子どもを産む、それはどんな瞬間なんだろう?
妊娠期間の十月十日、頭の中にいつもある「産む」瞬間への想像。
細かな描写で出産体験を綴られた、トギーさんのエッセイをご紹介します。
子どもを産んだ瞬間、「この人は、他人だ」と思った
131,642 View2017年5月、わたしは子どもを産んだ。ずっと夢見てきたことだったから、それはもう感動と愛に満ちあふれた瞬間になるものと思い込んでいた。
トギーさんのnoteから、出産に関する記事をご紹介いたします。
2017年5月、わたしは子どもを産んだ。
ずっと夢見てきたことだったから、それはもう感動と愛に満ちあふれた瞬間になるものと思い込んでいた。
でも、実際はそんな感動は押しよせてこなかった。むしろ、驚いた。
***
わたしは、俗にいう子ども好きだ。街中で見かける人様の子どもも、もれなくみんな愛おしい。
そんな自分が子どもを産んだら、「ああかわいい我が子! 最高の宝物! 大好き! 愛してるー!!」みたいに母性が爆発するんだろう妄想していた。でもその期待は見事に裏切られる。
産まれてきたのは、初めて見る顔をした人間だった。わたしの意思とは関係なく、泣き叫んでいた。
なぜか、そのことにすごく驚いた。
「この人は、他人だ」
面食らったような衝撃だった。
どうやらわたしは、子ども好きをこじらせて、自分の子どもは自分の分身かなにかだと思い込んでいたようだ。
彼女は、わたしの分身じゃないことはもとより、わたしの子どもである以前に、意思をもったひとりの人間だった。
「この人は、わたしの子どもなのか。そうなのか」
10ヶ月おなかの中にいたとはいえ、面と向かうのはこの日がはじめて。へその緒を切ってしまえば物理的な繋がりもなくなる。
産んだ瞬間から親子の愛着やら、家族の絆ができているわけがない。これから築いていかなきゃいけないんだ。
なぜこんな至極当然の事実に、これまで気がつかなかったのだろう。
産んだから母なんじゃない。わたしはこれから母になっていく。この気づきが、わたしなりの、母への第一歩。今はそんなふうに思っている。
「はじめまして。これから家族になろう」
いかがでしたか。
産んだから母なんじゃない。わたしはこれから母になっていく。
今、自分が「お母さん」になれているんだろうか?そんな不安を抱えている方へ
これからみんなで"家族"になるんだと教えてくれるまっすぐで優しいエッセイ。
トギーさんのブログには他にも多くの素敵なテキストが掲載されています。
みなさまぜひご覧ください。
(編集:コノビー編集部 森山)
1
使わなくなったベビーベッドの行く末に、かわいさが炸裂する…!!
にくきゅうぷにお
2
褒められて調子に乗る0歳児。ドヤ顔がたまりません
にくきゅうぷにお/講談社
3
この気持ちよさは…なに??起床して即、感謝を捧げてしまったワケ
コノビー編集部
4
1日を終わらせる自信がない…。そんな夕方に訪れる「ふと気分が変わる瞬間」の話
ニシハラハコ
お友達に2000円のプレゼント!?お金の価値を知って欲しい母は、あえてこう言う
多喜ゆい
【父子の絆に心が洗われる】「父ちゃんゼルダ無双クリアしたよ」
コノビー編集部
子どもの「大丈夫!」は時に疑うことも必要。検温したら、やっぱり熱があった!
粥川結花
X(旧Twitter)で時の人「赤井英和の嫁 佳子」さんが抱っこ紐のパパに思うこと
コノビー編集部
思わずキュン…♡レストランで夫の対応に”惚れ直した”出来事
多喜ゆい
「ワーママの大変さ」を、パパが実感したのはこんな瞬間
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』
子が夫に質問「ママのこと大好き?」聞き耳をたてていたら、嘘でしょ…?
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』
夫の育児にモヤる瞬間。「妻がいる前提」のおでかけムーブが私の顔を虚無らせる。
いそめし ちかこ