝えしたいと思います~!


そもそもコスタリカってどんな国?

さてさて、今回は南米から場所を移しまして、中米有数の観光大国、コスタリカにやってきました!



「観光大国」と書いたのは、実はこの国、エコツーリズム発祥の国とも言われているんです。つまり、自然環境を保護しながらそれを学び、楽しみ、観光として発展させていく。そんな形を作った国、それがこのコスタリカなのです。国土の約70%が森林である我が日本とも、非常に通ずるところがありますよね!



※コスタリカでは海亀の産卵や孵化を見ることができます。ちなみに僕は海亀保護のボランティアをコスタリカでしてきました。

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そんなコスタリカのどこに日本人学校があるの?

というコスタリカなのですが、この国にも日本人学校があるんですね。それはどこにあるかというと・・・なんと、大自然の中!というわけではなく(笑)、首都のサンホセにあります。



中米諸国は残念なことに、どこの国もあまり治安が良いとは言えません。そしてそれは概して人が多く集まる都市部においてであり、このサンホセも例外に漏れず、あまり安全な街とは言えないんですね。



人通りの多い大通りを昼間歩いている分にはそれほど心配はいりませんが、裏道であったり、あるいは大通りでも夜になると、ちょっとその雰囲気は危険なものになってしまいます。



※このように、路上で生活している人もたくさんいます。

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サンホセ日本人学校ってどんなところ?

サンホセ日本人学校は、市内の中心部からはけっこう離れた、閑静な住宅街の中にありました。やはり治安面の問題もあるということで、市内からは離れており、そしてガードマンが24時間常駐しているとのこと。



それだけを聞くと物々しい雰囲気だけが伝わってしまうかもしれませんが、学校のある場所だけを見てみれば、緑が多くて静かで、とても良い環境なんです。貧富の格差が非常に大きい国ですから、どんな人が住んでいるかによって、大きくその雰囲気は異なるんですね。

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このサンホセ日本人学校を訪れて、まずもって感じたことがあります。



それは、保護者との距離の近さでした。僕が訪れた日はちょうど夏休みの最後の方で、生徒と保護者が一緒になって学校を大掃除していました。

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当然僕も一緒になって大掃除を手伝っていたのですが、その中で、校長先生はこんなお話をして下さいました。



「最近は日本人学校を選ばない日本人も多くなったし、そもそもサンホセにいる日本人そのものが大きく減ってしまった。今、この学校は存続の危機なんです。でも、この学校を設立した先人の方々にとって、この日本人学校はかけがえのない大切な存在です。ですから今、保護者の皆様とも力を合わせて、サンホセ日本人学校を盛り上げようと頑張っているんですよ。」



※校長先生と、校長先生の奥様と一緒に・・・。

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減りゆく日本人を見て、我思う。

ブラジルやパラグアイでも、同じような話を聞いてきました。日本人学校は、時の政治や経済に大きく左右されると言います。それは僕たちの生活と無関係ではなく、人間の身体の全てが1つ1つ必ず繋がっているように、この世界も1つの生命体のように繋がっているものです。



1つの事象は必ずどこなに影響をする。ついつい目の前の出来事に意識を奪われてしまうのが人間ですが、この遠く離れた日本人学校にも、ぜひ意識を向けていただけたらと思います。

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