断乳とは、授乳をやめることです。
ママの意思でやめさせることを断乳、赤ちゃんが自然におっぱいを欲しがらなくなって授乳をやめることを卒乳と呼びます。
現在では、無理に授乳をやめる必要はないという考え方が主流になっていますが、仕事復帰や保育園入園、体調不良などの理由で断乳が必要になる場合もあるでしょう。
断乳をいつ頃(時期)するべきかに関する理想は一つではありません。
WHOとユニセフは2年間の母乳育児を推奨していますが、日本では、離乳食完了期である1歳~1歳半くらいの時期に断乳を行う場合が多いようです。実際の断乳・卒乳の時期はママや赤ちゃんの体調、ライフスタイルなど家庭によって異なってくるのが自然だと思われます。
断乳を考える目安としては、離乳食完了前は哺乳瓶で必要な量のミルクが飲めるかどうか、離乳食完了後は離乳食で栄養が取れている状態か、水やお茶などの水分を飲めるかどうかだと言われています。
ですが、赤ちゃんがおっぱいを飲むのは栄養を取るためだけではありません。
授乳はママと赤ちゃんのコミュニケーションの一つで、おっぱいを飲むことで赤ちゃんは安心も得ています。
おっぱいを飲み続けたがっていて、状況が許すなら赤ちゃんが自然に卒乳するまで待つというのも一つですね。
自分の気持ちと、赤ちゃんの様子とを見ながら、自分たちに合ったペースで断乳・卒乳を進めていけるといいですね。
断乳をすると決めたなら、次は進め方が重要です。
子どもがママの言うことを理解できるようなら、前もって断乳の時期を教えると良いでしょう。
カレンダーにマークをつけたり、好きなキャラクターのシールなどを使うと興味を示してくれるかもしれません。
毎日「この日になったらおっぱいとバイバイしようね」と伝えます。
「どうして?」「いやだ」といった反応もあるかもしれませんが、そこで子どもとしっかり話せた事自体が、その後のプロセスにとって大切な時間になるはずです。
断乳の日までに、授乳時間や授乳回数を徐々に減らしていきます。
授乳量を一気に減らすと乳房側のトラブルを起こしやすいため、まずは授乳回数を1回ずつ減らし徐々に行うことが大切です。
できれば1カ月以上かけて、ゆっくり進めるのがおすすめです。
おっぱいを欲しがったら、別のこと(おもちゃや遊び、食べ物、絵本など)で気をまぎらわせるなど、少しテクニックも必要になるかもしれません。
そうした、気を紛らす対応には人出が足りなくなることもあるので、断乳直後は、できればパパやおじいちゃん、おばあちゃんに協力してもらいましょう。
授乳をやめることで、ママの胸は母乳がたまって痛みを感じます。気持ちの面でも、ぐっと耐えつつ、断乳後のケアをしていきます。
断乳中は、赤ちゃんが水分や栄養をしっかり取れるように注意しましょう。
授乳をやめても愛情は変わらないことを伝えることも大切です。
ハグしたりマッサージしたり、スキンシップを普段より多めにしてあげると赤ちゃんも安心するでしょう。
また断乳をしてから1カ月ほどは、おっぱいケアをすることも大事です。
母乳がたまったり、詰まったりすると乳腺炎やしこりなどのトラブルが起きることがあります。
辛い時は乳頭に触れずにおっぱいの根元からおにぎり搾りで両手で少し搾乳し、熱を持っている時は冷えピタなどで冷やしても良いそうです。
その後、5日〜1週間後頃に再度搾乳をします。
ここではしっかり母乳を出しきった方が良いので、助産院や母乳外来に頼るのも良いでしょう。
乳房に痛みを感じる場合や不安がある場合も、早めに母乳外来などを受診するのがおすすめです。
また、断乳直後はおっぱいが大きくなることがあるため、血液循環が悪くならないようにきつい下着の着用は控えるようにしましょう。
断乳はママにも子どもにとっても大変ですが、親子の生活を次のステップに進めるために必要なこともあります。
断乳を考えている方は、ママの体調や赤ちゃんの様子を見ながら自分たちに合ったペースを考えてみてくださいね。