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公開 2015年05月03日  

とっておきのロングセラー絵本3冊を紹介! ~子どもの頃に読んでいた絵本が届けてくれるもの~

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絵本は今も次々に出版され、すばらしいものがたくさんあります。でも、私たちが生まれる前から、今でも読まれ続けているものもたくさんありますよね。そんな絵本には特別な力があると思っています。「絵本プレゼンター」の私が、ロングセラーの絵本についてご紹介します。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10387002225

ロングセラー絵本の魅力とは

今回は、私たちが生まれる前や生まれた頃から、今でも読まれ続けている絵本をご紹介いたします。ここにご紹介する3冊は、私にとって印象深いものばかり。そのエピソードも添えてお伝えさせていただきたいと思います。

『だるまちゃんとてんぐちゃん』 作・絵 加古里子

「絵本プレゼンター」という肩書きのもと、絵本をご紹介する仕事をしておりますが、実は息子が生まれるまで、絵本にほとんど触れる機会がありませんでした。子育てがはじまったと同時に、絵本が生活のなかに入り込んできたのです。

そんな私が、「絵本」というと思い浮かべる一冊がこれでした。



うちわや靴、帽子がたくさん描かれたページがあり、幼い頃の私はそのページが大好きで、どの靴がいいかな?私だったらこっちだな、などと本気で悩んでいつまでも眺めていたのを覚えています。



この絵本を読むと、その絵本をしまっていた戸棚や本を開いたときの空気が思い出されて、ちょっとせつないような気持ちというか、幼い頃感じていた感覚を運んできてくれます。あの時の自分とまた出会うような、そんな感じがするのです。

『わたしのワンピース』 絵・文 にしまきかやこ

これは、絵本の仕事をはじめるようになってから手にした本です。



かわいらしくて、女の子のもっていそうな夢をそのまま描いたような絵本だなと思いました。出版された年を確認すると、自分の年齢とそんなに変わらないことに驚きました。



「ミシンカタカタ…」という足踏みミシンの表現は昔ならではですが、おしゃれな感覚は今でもまったく古臭くなく(!)どれもすてきなワンピースで、今の女の子たちの心もきっとドキドキさせてくれるはずです。いい絵本は、いつになっても普遍的なものなんだと感じさせられた一冊です。

『14ひきのおつきみ』 作・絵 いわむらかずお

最後にご紹介する絵本には、こんなエピソードがあります。



私は小さなお子様も安心して来店できるカフェにお邪魔して、絵本を読ませていただくことが多いのですが、あるとき「流しの絵本読み」と題していろんな絵本をもちこみ、お客様が選んだ絵本を読むという企画をしたことがありました。



お子様を抱っこしたお客様の中に、「子どもに全然絵本を読んでいないのです。」という方がいました。



確かにあまり関心がない様子で、お好きな本を選んでいただくのは難しいかな…と思ったときです。「あ…」とおっしゃって目を留めた一冊がありました。それがこの『14ひきのおつきみ』でした。



「幼い頃、母に何度も読んでもらっていた絵本です。」とおっしゃって、なつかしそうに手にしてくれたのです。私が持参した限られた絵本の中に、偶然にもこの一冊を用意していた幸運!もちろんこの絵本を読ませていただきました。そして、「私は読んでいません」とおっしゃっていた時とはあきらかに絵本との距離がぐっと近くなり、「この子にも読んであげます」とおっしゃってくださいました。



たとえ赤ちゃんがわからなくても、お話をちゃんときいていなくてもいい。ママが自分のために絵本を選んでいくことも大切なんだと、あらためて確認した出来事でした。

絵本は「アルバム」です。

私はいつも、「絵本はアルバムです」とお伝えしています。



アルバムを開くように、なつかしい絵本は過ごしてきた時間を振り返らせてくれます。そんな絵本の読み聞かせのひとときは、ご自分の幼い頃と、わが子とを重ねていく時間となるでしょう。

絵本のくれるやわらかな時間を思い出しながら、わが子の豊かな「アルバム」時間になることを願い、絵本と過ごす子育ての時間を大事にお過ごしいただけたらと思います。

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