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歯がゆかった。陣痛で苦しむ妻と、廊下で待つしかない自分 <投稿コンテストNo.97>

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「妻のために何ができるか」を日頃から考え、立ち合い出産へのシミュレーションは完璧なはずだったのに……。そのとき、夫は何を思うのか?そのべゆういちさんの出産伴走日記です。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161018798


妻と僕の間には、現在1歳4ヶ月の息子がいます。妻は以前産後うつだったのですが、それを乗り越え、夫婦力を合わせて子育てをする生活を送っています。

ここのところ急に寒くなったからか、息子は体調を崩してしまい、今1週間ほど保育園を休んでいます。妻も僕も看病でヘトヘト。子育ての楽しさも辛さも味わっています。

僕にとって家族はとても大事です。妻と息子が快適に暮らせるにはどうすれば良いかいつも考え、全力で実践してきたつもりです。

家族に対する愛情や行動については少しばかり自負がある、そんな僕ですが、実は過去にとてつもない無力感を抱いた場面があります。

それは、1年4ヶ月前にさかのぼります。

深夜の誰もいない廊下で無力感に包まれた


妻に陣痛が起こったのは、2017年6月3日(土)深夜1時のことでした。僕は妻の腰をさすりながら産婦人科に電話をし、タクシーを呼んで病院へ向かいました。到着後すぐに、妻と一緒に陣痛室へ入りました。

しばらく様子を見ていましたが、痛みの間隔はどんどん狭まっていきます。「痛い」と冷静に言うだけだった妻でしたが、だんだんと「痛い!!!」と語気が強まり、汗の量も増えていきました。

妻は痛さのあまり四つん這いになり、苦悶の表情を浮かべるようになりました。この姿を見て、僕にも緊張が走ります。

妻は病院が指定した下着を着用していたのですが、痛みでのたうち回って位置がずれてしまい、くるぶしから下の部分とシーツに血液がべったりと付いてしまいました。

僕は陣痛室からナースコールを押して、助産師さんに異変を知らせます。


痛みと緊張で妻は全身には力が入り、いきみがちになってしまいます。でも子宮口が十分に開いていない状態でいきむと、赤ちゃんもママも辛い状況になりお産が長引くおそれがあるんです。

助産師さんから、「力を抜いて!息を吐きなさい!!」と強烈な喝が入ります。

ここで助産師さんは、僕に退室を促します。僕は「はい」と答えて外に出て、廊下にあるベンチに腰掛けて再び呼ばれるのを待ちました。

痛みによる妻の悲鳴は、陣痛室の外、深夜で誰もいない廊下にまで響き渡りました。ベンチの端に座っていた僕は、拳に力を込めながら、しかし絶望的な無力感に包まれていきます。

「僕が代わってあげたい!」

「痛みをとってあげたい!」

「僕にも少し分けて欲しい!」

愛する人が目の前で苦しんでいるのに何もできない。時間にしてほんの10分くらいだったはずですが、その何倍も、とてつもなく長い時間に感じられました。


立ち会い出産に向けて、僕は準備していたつもりだったのに

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